
日本最大級のインターネットオークションサービス「Yahoo!オークション」を運営するLINEヤフー株式会社が、「スニーカーダンク」(スニダン)を提供する株式会社SODAと連携し、ファッションやアクセサリー・時計、トレーディングカードを対象とした鑑定サービスを開始したことが発表されました。この取り組みにより、利用者は無料で鑑定サービスを受けることができ、偽造品や取引トラブルへの不安を軽減できる環境が実現します。
この記事の目次
増加する偽造品と多様化する不正手口への対策
財務省の調査によると、日本国内税関での知的財産侵害物品の輸入差止件数は2024年に3万3千件を超え、過去最多を記録しています。また近年のオンラインCtoC取引では、商品受け取り後に異なる商品にすり替えて返品を要求したり、出品者が商品説明と異なる商品を送付したりするなど、不正手口の多様化が課題となっています。
「Yahoo!オークション」では、これまでも偽造品等に関する明確な出品禁止規定の設置や、ストア出店審査・本人確認の実施、AIによる監視など、様々な対策を講じてきたとのことです。しかし、こうした現状を踏まえ、偽造品・不正対策をより強固なものにするため、対象商品における鑑定サービスの提供を開始することになりました。
年間数百万点の鑑定実績を持つ「スニーカーダンク」と連携
今回の鑑定業務で連携する「スニーカーダンク」は、年間数百万点の鑑定実績を持つプロフェッショナルな鑑定士の目によるチェックに加え、これまでの鑑定実績をもとに構築された正規品・偽造品データベースを活用しており、99.97%という高い鑑定精度を実現しています。この数値は2025年1月1日〜2025年6月30日の取引数から、真贋鑑定および品質検査において過ちが発生した件数をもとに算出されたものです。
「鑑定付き」商品の取引の流れ
「Yahoo!オークション」において「鑑定付き」と表記された商品は、出品者が発送した後、「スニーカーダンク」による商品確認・真贋鑑定が実施されます。商品説明や画像との相違がなく、正規品であることが確認された商品のみが、「スニーカーダンク」の「鑑定済バッジ・シール」を付けて落札者へ発送される仕組みになっています。
鑑定の対象となるのは、入札開始価格が2万円以上の「トレーディングカード(シングルカード)」、5万円以上の「トレーディングカード(ボックス、パック)」「ファッション」「アクセサリー・時計」で、対象ブランドの商品となります。現在、対象ブランドは257ブランドに及び、幅広くカバーしているとのことです。
ユーザーの鑑定利用ハードルを大幅に低減
従来のオンラインCtoC取引における鑑定サービスでは、「鑑定をつけると費用負担が発生する」「売上金の入金までに時間がかかる」といった利用上のハードルがありました。
しかし、「Yahoo!オークション」の新しい鑑定サービスでは、鑑定料金や鑑定所から落札者への送料について、ユーザーの負担は発生しません。落札者は商品代金のみで鑑定サービスを利用することができ、出品者も従来の取引と同様に発送するだけで正規品証明が可能となります。さらに出品者は、商品が鑑定所から落札者に発送された時点で売上金を受け取ることができるため、資金回収の面でも利便性が向上しています。
ただし、将来的に有料となる可能性もあるとのことです。また、偽造品または商品説明・写真と相違がある場合は出品者に返送されますが、その際の返送料は出品者負担となります。

安全・安心な取引環境の実現に向けて
この鑑定サービスの導入により、ユーザーの鑑定利用ハードルを下げ、偽造品や取引トラブルへの不安を払拭し、より安心して取引できる環境が整うことが期待されています。「Yahoo!オークション」ではこうした取り組みを通じて、偽造品や不正のない取引環境の実現を目指し、サービスの健全な発展を推進していく方針だと伝えられています。
LINEヤフー株式会社は『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』をミッションに掲げています。同社が提供する「Yahoo!オークション」は、今後も安全・安心への取り組みを継続することで、ユーザーが快適にリユース体験を楽しめるサービスを目指すとともに、オンラインC2C市場全体の安全性・信頼性の向上をリードし、より多くの方が安心して参加できる循環型社会の実現に貢献していくとしています。
背景:知的財産侵害の現状
近年、インターネット上での取引の拡大に伴い、偽造品の流通が社会問題となっています。財務省の発表によると、日本国内の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は年々増加傾向にあり、2024年には3万3千件を超えて過去最多を記録しました。
また、CtoC取引においても、取引成立後に商品をすり替えて返品を要求するなどの悪質な行為や、意図的に偽造品を本物と偽って販売するケースなど、様々な不正行為が報告されています。こうした状況は、オンラインマーケットプレイスの信頼性を損なう要因となっており、プラットフォーム事業者による対策が求められていました。
「スニーカーダンク」について
今回連携する「スニーカーダンク」は、株式会社SODAが提供するサービスで、スニーカーを中心としたファッションアイテムの買取・販売に加え、真贋鑑定サービスを提供しています。年間数百万点という膨大な鑑定実績をベースに構築された正規品・偽造品のデータベースと、熟練した鑑定士の目による確認を組み合わせることで、99.97%という高い鑑定精度を実現しているとのことです。
同社はこれまでもさまざまなECプラットフォームと連携し、安全な取引環境の構築に貢献してきました。今回の「Yahoo!オークション」との連携により、より多くのユーザーが安心して高額商品の取引を行える環境が整うことが期待されています。
今後の展望
LINEヤフー株式会社は、今回の鑑定サービス導入を皮切りに、今後も「Yahoo!オークション」における安全・安心な取引環境の構築に向けたさまざまな取り組みを推進していく予定だと発表しています。ユーザーがより安心してサービスを利用できる環境を整備することで、オンラインCtoC市場全体の健全な発展と、循環型社会の実現に貢献することを目指しているとのことです。
リユース市場の拡大と環境への意識の高まりを背景に、今後もオンラインCtoC取引の重要性は増していくことが予想されます。こうした流れの中で、プラットフォーム事業者による積極的な対策は、市場の信頼性向上と健全な発展に不可欠な要素となっています。
出典元:LINEヤフー株式会社 プレスリリース













