
株式会社ジモティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:加藤 貴博)は、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を活用した個人間の非対面取引サービスの実証実験を、2025年11月4日(火)より東京都世田谷区にて開始することを発表しています。
この実証実験は、国土交通省の「多様な受取方法等の普及促進実証事業費補助金」の対象事業として採択されており、個人間取引サービス(CtoC)においてPUDOステーションを物品受け渡しに直接利用する国内初の取り組みとなります。これにより、ユーザーはこれまで取引の障壁となっていた「対面での予定調整」や「梱包・発送の手間」から解放され、"置くだけ"で不要品を譲渡することが可能になります。

この記事の目次
背景:物流業界の課題と、個人間取引における「対面の摩擦」
現在、物流業界では「2024年問題」と呼ばれる労働力不足が深刻化しており、再配達の削減は社会的な急務となっています。一方で、ジモティーがこれまで推進してきた地域内での「対面手渡し」による取引は、配送を介さないため物流負荷がゼロであるというメリットがありました。
しかし、利用者からは「知らない人と会うことへの心理的抵抗感」や「日時調整の煩わしさ」といった声も多く寄せられていたようです。このような「対面の摩擦」が、個人間での不要品の譲渡をスムーズに行う上での障壁となっていました。
本サービスの提供価値:「手間なく、サクッと処分したい」を叶える新しい取引体験
今回の実証実験では、こうした「対面の摩擦」を解消し、「手間なく、早く、気軽に不要品を処分したい」というユーザーのニーズに応えることを目指しています。ジモティーによると、本サービスを通じてユーザーは以下の3つの新しい体験を享受できるとしています。
- 発送の手間から解放:譲りたいモノをロッカーを介して取引できるようになります。フリマアプリなどで必須だった段ボールの準備や緩衝材での梱包作業が不要になります。
- 待ち合わせの手間から解放:従来の待ち合わせのように、お互いのスケジュールを厳密に調整する必要がなくなります。約束した時間帯に、生活動線上にある最寄りのPUDOステーションへ預け入れ・受け取りが可能になります。
- 対面の心理的負荷から解放:取引相手と直接顔を合わせることなく、やり取りが完結します。決済もアプリ上で事前に行われるため、安全・安心な取引が実現できます。
これらの特徴により、例えば「子供のお迎えついでに、使わなくなったおもちゃを近所のスーパーのロッカーに入れておく」といった、より生活に溶け込んだスピーディーな資源循環が可能になります。日常の行動範囲内で、手軽に不用品を譲渡できる環境が整うことで、地域内での資源の有効活用が促進されることが期待されます。
ロッカー取引の概要
本実証実験の詳細については、以下のとおりです。
- 実施期間:2025年11月4日(火)~
- 対象エリア:東京都 世田谷区(順次拡大予定)
- 利用料金:購入者(譲り受ける側)が利用料を負担します。利用時間に応じて選べる、分かりやすい時間パック制を導入するとのことです。
利用方法としては、以下の流れで取引が行われます。
- 出品者は、出品時にロッカーでの受け渡し可否を設定します。
- 購入者がアプリ上でロッカー取引を選択し、オンライン決済を完了させます。
- 出品者は、最寄りのPUDOステーションに品物を預け入れます。
- 購入者は、通知された二次元バーコードで品物を受け取ります。
今後の展望
ジモティーによると、今回の実証実験を通じて得られた知見やデータを基に、CtoCプラットフォームにおけるロッカー活用型非対面取引のモデルの確立を目指しているとのことです。将来的には、ロッカーに限らない多様な非対面取引の選択肢を検討し、全国へ事業展開することで、より一層の地域内資源循環と物流負荷軽減に貢献していく方針を示しています。
個人間取引の利便性向上と物流負荷の軽減を同時に実現する本サービスは、持続可能な社会の実現に向けた新たな取り組みとして注目されます。特に、都市部での不用品の循環を促進し、資源の有効活用と環境負荷の低減に寄与することが期待されています。
PUDOステーションとは
PUDOステーションは、全国約7,000拠点を通じて、いつでも、どこでも、好きな場所で非対面・非接触での荷物受け取り・発送を実現するオープン型宅配便ロッカーです。複数の宅配事業者が共用可能な設計となっており、1カ所で複数の宅配業者の荷物を発送・受取ができる配送の効率化により、社会のムダ、経済のムダをなくし、再配達削減等荷物の配送環境の改善を目指しています。
PUDOステーションの特徴として、従来の宅配ボックスとは異なり、複数の配送業者が共同で利用できる「オープン型」である点が挙げられます。これにより、配送の効率化だけでなく、今回のような個人間取引の場としても活用できる可能性が広がっています。
ジモティーによるPUDOステーションを活用した今回の実証実験は、物流業界の課題解決と個人間取引の利便性向上を同時に実現する新たな試みとして、その成果が注目されます。「置くだけ」で完結する簡便な取引方法が普及すれば、不用品の再利用が促進され、サステナブルな社会の実現に一歩近づくことが期待されます。
今回の実証実験が成功すれば、ジモティーのプラットフォーム上でのユーザー体験が大きく向上するだけでなく、個人間取引の新たなスタンダードとなる可能性もあります。個人間での不要品の譲渡がより身近になることで、「必要な人に必要なものが届く」という循環型社会の実現に向けた取り組みがさらに加速することでしょう。
出典元:株式会社ジモティー プレスリリース













