
株式会社カインズ(代表取締役社長 CEO:高家 正行)と株式会社交換できるくん(代表取締役社長:栗原 将)が2025年11月21日、資本業務提携契約を締結したことが発表されました。本提携により、カインズは交換できるくんが実施する第三者割当増資を引き受け、協業を開始するとのことです。この出資によりカインズは主要株主の一角に加わり、同率で第4位の株主となります。
両社は今後、それぞれが持つ資源を最大限に活用し、顧客がスムーズかつ快適に利用できるリフォームサービスの提供と、職人が業務効率化とスキル向上を通じて仕事の幅を広げられる環境づくりを目指していくことが明らかになりました。
この記事の目次
両社の概要
カインズは1989年の設立以来、革新的な取り組みを続けてきました。2007年にはオリジナル商品開発に舵を切るSPA宣言を行い、2018年にはIT技術を活用した快適で楽しい購買体験実現を目指すIT小売業宣言など、小売業やホームセンターの枠にとらわれない挑戦を続けています。同社は商品やサービス、店舗を通じて、くらしに寄り添い、創意工夫で豊かさと楽しさの提供を目指しているとのことです。
また、カインズはくらしに関わる重要な要素の1つであるリフォーム事業にも30年以上注力しており、2014年には「株式会社カインズ365(サンロクゴ)」を設立しています。1・2級建築士や1級建築施工管理技士などの有資格者を中心とした専門チームにより、大規模かつ専門的な工事にも対応できる体制を整えているとのことです。
一方の交換できるくんは、住宅設備機器の単品交換に特化し、インターネットを活用したDXリフォームサービス「交換できるくん」を展開しています。2020年12月に東証グロースに上場(証券コード:7695)し、2025年3月期には対前年成長率36.1%を達成、売上100億円を超える実績を上げていることがわかりました。
同社は上場以降、賃貸住宅をはじめとするBtoB向け住宅設備交換事業や、住宅設備工事付きECサイト「交換できるくん」のOEM提供を実現させたクラウドプラットフォーム「リプラフォーム」、職人育成のための「交換技能アカデミー」、住宅設備保証などの取り組みを進めています。独自の仕組みとノウハウを活かした周辺事業への投資を強化し、高収益体質への転換を加速させているようです。
出資概要
| 発行株式数 | 300,000株 |
| 契約締結日 | 2025年11月21日(金) |
| 実行日 | 2025年12月15日(月) |
背景と目的
新築住宅価格の上昇が続く現在、持ち家志向の消費者の間で住宅リフォームへの関心が高まっています。しかし同時に、熟練職人の引退や若年層の新規参入の停滞により、リフォーム市場における職人確保と技術継承が重要な課題となっていることが指摘されています。
こうした市場環境において、安心して手軽に利用できるリフォームサービスの提供と、職人がスキルを磨きながら長く活躍できる仕組みづくりという両社のビジョンが合致し、今回の提携に至ったとされています。
両社はリアルとデジタルを連動させながら最大限活用することで、顧客にはより便利なリフォームサービスを、職人にはより働きやすい環境を提供できるよう取り組んでいくと伝えられています。
協業内容
現時点で予定している協業内容は以下の通りです。
交換できるくん特有システム「リプラフォーム」の活用
現地調査不要で、リフォームの見積もりや事前準備をオンラインで完結できるシステム「リプラフォーム」をカインズに導入するとのことです。これにより、顧客にはより迅速でスムーズなリフォーム体験を提供し、職人の現場準備や移動にかかる負担を大幅に削減できるとされています。顧客と職人の双方にとって便利で効率的な新しい施工モデルの実現を目指しています。
リフォーム事業領域の相互補完
両社の強みを活かし、対応可能な施工メニューやエリアを広げることで、より多様なニーズに応えていく方針です。交換できるくんは住宅設備単品交換に特化して事業を展開していますが、システムキッチンやユニットバス、エクステリアリフォームなどをカインズが補完して提供することで、サービス領域の拡大を図るとのことです。
一方、カインズは交換できるくんが擁する職人のリソースを活用し、全国規模でリフォームサービス提供エリアの拡大を図る計画があるようです。
「交換技能アカデミー」での職人育成
交換できるくんが多能工交換士(住宅設備交換を行う職人)育成のために立ち上げた実践型スクール「交換技能アカデミー」に、カインズ専用カリキュラムを設けることが明らかになりました。これにより、技術レベルが高く仕事の質も良好で、キッチン・バスのリフォームやエクステリアまで幅広く対応可能な"マルチ職人"の育成を推進していくとのことです。
展望
今後、両社の提携により、顧客の利便性向上と職人のブランド化・スキル向上・働きやすい環境づくりに取り組み、全国規模でリフォーム事業の拡大を図っていく方針が示されています。両社によるコミュニティの共同運営やクロスマーケティングの強化を通じて、職人市場の持続的な発展に貢献し、「カインズ×交換できるくん」のリフォームブランドを確立することで、業界のトッププレーヤーとなることを目指しているとのことです。
カインズは今後も、職人市場の拡大と顧客にとっての利便性向上に注力し、カインズならではのKindnessなリフォーム事業の構築に取り組んでいくことが伝えられています。
交換できるくんについて
交換できるくんは、住宅設備交換の設置工事見積をオンライン完結し、工事付きでの販売を可能にしたECサイト「交換できるくん」を企画、開発、運営しています。リフォーム業界においていち早くDXを活用し、手軽に安心して住宅設備を交換できるリフォームサービスを実現させているとのことです。
同社は年間6万件を超えるオンライン販売、工事によって蓄積したノウハウを付加価値として事業の水平展開を進めているようです。
株式会社交換できるくん 概要
| 代表者 | 代表取締役社長 栗原将 |
| 創業 | 1998年11月 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区東1-26-20 東京建物東渋谷ビル |
| 資本金 | 4億2,595万4,000円 |
| 事業内容 | 住宅設備リフォームDX 「交換できるくん」開発・運営 |
| 従業員数 | 連結251名(2025年9月末) |
| 証券コード | 東証グロース:7695 |
カインズについて
株式会社カインズは、29都道府県下に262店舗を展開するホームセンターチェーンです。「くらしDIY」をブランドコンセプトに、くらしを豊かにする価値ある商品・サービスを開発し、お値打ち価格で毎日提供しているとのことです。
Kindness(親切心)と創意工夫のアイデアあふれる店舗づくりに努めることで、顧客一人ひとりの、ご家族の、そして地域の日常を楽しいものとし、お客様とのプロミスである「くらしに、ららら。」をお届けしていると伝えられています。
株式会社カインズ 概要
| 代表者 | 代表取締役会長 土屋 裕雅
代表取締役社長 CEO 高家 正行 |
| 設立 | 1989年 3 月 |
| 本部所在地 | 埼玉県本庄市早稲田の杜1‐2‐1 |
| 資本金 | 32億6,000万円 |
| 事業内容 | ホームセンターチェーンの経営 |
| 従業員数 | 13,486名(2025年2月末) |
| 店 舗 数 | 262店舗
カインズ:250店舗(別館を含む)、Style Factory:3店舗、C'z PRO:9店舗 |
出典元:株式会社カインズ プレスリリース












