Webデザイナーの9割が生成AI画像に「既視感」、模倣とオリジナリティの境界線に関する調査結果

CloudInt(東京都港区)は、20代から50代のWebデザイナー1,007名を対象として実施した「生成AI画像における模倣・オリジナリティ」に関する調査の結果を公表しました。

生成AIの技術が広く普及したことで、誰もが簡単に高品質な画像を生成できるようになった一方、「既存の作品に似ている」「これは模倣ではないのか」といった疑問や議論が増加しています。

画風の模倣や著作権の取り扱い、オマージュとの線引きなど、クリエイティブ領域におけるルールはまだ十分に整備されていない状況です。

デザインに携わるプロフェッショナルは、一般の生活者とは異なる視点で作品を評価しているのでしょうか。

AI技術が浸透した現代の創作活動において、何が模倣とみなされ、どこからがオリジナルと認められるのでしょうか。

この疑問に答えるべく、CloudIntは、20代から50代のWebデザイナーを対象に、「生成AI画像における模倣・オリジナリティ」に関する調査を実施しました。

なお、本調査は著作権法における適法性の判断を目的としたものではありません。

調査概要:「生成AI画像における模倣・オリジナリティ」に関する調査
調査期間:2025年12月16日(火)~2025年12月18日(木)
調査手法:PRIZMAを利用したインターネット調査
回答者数:1,007名
調査対象者:調査時点で20代から50代のWebデザイナーと回答したモニター
調査実施元:CloudInt
モニター提供:PRIZMAリサーチ

画像生成AIで既存作品との類似を感じた経験がある方は約9割

最初に、「画像生成AIツールの利用経験」を質問したところ、『現在利用している(78.6%)』との回答が最も多く、『過去に利用したことがある(15.1%)』という回答が続きました。

この調査結果から、Webデザイナーの間では画像生成AIツールが試験段階の技術ではなく、「日常業務の一部」として既に定着していることが読み取れます。

業務の効率化や表現手法の拡充を目的に活用される一方で、全員が同様の姿勢で受け入れているわけではなく、この温度差が後述する「不安感」や「判断基準」に影響を及ぼしている可能性があります。

生成AIツールが当然の制作手段になりつつある現在だからこそ、利用者側の意識や理解度の違いが、様々な課題を明確にしているとも考えられます。

『現在利用している』『過去に利用したことがある』と前問で回答した方に、「利用経験のある画像生成AIツール」について質問したところ、『ChatGPT(46.9%)』との回答が最多で、『Adobe Firefly(36.0%)』『Midjourney(23.2%)』という結果が続きました。

上位のツールは、操作のしやすさや既存業務との相性が良いものが多く、実務への導入がスムーズな点が評価されていると推測されます。

各ツールは学習データの考え方や生成物の傾向が異なるため、どのツールを選択するかが「類似していると感じるか」に影響する可能性もあります。

デザイナー自身がツールの特性を把握した上で使い分けているかどうかが、後の評価や不安意識と関連しているようにも見られます。

調査結果グラフ

全回答者に、「AIが生成した画像が既存作品に似ていると感じたことがあるか」を尋ねたところ、『よくある(37.1%)』『ややある(50.9%)』との回答が約9割に達しました。

多くの方が、生成AI画像に対して何かしらの既視感を持った経験があることが明らかになりました。

これは偶然ではなく、日常的に多数の作品に触れているデザイナーだからこそ気づきやすい感覚とも言えます。

一方で、『あまりない』『まったくない』と回答した層も少数ですが存在しており、感じ方には個人による違いがあることも示されています。

使用するツールやプロンプトの工夫、生成後の加工処理の有無などにより印象が変化している可能性も考えられ、類似していると感じるかどうかは結果のみならず制作過程とも深く関係していると見られます。

『よくある』『ややある』と前問で回答した方に、「"既存作品に似ている"と感じた理由として最も該当するもの」を質問したところ、『色使い・画風が似ていた(36.1%)』が最多で、『構図・アングルが似ていた(29.0%)』『キャラクターの特徴が似ていた(21.8%)』という回答が続きました。

表面的な要素である「色使いや画風」が上位となったことは、第一印象の時点で「似ている」と判断されやすいことを意味しています。

「構図・アングル」や「キャラクターの特徴」といった要素は、意識的に設計しなければ差別化が難しい部分でもあり、AI出力にそのまま頼った場合に類似性が高まる可能性があります。

