
株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区、代表取締役社⻑:西山泰央)のHuman-Centered AI Instituteは、全国の15~69歳の生活者を対象に3回目となる「AIと暮らす未来の生活調査2025」を実施しています。生成AIの急速な普及を背景に、現状の生活者意識や利用状況、将来的な期待や意向などを明らかにすることを目的としたこの調査では、生成AI利用者が3割を超え、幅広い年代で活用が進んでいることが確認されました。
この記事の目次
- 1 調査結果サマリー
- 2 調査結果詳細
- 2.1 生活者全体の85.3%が生成AIを認知し、33.6%が生成AIを利用
- 2.2 AIネイティブである10代の生成AI利用率は62.6%、50代以上でも「4人に1人」が利用
- 2.3 10代にとっては「悩みを相談できる相手」「遊び相手」、50代以上にとっては「サポート要員」
- 2.4 生成AIの利用者は92.6%がプライベートで利用、生活に身近なツールに
- 2.5 プライベートでは「悩みを相談できる存在」「遊び相手」、ビジネスでは「仕事をサポートする存在」
- 2.6 「生成AIの提供情報を信頼している」のは、利用者の55.1%で過半数を超える
- 2.7 一方で「生成AIの情報だけでは不十分、マスメディアなど他の情報も必要」と考えている人は48.3%と約半数に
- 2.8 人間がやるべき仕事は「医療」「教育」、AIがやるべき仕事は「ルーティンワーク」「翻訳」、楽しみたい「買い物」は人間のテリトリー
- 2.9 望ましい未来:将来的には生成AIに「心と体のサポート」も期待
- 3 調査概要
調査結果サマリー
- 生成AIの認知は85.3%、推定1億510万人がすでに認知しています
- 生成AI利用者は全体の33.6%で、推定4,140万人が利用しています
- 利用者の45.3%が2~3日に1回以上利用するヘビーユーザーとなっています
- 10代の62.6%が生成AIを利用、50代以上の「4人に1人」が利用しています
- 10代にとって生成AIは「悩みを相談できる相手」「遊び相手」となっています
- 50代以上にとって生成AIは「サポート要員」と位置づけられています
- 92.6%がプライベート・学業において生成AIを利用しています
- 「生成AIの提供情報を信頼している」のは、利用者の55.1%で過半数を超えています
- 利用者の48.3%が「生成AIの情報だけでは不十分、マスメディアなど他の情報も必要」と考えています
- 人間がやるべき仕事は「医療」「教育」、AIがやるべき仕事は「ルーティンワーク」「翻訳」と認識されています
- 楽しみたい「買い物」は人間のテリトリーと考えられています
- 将来的には、生成AIに「心と体のサポート」も期待されています
調査結果詳細
生活者全体の85.3%が生成AIを認知し、33.6%が生成AIを利用
生成AI関連サービスを利用している人は全体の3分の1以上にあたる33.6%となっています。利用者の45.3%が「2~3日に1回以上利用」するヘビーユーザーであることも明らかになっています。また、生成AI関連サービスを知っているという人は全体の85.3%と、生成AI関連サービスの存在が広く認知されていることが確認されています。
AIネイティブである10代の生成AI利用率は62.6%、50代以上でも「4人に1人」が利用
年代別に分析すると10代の利用率が62.6%と圧倒的に高くなっています。急速にAIが生活に浸透する中で、10代はAIネイティブとして生成AIを使いこなしていることがうかがえます。また、50代以上でも生成AI利用率が24.6%と、およそ4人に1人が生成AIを利用しており、シニア世代のAI活用も今後ますます広がっていくことが予想されています。

10代にとっては「悩みを相談できる相手」「遊び相手」、50代以上にとっては「サポート要員」
生成AI関連サービス利用者全体に、生成AIはどのような存在かを聞いたところ、43.6%が「便利な道具」と回答しています。年代別に見ると、10代は生成AIを「便利な道具」と捉えつつも、「悩みを相談できる存在」や「遊び相手」としても位置づけていることが明らかになっています。一方、50代以上は生成AIをあくまでも「便利な道具」「サポート要員」として捉えており、情緒的なつながりを求める傾向は低いことが示されています。


