
楽天グループ株式会社は、企業版ふるさと納税を活用した地域活性化を促進するため、全国の自治体と寄付希望企業をつなぐポータルサイト「企業版楽天ふるさと納税」を開設したことを発表しました。このサイトを通じて、自治体は国から認定された地域創生プロジェクトを広く企業に周知し、寄付を募ることが可能になります。
同社は株式会社官民連携事業研究所と連携し、寄付の推進だけでなく、自治体のプロジェクト立案段階から寄付後の官民連携まで総合的に支援するプラットフォームを提供するとのことです。マーケティングデータを活用した地域課題分析や地域再生計画の立案支援なども行い、企業版ふるさと納税を通じた地域創生を幅広くサポートしていくとしています。
この記事の目次
企業版ふるさと納税を活用した地域創生の新たな取り組み
楽天グループ株式会社が開設した「企業版楽天ふるさと納税」は、企業版ふるさと納税を通じて地域のさらなる活性化を目指す新しいポータルサイトです。企業版ふるさと納税は、内閣府が推進する地方創生応援税制として、国が認定した地域再生計画に位置付けられる地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して、企業が寄付を行った場合に法人関係税から税額控除する仕組みです。
このポータルサイトを通じて、自治体は国から認定を受けた地域創生プロジェクトを掲載し、企業に広く周知することで、企業版ふるさと納税による寄付を募ることができます。企業側にとっても、全国の自治体が取り組む地域創生プロジェクトを一覧で確認でき、自社の理念や事業領域に合ったプロジェクトを見つけやすくなるメリットがあります。
官民連携を推進するプラットフォームの提供
楽天グループは、政策提言と地域創生プロジェクトの持続的な創出・支援を行う株式会社官民連携事業研究所と連携し、本サイトを通じた寄付の推進にとどまらない包括的な支援を実施するとしています。自治体のプロジェクト立案段階から寄付後の持続的な官民連携に至るまで、官民連携を推進するプラットフォームを提供することにより、企業版ふるさと納税を活用した地域創生を幅広く支援していくことを明らかにしています。
具体的な支援内容としては、楽天のマーケティングデータを基にした地域課題の分析が挙げられます。これは個人や取引先を含む第三者が特定されない形で、楽天グループのサービス利用履歴などを統計的に加工したデータを活用するものです。このデータ分析により、各地域の特性や課題を客観的に把握することが可能になります。
また、地域再生計画や寄付受付プロジェクトの新規立案支援も行われます。自治体が効果的な地域創生プロジェクトを立案するためのサポートを提供し、国からの認定取得までをバックアップします。さらに、企業と自治体の最適なマッチング支援にも取り組み、両者のニーズや目的が合致するよう橋渡しを行うとのことです。
楽天グループの地域創生への取り組みと実績
楽天グループはこれまでも、運営する複数の事業を通じて培ったマーケティングのノウハウやデータ活用の強みを生かし、地域産品の販路拡大や関係人口の創出などを通じて、各自治体の課題解決に取り組んできたとされています。ECサイトやトラベルサービスなど、多岐にわたるサービスを通じて地域の魅力を全国に発信し、地域経済の活性化に貢献してきた実績があります。
特に、個人向けのふるさと納税ポータルサイト「楽天ふるさと納税」を通じて地域の魅力を発信し、寄付募集と経済活性化においても数多くの実績を重ねてきました。自治体と寄付者をつなぐプラットフォームの運営ノウハウや、効果的なプロモーション手法など、豊富な知見とノウハウを蓄積していることが伝えられています。
今回の「企業版楽天ふるさと納税」の開設は、これらの知見とノウハウを企業版ふるさと納税の領域にも展開し、官民連携と地域創生へのさらなる貢献を目指す取り組みとなっています。楽天グループのプラットフォームとしての強みと、各種データ分析能力を最大限に活用することで、企業版ふるさと納税の活性化と地域課題の解決を同時に推進していくとしています。
全国の自治体と寄付をしたい企業をつなぐ「企業版楽天ふるさと納税」の概要
「企業版楽天ふるさと納税」は、全国の自治体と寄付をしたい企業をつなぐポータルサイトです。自治体のプロジェクトページが一覧で確認でき、本サイトを通じて地域課題解決のためのプロジェクトを広く企業に周知することができます。サイトは2025年12月3日(水)に公開され、現時点で21の自治体が参画していますが、今後順次拡大していく予定だと発表されています。