デザイナーは単純な形状だけでなく、表現の細かなニュアンスまで含めて評価していることがわかります。

デザイナーの8割以上が画風模倣に不安を感じていると回答

調査結果グラフ

「AIによる画風模倣に不安を感じるか」について質問したところ、8割以上の方が『よく感じる(29.3%)』『ときどき感じる(55.3%)』と回答しました。

多くの方が利便性を享受しながらも、心のどこかで不安を抱いている状況が浮き彫りになりました。

不安の程度には差があるものの、「まったく感じない」と回答した層は非常に少数でした。

これは、生成AI画像が業務において無視できない存在となった一方で、リスクを完全には把握できていない現状を映し出しているとも考えられます。

安心して使用するための判断材料やガイドラインが十分に共有されていないことが、こうした心理状態につながっている可能性があります。

『よく感じる』『ときどき感じる』と前問で回答した方に、「AIが生成した画像を商用利用する際、不安を感じる点」を質問したところ、『著作権侵害になる可能性(盗用)(53.9%)』が最多で、『元作品や学習データが不明なこと(模倣と盗用のリスク)(48.7%)』『既存作家と"似ている"と言われるリスク(模倣)(45.4%)』という回答が続きました。

利便性を活用しながらも内心に不安を持つ状況は、AIが業務で重要な存在になった一方、リスクの完全な理解が追いついていない現状を反映しています。

多くの方が不安を感じていることから、安心して利用するための明確な判断基準や業界全体のガイドラインが共有されることで、心理的不安を和らげ、普及を促進できると考えられます。

調査結果グラフ

全回答者に、「デザイナーとして、『オマージュと模倣の境界線』はどこだと考えるか」を質問したところ、『AI出力に対して人間が構造・色・意図を再設計していればオマージュ(37.5%)』が最多となり、『AIが学習した特定作家の"作風・パターン"をそのまま出力している場合は模倣(32.8%)』『特定作品と照合した際に"識別可能な要素"が残るなら模倣(18.4%)』という回答が続きました。

判断の軸として最も重視されているのは、「人間がどれだけ関与しているか」であることが示されています。

単にAIを使用したかどうかではなく、その後にどの程度自分の意図を反映させたかが重要だと考えられているようです。

これは、生成AIを道具として捉えながらも、最終的な責任や創作性は人間にあるという意識の現れとも言えます。

一方で、作風や識別可能性といった要素も一定の割合を占めており、完全に一つの基準にまとまっているわけではない点が、判断の困難さを示しています。

一般生活者とデザイナーの模倣認識のギャップ、約8割が「ある」と回答

調査結果グラフ

「非デザイナーとデザイナーでは"模倣認識"に差があると考えるか」について質問したところ、約8割の方が『大きな差があると思う(27.8%)』『やや差があると思う(53.0%)』と回答しました。

専門的な知識や経験の有無が、模倣かどうかの判断に影響を与えているという認識が広く共有されていることが判明しました。

デザイナーにとってはわずかな違いでも、非デザイナーには同じに見える可能性があり、そのギャップが誤解や炎上を招く懸念も示唆されています。

判断基準が共有されていない状況では、制作者がどれだけ注意を払っていても、受け手の解釈次第で評価が変わってしまうリスクが存在します。

この認識のズレをどのように埋めるかが、今後の課題と言えそうです。

「AIが生成した画像に関する炎上(盗用疑惑・画風模倣など)について、最も『社会的な課題』だと感じるもの」を尋ねたところ、『境界線の曖昧さが混乱を生んでいる(32.7%)』との回答が最も多く、『AIが学習する仕組みが不透明で誤解されやすい(24.9%)』『非デザイナーとデザイナーの判断基準の差がトラブルを生んでいる(18.0%)』という回答が続きました。

最も多く指摘された「境界線の曖昧さ」は、模倣かオマージュかを判断する明確な共通認識が存在しない現状を象徴しています。

次に多かった「学習仕組みの不透明さ」は、AI技術そのものへの不信感や誤解を生みやすく、結果として炎上に発展しやすい土壌を形成している可能性があります。

また、「デザイナーと非デザイナーの判断基準の差」が一定の割合を占めている点からは、専門知識の有無が評価に大きく影響していることが改めて明らかになりました。

SNSの拡散構造が課題として挙げられている点も踏まえると、個々の問題が独立して存在するのではなく、曖昧な基準と情報伝達が複合的に作用することで、炎上が加速化している構図が見えてきます。

