
東芝デジタルソリューションズ株式会社が提供する電子レシートサービス「スマートレシート®」の約270万人のユーザーから得られる購買データを分析し、カップ麺の買い物動向に関する調査結果を発表したことが明らかになりました。今回の調査は2025年9月の1か月間における購買数量の多い商品を全国および地方別にランキング化したものとなっています。
全国ランキングでは「焼きそば」が1位となりました。これは前回2025年3月に公開されたカップ麺売れ筋ランキングでも同様に1位だったカテゴリで、引き続き首位を維持する結果となっています。特筆すべき点として、新たに「うどん」も上位にランクインしており、カップ麺市場における"味の多様化"が進んでいることが調査により明らかになっています。
地方別のランキングを詳しく見ると、中部地方・近畿地方・九州地方では「うどん」が1位となっています。また、「焼きそば」「うどん」「ラーメン」の3種類はすべての地方でランクインしているのに対し、「そば」がランクインしたのは北海道地方と東北地方のみという特徴が見られました。
「ラーメン」の種類においても地域による嗜好の違いが浮き彫りになっているようです。北海道地方と四国地方では「ワンタン入り」のラーメンが、東北地方では「魚介豚骨味」が、中国地方では「豚骨味」がそれぞれランクインするなど、地方ごとの特色が明確になりました。さらに、「うどん」については、前回の調査に引き続き、地域ごとに味などをカスタマイズして販売しているメーカーが多いことも確認されています。
全国のカップ麺売れ筋ランキング(2025年9月)

地方別のカップ麺売れ筋ランキング(2025年9月)

データ備考
・対象期間:2025年9月1日~30日
・対象店舗:「スマートレシート®」加盟店
・対象商品:JANコード(全国共通の商品識別番号)がついている商品
・PB:プライベートブランドの略。プライベートブランドはメーカー名を伏せて記載
消費者の購買傾向から見えるカップ麺市場の今後
今回の調査結果からは、カップ麺市場における地域性の強さと同時に、全国的な傾向も読み取ることができます。「焼きそば」や「ラーメン」といった定番カテゴリが依然として高い人気を保ちつつも、「うどん」のようなカテゴリが急速に台頭してきている点は注目に値します。
各地域によって好まれる味や種類が異なる点は、各メーカーが地域の嗜好に合わせた商品開発を行う重要性を示唆しています。特に「うどん」については地域ごとにカスタマイズされた商品が多く見られることから、今後もこの傾向は続くと予測されます。
また、購買データの分析によって明らかになったこれらの傾向は、小売店の商品陳列計画や、メーカーの生産計画にも有用な情報となるでしょう。消費者のニーズを正確に把握することは、無駄な在庫を減らし効率的な販売につなげる重要な要素となります。
【出典元】東芝デジタルソリューションズ株式会社
 
















