化粧品在庫処分相談ランキングTOP10を発表―ビューズが624商品のデータを分析

株式会社ビューズは、化粧品メーカーから日々受けた在庫処分に関する相談624商品のデータを集計し、「総合」とヘアケアを除外した「スキンケア」部門の二つに分類して「化粧品在庫処分相談ランキングTOP10」を集計・公表しました。化粧品企画における今後の注意点として参考にできる内容となっています。

今回の集計は、2024年1月から2025年12月31日までの期間を対象に実施されました。

化粧品在庫処分相談ランキング

化粧品業界の参入障壁低下と在庫リスクの増加

化粧品業界では、OEM工場に製造を委託することで販売メーカーとして事業を展開することが可能です。自社は企画やマーケティングに集中し、製造はOEM工場に委ねる分業体制が浸透しています。とりわけ近年では、SNS発のブランド(D2C)や異業種からの新規参入が相次いでおり、そのほとんどが自社工場を持たない形態で参入しているため、参入障壁が低くなっています。その結果、化粧品市場における広告入札者が増加し、広告費が高騰する状況が続いています。インフレによる原価の上昇に加えて、スキンケア難民が溢れる供給過多の市場環境において、製品在庫を抱えるリスクが存在している状況です。

化粧品市場の状況
総合ランキング

パーソナライズと高機能化が求められるヘアケア市場

ヘアケア製品の相談が多い背景には、市場の構造変化と消費者による厳しい取捨選択が重なっていると考えられます。物価高の影響により、消費者は「本当に価値があるもの」以外にお金を使わなくなっています。美容室への来店頻度が減少し、自宅でのセルフケア(ホームケア)への投資が増える一方で、「多機能・時短(1本で完結)」か「サロン品質の特化型」という二極化が進行しています。その中間にある「なんとなく良さそうな、中価格帯の市販品」が最も売れ残りやすく、在庫処分の対象となっているとのことです。

ニーズの細分化が進む中、多様な要望に対応するために多品種展開を進めた結果、需要が分散される状況となっています。多様な悩みに対応するためには、より専門的でパーソナライズされた商品開発が求められます。特に、従来のマス向け商品では満たしきれない課題が顕在化している現在、パーソナライズは「トレンド」ではなく「必要条件」となりつつあります。D2Cにおいては、白髪ケアを含めたヘアカラーニーズが盛り上がり、大手以外のブランドの活躍も注目されています。

年齢による悩み

白髪、薄毛、髪のハリ・コシの低下、頭皮の乾燥など、加齢に伴う悩みが顕在化しています。

個別の髪質

くせ毛、うねり、広がり、パサつきといった個々の髪質に合わせた商品への需要が高まっています。

ライフスタイル

在宅勤務の増加やストレスなど、ライフスタイルの変化による頭皮や髪のトラブルも増加しています。

ヘアケア市場
スキンケアランキング

上位は定番スキンケア、競争過多のレッドオーシャン

スキンケアの定番カテゴリは、市場規模が大きく、多くのブランドが商品を展開しているため、一見すると「売れ筋」のように思われがちですが、差別化競争が激化しており、消費者側の「比較疲れ」や「満足前の離脱」が重なる市場となっています。

化粧水や美容液は、有効成分や価格帯でのブランド間の違いが見えにくくなっており、使用シーンの細分化により、「どれを選ぶべきか分からない」という判断の難しさが、消費者の間で深まっています。さらに、一度使用して実感が得られなかった経験から、同じ有効成分を含む商品に対して購買意欲が下がり、再購入を避ける動きも見られます。

ブランドスイッチが起きやすいカテゴリであり、トライアル品やSNSで話題の商品を次々と試す「スキンケア難民」の存在が顕著になっています。「自分に合う化粧品が見つからない」「何を使っても肌が改善しない」といった悩みから、継続使用される前に他ブランドへ移行されてしまう傾向が見られます。

化粧品市場に対する専門家のコメント

美容ライター:阿保幸菜氏

ブランドや商品の増加により供給過多が進み、「売れるか」ではなく「選ばれ続けるか」が重要な競争軸になっています。ニーズに応えすぎた多品種展開は、需要を分散させ、結果的に在庫リスクを高める要因にもなっています。特に美容液や化粧水など継続使用が前提の商品では、1本使い切った頃に「肌のキメが整った」「くすみが気にならなくなった」といった変化を実感できるかどうかが、リピート購入を左右します。そのためには、使用感や香りといった初期体験の満足感に加え、継続する価値を感じられる「手応え」を丁寧に設計することが重要です。また、忙しい朝や疲れた夜でも無理なく使える時短性や、持ち運びやすいサイズ感など、日常生活に自然と組み込める「ライフスタイルとの親和性」も、選ばれ続ける製品づくりには欠かせない視点です、とコメントされています。

サステナライター・ヨガ講師:SAiCO氏

美容液などの定番スキンケアが上位を占めました。市場規模が大きい一方で競合が激しく、差別化が難しいカテゴリーです。SNS時代の今、商品自体がブランドの語り手となり、「欲しい」と「持続可能」を同時に叶える工夫が求められています。例えば、ボトルを捨てずに詰め替えできるデザインや、環境にやさしい原料を使った処方などです。その取り組みを「環境配慮がトレンド」「サステナはお洒落」として表現することで、生活者の共感と支持を集めやすくなります。小さな工夫を積み重ねることこそが、これからのコスメ企画の差別化の鍵になるのではないでしょうか、とコメントされています。

化粧品市場動向と在庫処分に困らない商品企画のポイント

化粧品市場動向

日本の化粧品国内出荷額は2019年に過去最高を記録しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響でインバウンド需要の消失や外出機会の減少などから、出荷額は大きく減少しました。

在庫リスクを軽減するためには、「市場とのズレを最小化する」視点での商品企画の精度が求められます。ブランドとしての世界観や処方による差別化がしっかりと設計されていることが前提となるほか、市場成熟度の把握では、ランキングが参考になります。

こうした化粧品メーカーの在庫に関する課題を解決すべく、実務に即した支援サービスを株式会社ビューズは提供しています。在庫処分に関する相談に対しては、店頭ディスカウントストアの販路ネットワークを利用して販売を行います。

商品発売前の段階から相談することで、市場動向や競合分析を踏まえた「商品企画前アドバイザリー」も可能となっています。さらに、販売が伸び悩んだ商品の見せ方や構成を見直すための販促提案なども行っており、メーカーが抱える在庫を次の成長機会へとつなげるサポートを行っています。

出典元:PR TIMES

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