生成AIの利用者は92.6%がプライベートで利用、生活に身近なツールに
ビジネスやプライベート・学業における生成AI関連サービスの利用状況について聞いたところ、全体の半分以上の52.5%がプライベート・学業利用と回答しています。ビジネスとの併用も加えると92.6%がプライベート・学業において生成AIを利用しており、ビジネスのみの利用は7.4%にとどまっています。これにより、プライベートでの生成AI利用が広く浸透しており、生活に身近なツールとして定着しつつあることが見て取れます。

プライベートでは「悩みを相談できる存在」「遊び相手」、ビジネスでは「仕事をサポートする存在」
ヘビーユーザーに生成AIはどのような存在か聞いたところ、プライベート・学業利用のヘビーユーザーは生成AIを「悩みを相談できる存在」や「遊び相手」として捉えているのに対し、ビジネス利用のヘビーユーザーは仕事をサポートする存在として捉える傾向があることが明らかになっています。

「生成AIの提供情報を信頼している」のは、利用者の55.1%で過半数を超える
生成AI関連サービスが提供する情報についてどの程度信頼しているかを聞いたところ、利用者の過半数にあたる55.1%が「生成AIが提供する情報を信頼している」と回答しています。「信頼していない」と答えた人は8.0%と圧倒的に少なく、多くの人が生成AIの提供情報を信頼して利用していることが明らかになっています。

一方で「生成AIの情報だけでは不十分、マスメディアなど他の情報も必要」と考えている人は48.3%と約半数に
生成AIを信頼している人が多い一方で、「マスメディアや、アプリ、SNSなどで情報を得なくても、生成AIを使ったAIサービスで情報を得るだけで十分か」という質問に対して、「マスメディアや、アプリ、SNSなどの他の情報を得なくても、生成AIの情報だけで十分」だと考える利用者は21.5%にとどまっています。利用者の約半数にあたる48.3%は、生成AIが提供する情報に加えて、マスメディアや、アプリ、SNSなどの他からの補完情報も必要だと感じていることが分かっています。

人間がやるべき仕事は「医療」「教育」、AIがやるべき仕事は「ルーティンワーク」「翻訳」、楽しみたい「買い物」は人間のテリトリー
未来に向けて、どのような仕事であれば生成AIに任せてもよいかを聞いたところ、「ルーティンワーク・単純作業」(43.4%)、「翻訳」(41.2%)、「環境モニタリング」(40.7%)、「予測分析」(39.2%)が上位に並びました。一方、人間がやるべき仕事としては、「日々のお買い物、買回り品の購入」(38.8%)、「医療処置および手術支援」(35.5%)、「教育支援」(34.2%)、「医療診断」(34.0%)が上位となっています。楽しみたい「買い物」は人間がやるべきという結果になっています。また、「カスタマーサポート(問合せ・クレーム対応)」も人間がやるべきという意見がやや優勢でした。

望ましい未来:将来的には生成AIに「心と体のサポート」も期待
生成AIと人間が共存していく中で「望ましい未来」について聞いたところ、「リアルタイム翻訳で、言語の壁がなく国際的な仕事ができる」(20.6%)が最も高い支持を得ています。また、「生成AIのパーソナルドクターが肉体的・精神的なケアをしてくれる」(17.1%)、「精神的に疲れる業務は、生成AIに任せるようになる」(15.7%)、「生成AIが病気のリスクとその対策を教えてくれる」(15.5%)といった肉体的、精神的なサポートを期待する傾向が見られ、今後いっそう人間に寄り添うパートナーとなることへの期待がうかがえます。

調査概要
・調査名称:「AIと暮らす未来の生活調査2025」
・調査方法:インターネット調査
・調査時期:2025年9月
・調査地域/対象者:全国 15~69歳の男女
・調査機関:株式会社マクロミル
・有効回答数:事前調査(32,180サンプル) 本調査(2,400サンプル)
・分析/集計機関:エム・アール・エス広告調査 株式会社
本調査における各名称の定義

本調査割付

出典元:株式会社博報堂DYホールディングス プレスリリース













