
2025年のお盆は最大9連休となる日並びで多くの方が長期休暇を取得できる環境でした。しかし近年の物価高騰を背景に、生活者のコスト意識が高まっている中、人々はこの長期休暇をどのように活用したのでしょうか。
生活者マーケティングをベースにマーケティング支援を行う株式会社クレオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:横井 司)では、長期休暇に関するレポートを定期的に発信しています。今回は同社が実施した独自調査の結果をもとに、2025年お盆における生活者の消費行動や過ごし方の傾向についてご紹介します。
この記事は、同社が発行している最新レポート「2025-2026年 年末年始の動向予測|お盆の消費行動データから読み解く長期休暇の過ごし方」から一部を抜粋したものです。
2025年お盆の帰省状況
2025年のお盆は、2025~2026年の年末年始と同様に最大9連休となる日並びでした。この長期休暇期間中、生活者はどのように過ごしたのでしょうか。
株式会社クレオの調査によると、お盆期間における帰省率は前年と比較してやや減少傾向が見られました。「帰省しなかった」と回答した人のうち、「帰省先はあるがしなかった」と答えた人は全体の3割程度を占め、前年と比較して1.7ポイント増加しています。
帰省しなかった理由としては、「自分の家で過ごしたかったから」が最多となり、次いで「お盆期間を避けた時期での帰省を考えていたから」が続きました。特に注目すべきは「お盆期間を避けた時期での帰省を考えていたから」と回答した人が前年と比較して7.7ポイントも増加している点です。
この結果から、お盆期間は旅費が高騰し混雑も避けられないため、「お盆に帰省する」という従来の習慣にこだわらず、自分の都合の良いタイミングで帰省する傾向が強まっていると考えられます。
お盆期間中の旅行・レジャー・外食の実態
帰省以外のお盆期間の過ごし方について調査した結果、「家で過ごした」という回答が最も多く、次いで「ショッピングや買い物に出かけた」という回答が続きました。前年からの伸長率を見ると、長期休暇を取得しやすい日並びであったため「海外旅行」がわずかに増加しています。
一方で「国内旅行」は減少し、その代わりに日帰りレジャーが増加する傾向が見られました。長期休暇を活かして遠方へ出かける人も一定数存在するものの、多くの人は近場や自宅で過ごすことを選択しているようです。
年代別の詳細分析では、20代・30代の若年層においてレジャー関連の項目が大きく伸長していることが判明しました。40代以上の世代ではほぼ横ばいで前年から大きな変化は見られず、若い世代ほど消費意欲が高まってきている傾向が見受けられます。
20代・30代で特に伸長が見られたのは「日帰りレジャー」「ショッピングや買い物」「外食」といった近場で楽しめるレジャー項目でした。この結果から、若年層を中心に、経済的な負担が少なく気軽に楽しめる近場レジャーへの需要が高まっていることが明らかになりました。

2025年夏・猛暑の消費行動への影響
2025年の夏は、平均気温が統計開始以来で最高となり、記録的な猛暑に見舞われました。全国207地点で観測史上最高の日最高気温を記録し、東京においては猛暑日の継続日数が過去最長を更新するなど、まさに史上最も暑い夏となりました。

この記録的な猛暑の影響により、熱中症リスクを回避するため「屋内レジャー施設」が盛況だったという報道が多く見られました。また、屋内の遊戯施設の開業も増加しており、大型小売店ではお盆期間中に実施した屋内イベントが好評を博したようです。
これらの状況から、「日帰りレジャー」や「ショッピングや買い物」においては、暑さを避けながら快適に楽しめる「避暑レジャー」として人気を集めたことがうかがえます。
「外食」の分野では、「回転寿司」や「焼き肉」など、単に食事するだけでなく、"楽しさ"を体験できる外食業態が特に人気を集める結果となりました。
2025年お盆の消費動向のまとめ
2025年のお盆は最大9連休となり、長期休暇を取得しやすい日並びでした。しかし、生活者の実際の過ごし方を分析すると、特に若年層を中心に、遠方への外出よりも比較的経済的負担の少ない近場でのレジャーを選ぶ傾向が顕著でした。
近場レジャーの中でも、特に人気を集めたのは「楽しさ」を感じられる外食業態や、猛暑を避ける「避暑レジャー」でした。
これらの動向から、長期休暇における生活者の意識を考察すると、経済的な負担や猛暑による日常生活でのストレスを回避し、近場で「無理をせず、自分なりの楽しみ方を見出す」傾向が強まっていると言えるでしょう。

まとめ
本記事では、株式会社クレオが発信している長期休暇に関する最新レポート「2025~2026年 年末年始の動向予測|お盆の消費行動データから読み解く長期休暇の過ごし方」の一部を抜粋してご紹介しました。
2025~2026年の年末年始は、今回のお盆と同様に最大9連休の長期休暇となる見込みです。同レポートでは、今回ご紹介したお盆の生活者の消費行動データを基に、長期休暇における消費・過ごし方の傾向を分析し、2025~2026年の年末年始の動向を予測しています。
調査結果から見えてきたのは、物価高や猛暑といった環境要因を背景に、人々が「お盆だから」という従来の習慣にとらわれず、自分の状況に合わせた過ごし方を選択する傾向が強まっているという点です。特に若年層を中心に、経済的負担の少ない近場レジャーや、暑さを避ける屋内施設の需要が高まっており、今後の年末年始においても同様の傾向が予測されています。
企業や店舗などでは、これらの消費者行動の変化を踏まえ、経済的かつ快適に楽しめるサービスの提供や、若年層向けの「楽しさ」を重視した施策の検討が重要になってくるでしょう。
株式会社クレオでは、このような消費者動向に関する詳細な調査データの提供やカスタマイズ分析にも対応しています。企業のマーケティング戦略立案やサービス設計の参考として、こうした消費者インサイトを活用することで、より効果的な施策の実現が期待できます。
出典元:株式会社クレオ プレスリリース













