
株式会社Spider Labsが提供する転売対策ツール「Spider AF 転売対策」の調査により、2025年におけるEC市場での不正注文率が平均4.38%に達していることが明らかになりました。これは販売開始直後の完売や高額転売といった問題が、ゲーム機や限定商品に留まらず、EC市場全体に広がっていることを示しています。
国内のデジタルD2C市場は2025年に約3兆円規模に到達すると予測されており、この市場規模に今回検知された不正注文率を適用すると、年間で約1,340億円もの取引が不正注文の影響を受けていると算出されます。
この記事の目次
GW商戦期がD2C事業者にとって危険な時期となる背景
D2C事業者にとってゴールデンウィークは、初回購入割引や定期購入の初回特典、クーポン施策、アフィリエイト広告出稿などが重なる新規顧客獲得の重要なタイミングとなっています。しかし、こうした施策は不正購入を行うグループにとっても格好の標的となりやすく、複数のアカウントやデバイスを駆使して初回特典を繰り返し不正に利用し、商品を転売する手法が頻発しているとのことです。
特に問題となるのは、このような不正注文が正規の新規顧客による注文と区別しにくいという点です。D2C領域で拡大しているのは、事業者や正規顧客にも気づかれにくい「見えない転売」であると指摘されています。
GW商戦期には正規の注文も急激に増加するため、人の目による確認や個別の審査では対応しきれなくなり、見落としのリスクが特に高まる傾向にあるとのことです。
GW商戦期の実態データ:約23件に1件が不正注文
Spider AFの不正注文検知機能を実際に運用している98アカウント・約734万件のデータを分析した結果、不正注文率は4.38%(1日あたり約881件)となりました。つまり、ECサイトに流入する注文のおよそ23件に1件が転売目的・いたずら・アフィリエイト不正などと判定されていることになります。
国内D2C市場における約1,340億円が不正注文の影響下に
国内の「デジタルD2C」市場規模は、2025年に3兆円規模に到達する見通しとなっています。この市場規模にSpider AFが検知した不正注文率4.38%を適用して計算すると、国内D2C市場において不正注文の影響を受けている取引規模は年間推計で約1,340億円に上るとされています。
これは、初回割引の原資流出、定期継続率(F2転換率)の見かけ上の低下、アフィリエイト報酬の不正流出、ブランド価値の損傷など、D2C事業者の収益基盤を侵食する深刻な規模といえます。
注意すべき3つの不正手口パターン
Spider AFの2025年検知データによると、主な脅威として以下の3つのパターンが確認されています。データセンターIPカテゴリが不正全体の約33%を占めており、ボット・クローラー等の機械型が過半数(約52%)を占めています。
パターン1:クラウド/データセンター発のボット大量購入(全体の約5割)
AWS・Azure・GCPなどのクラウドサービスからスクリプトを使って自動購入を実行する手口です。2025年には単一のIPアドレスから年間7万件を超える集中的な注文が確認されています。
パターン2:居住地プロキシ・VPNによる地域偽装(約2〜3割)
海外からのアクセスを国内アクセスに偽装するVPNや住宅プロキシ経由での注文です。不正注文の約83%は国内IPから発生しており、正規アクセスへの偽装が高度化しています。
パターン3:複数アカウント・複数デバイスでの初回割引狙い撃ち(約2割)
複数のアカウントを作成して初回割引を繰り返し悪用する手口で、配送先情報を微妙に変更する「アドレスジギング」や、自作自演の注文によるアフィリエイト成果報酬の不正取得も含まれています。
これらの手口はいずれも、個別の注文単位では正規顧客と見分けることが困難で、従来のIPアドレス制限や目視確認では捉えにくいという特徴があるとのことです。
Spider AFによる2025年の不正注文手口パターン分析
ブランド保護の鍵は発送前のセキュリティ対策
不正転売は、ブランド価値の毀損やファン離れ、SNS上での炎上を引き起こす可能性がある深刻な問題です。購入後に対応しても手遅れになるケースが多く、発送前の段階で不正を検知して排除することの重要性が増しています。
今回の分析結果が示すように、不正の約半数はBot・データセンターIPによる自動攻撃です。さらに残りの半数は、居住地プロキシや複数デバイスを活用した正規アクセスへの偽装であり、従来のIPアドレス制限では検知しにくい手口が組み合わされています。
実際にSpider AFを導入したEC系企業では、自社だけでは検知できなかった「リスト型転売」への対策が可能になり、不正検知データに基づいて発送差し止めを継続した結果、不正注文数がピーク時の3分の1まで減少したという実績があるとのことです。
不正注文検知サービス「Spider AF 転売対策」の特徴
多様化・巧妙化する不正手口に対応するため、Spider AFではユーザー行動の異常などを多角的に検知します。導入もシンプルで、正規ユーザーの購買体験を損なうことなく速やかに対策を開始できるとされています。
Spider AF 転売対策について
Spider AFの主な機能
Spider AFは以下のような機能面での特徴を備えています。
- Bot/VPN/プロキシの利用を多角的に検知
- 通信の異常パターンや行動から人間を装ったアクセスを見抜く
- 商品ページや決済ページへの不正遷移をリアルタイムで監視
- 導入後すぐに結果を可視化できる管理画面を提供
株式会社Spider Labsの企業概要
株式会社Spider Labsは、東京都港区南青山に本社を置き、代表取締役の大月聡子氏が率いる企業です。マーケティングセキュリティツール「Spider AF」の企画・開発・運営を主な事業としており、アドフラウド・転売・不正リード・アフィリエイト等へのセキュリティソリューションを提供しています。2011年4月に設立されました。
調査の概要
今回の調査は、2025年1月1日から12月31日までの期間に、「Spider AF 転売対策」を利用している98アカウントを対象に実施されました。総注文数7,345,070件をサンプルとし、Spider Labs自社データベースに基づいて集計した結果、不正注文数は321,728件に達しました。
出典元:PR TIMES