本サイトの大きな特徴は、企業版ふるさと納税の仕組みや手続きに関する情報を分かりやすく提供している点です。企業にとっては税制優遇のメリットだけでなく、自社の経営理念や事業領域に合った地域貢献の方法を見つける場としても活用できます。また、自治体にとっては、プロジェクトの認知拡大や企業とのつながりを構築する機会が得られます。
楽天グループは、本サイトを通じて企業版ふるさと納税の認知拡大と活用促進を図るとともに、地域の持続的な発展に向けた官民連携の取り組みを後押ししていくとのことです。全国の自治体と連携し、地域の課題解決と持続的な発展に取り組む姿勢を明確にしています。
企業版楽天ふるさと納税 参画自治体一覧(2025年12月3日時点)
現在、「企業版楽天ふるさと納税」には全国から21の自治体が参画しています。北は北海道から南は九州まで、幅広い地域の自治体がプロジェクトを掲載しています。参画自治体は以下の通りです。
- 北海道登別市
- 宮城県塩竈市
- 山形県山形市
- 福島県いわき市
- 茨城県土浦市
- 千葉県勝浦市
- 新潟県上越市
- 石川県小松市
- 福井県高浜町
- 長野県小諸市
- 愛知県瀬戸市
- 愛知県西尾市
- 三重県名張市
- 滋賀県彦根市
- 京都府京丹後市
- 大阪府四條畷市
- 兵庫県川西市
- 奈良県宇陀市
- 鳥取県北栄町
- 熊本県大津町
- 宮崎県延岡市
これらの自治体では、それぞれの地域特性や課題に応じた多様な地域創生プロジェクトが進行中です。「企業版楽天ふるさと納税」を通じて、各自治体のプロジェクト内容や目指す成果を企業に広く知ってもらうことで、より多くの企業からの寄付獲得を目指しています。
企業版ふるさと納税の仕組みと意義
企業版ふるさと納税は、内閣府が推進する地方創生応援税制として、2016年に創設されました。国が認定した地域再生計画に位置付けられる地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して、企業が寄付を行った場合に法人関係税から税額控除する仕組みです。
寄付額の最大約9割が税額控除されるため、企業にとっても実質的な負担を抑えながら地域貢献ができるメリットがあります。法人住民税、法人税、法人事業税から控除されるため、企業の社会貢献活動としても注目されています。
この制度の大きな意義は、企業の資金やノウハウを地方創生に活用できる点にあります。地域と企業が連携することで、地域の課題解決と企業の社会的責任(CSR)や共通価値の創造(CSV)を同時に実現することが可能になります。また、企業と地域のつながりが深まることで、新たなビジネスチャンスや人材交流なども生まれる可能性があります。
楽天グループが開設した「企業版楽天ふるさと納税」は、こうした企業版ふるさと納税の仕組みと意義を広く周知するとともに、実際の寄付行動につなげるための重要なプラットフォームとなることが期待されています。
今後の展望
楽天グループは、「企業版楽天ふるさと納税」の運営を通じて、参画自治体の拡大や掲載プロジェクトの充実を図っていく方針を示しています。また、企業と自治体のマッチング精度を高めるための機能強化や、寄付後のフォローアップ体制の整備なども進めていく予定とのことです。
地域創生の取り組みは一過性のものではなく、持続的に推進していくことが重要です。楽天グループは、企業版ふるさと納税の活用を通じた地域創生の成功事例を積み重ね、その知見を全国の自治体と共有することで、地域の持続的な発展に貢献していくことを目指していると伝えられています。
また、単なる資金提供にとどまらない、企業と自治体の協働による新たな価値創造の場を提供することも視野に入れているようです。企業のビジネスノウハウや人材と、地域の資源や課題をマッチングさせることで、より効果的な地域課題の解決と地域経済の活性化を実現することが期待されています。
楽天グループは、今後も全国の自治体と連携し、地域の課題解決と持続的な発展に取り組んでいくとしています。「企業版楽天ふるさと納税」を通じて、企業と自治体をつなぐ架け橋となり、日本全国の地域創生に貢献していく姿勢を示しています。
出典元:楽天グループ株式会社 プレスリリース