技術的な進化だけでなく、社会全体で共有できる判断軸を整備することの重要性が示された結果と言えるでしょう。

調査結果グラフ

最後に、「AIが生成した画像について"もっと明確になってほしい"と感じる点は何か」について質問したところ、『著作権の扱い(44.9%)』との回答が最も多く、『使用された学習データの出所(44.6%)』『商用利用の可否(32.7%)』という回答が続きました。

著作権の扱いと学習データの出所が上位に並んだことから、デザイナーは生成結果だけでなく、その背景にある仕組みの説明を重視していることが判明しました。

特に学習データの透明性は、意図せず模倣や盗用に関与してしまうリスクへの不安と結びついているようです。

また、商用利用の可否が一定の割合を占めている点からは、実務における判断材料が十分に整理されていない現状も見えてきます。

生成AI画像は「使用できるかどうか」だけでなく、「どのように説明し、どのような責任を持つか」まで含めて捉えられており、明確なルールや基準の提示が安心して活用するための前提条件になっていると言えます。

まとめ 生成AI時代に問われる「模倣」と「創作責任」の再定義

今回の調査により、生成AI画像はすでにWebデザイナーの制作現場に広く浸透している一方で、「模倣」と「オリジナリティ」をめぐる判断や不安が、依然として大きな課題として存在していることが明らかになりました。

多くのデザイナーが、AIが生成した画像に対して既視感を覚えた経験を持ち、その判断は色使いや画風、構図といった視覚的要素だけでなく、作品全体の雰囲気や文脈を含めた総合的な感覚に基づいて行われています。

また、画風模倣に対する不安や商用利用時の懸念が多数を占めたことから、生成AIは単なる効率化ツールではなく、制作者に新たな責任意識を求める存在になっていることが読み取れます。

著作権侵害の可能性や学習データの不透明さ、「似ている」と指摘されるリスクが重なり、安心して活用するための判断材料が不足している現状は、個人の注意や工夫だけでは解消しきれない問題と言えるでしょう。

オマージュと模倣の境界線については、人間がどこまで介入し、意図を再設計しているかを重視する考え方が主流であり、AIをあくまで補助的な道具として捉える意識が根強く残っています。

最終的な表現の責任は人にあるという認識は、生成AI時代においても変わっていないことが確認されました。

さらに、デザイナーと非デザイナーの間には模倣認識のギャップが存在し、そのズレが炎上や誤解を生む一因になっている可能性も示されています。境界線の曖昧さ、AIの仕組みに対する理解不足、情報が拡散しやすい環境が複合的に作用することで、問題が拡大しやすい構造が形成されている点は無視できません。

生成AIの進化を止めることは現実的ではありません。

だからこそ今後は、生成AI画像は「使用できるかどうか」ではなく、「どのように説明し、どのような責任を伴って使用するのか」が問われる段階に入っていると言えるのではないでしょうか。

Webデザイン・プログラミング学習の情報メディア「CloudInt」

CloudIntロゴ

今回、「生成AI画像における模倣・オリジナリティ」に関する調査を実施したCloudIntは、プログラミング・Webデザイン学習やIT転職に役立つ情報を発信しています。

CloudIntとは

CloudIntは、プログラミング学習やエンジニア転職を志す方向けに、質の高い情報をわかりやすく届ける専門メディアです。

「どのスクールを選べばよいか」「助成金や補助金が使える講座はあるか」「未経験者や中途者がどう学び始めるか」など、実際の学習・キャリア選択に直結するテーマを中心に扱っています。

主な特徴・強み

スクール比較やランキングの充実

「プログラミングスクールおすすめランキング20選」「生成AIが学べるおすすめのスクール」「AI(人工知能)が学べるプログラミングスクール」など、さまざまな切り口でスクールを比較・紹介しています。

助成金・補助金制度の解説

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目的・属性別の学習ガイド

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スクール診断・マッチング支援

受講者自身の目的やバックグラウンドに応じて、「あなたにぴったりのプログラミングスクール診断」が利用できます。

運営概要

社名:株式会社Textrade
所在地:〒107-0062 東京都港区南青山2丁目2番15号
設立:2021年3月1日
事業内容:メディア事業・WEB制作事業・モバイルアプリ制作事業・SEOコンサルティング事業・SNS運用代行事業

出典元: CloudInt「生成AI画像における模倣・オリジナリティに関する調査」

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