ONE COMPATH、日本最大級電子チラシサービス「Shufoo!」のデータを活用した次世代販促支援AI「Shufoo!AI」のβ版提供開始

TOPPANグループの株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)は、日本最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」が保有する全国365日分のチラシデータと1,100万人のユーザーデータを活用した次世代販促支援AIツール「Shufoo!AI(シュフーエーアイ)」のβ版を2025年10月1日より提供開始することを発表しました。

背景

現在、小売業界は原材料費高騰や人手不足に加え、急速なデジタル化の波に直面しており、より効率的で効果的な販促活動が求められています。特に販促部門においては、限られた人員体制の中で多様化するメディア運用への対応や必要なデジタルスキルの習得が大きな課題となっています。

従来のチラシ販促では、どの顧客層にどのような施策が効果的だったのか把握することが難しく、また競合と比較して最適な価格設定を行うには多くの工数が必要でした。こうした販促企画から制作までの課題は多くの小売流通企業から指摘されていたことが分かっています。

このような背景を受け、ONE COMPATHは電子チラシサービス「Shufoo!」を通じて蓄積した膨大なデータを活用し、AIによる販促効果の分析・予測を実現する新サービスの開発に着手したとのことです。Shufoo!は、日本全国365日のチラシデータと、1,100万人のユーザーによる月間1億回以上の閲覧および月間1,000万回の来店データを保有しています。

同社はチラシ画像をAIとOCR技術で分解・構造化し、タイトル、時期、商品構成などの多角的な要素を分析しています。さらに、ユーザー属性ごとに来店の有無を測定できるレポーティングサービス「ビジットトラッキング」を活用し、ユーザーのチラシ閲覧・来店行動データと組み合わせることで、効果予測や最適化が可能な販促生成AIモデルを構築していることが発表されています。これをもとに、分析・レポーティング機能やAIチャットボットによる企画支援、チラシや各種クリエイティブの制作を支援する生成AIなどを展開していく予定だということです。これにより、より効果的な企画販促が可能となり、従来の経験則に頼る販促からデータドリブンな販促活動への転換を実現するとしています。

「Shufoo!AI」サービス詳細

(1)商品ごとに市場と自社のトレンドを表示

「商品分析」は、Shufoo!が保有するチラシデータを基に、商品別の市場動向を多角的に分析する機能です。商品ごとの価格推移や掲載回数の時系列変化を可視化し、最高値・最安値・中央値といった詳細な価格トレンドを把握できます。また、特定商品と一緒に掲載される関連商品の組み合わせパターンを分析することで、効果的な商品構成の立案を支援します。

期間別(通年・季節別・月別・週別)の商品掲載数ランキングや、関東・関西をはじめとした地域別の価格・掲載傾向比較により、エリア特性に応じた販促戦略の策定が可能になるとのことです。

商品分析の画面イメージ

(2)市場と自社のチラシの販促テーマの違いを比較

「テーマ分析」は、市場全体と自社の販促テーマを比較分析し、販促企画の差別化ポイントを発見する機能を提供します。「オクトーバーフェスト」「スポーツ観戦」「決算セール」など、市場で展開されている販促テーマと自社の実施状況を並列表示し、未実施テーマの発見や自社独自性の把握をサポートします。

52週にわたる年間販促企画の最適化提案により、季節性や市場トレンドを考慮した戦略的な販促カレンダーの構築が可能になります。各テーマの来店寄与度や効果測定データにより、より効果の高い販促テーマをデータに基づいて選定することができるとしています。

テーマ分析の画面イメージ

(3)市場価格との比較による自社チラシの競争力分析

「チラシ分析」は、自社チラシの市場競争力を客観的に評価し、価格戦略の最適化を支援する機能です。過去に配信したチラシはもちろん、配信前のチラシをアップロードすることで、事前に価格優位性を5段階で評価できるようになっています。市場の中央値、最高値、最安値との比較により、各商品の競争ポジションを即時に把握し、配信前の価格調整が可能になるといいます。

この機能により、従来大きなリソースを割いていた市場価格調査業務を大幅に効率化し、利益確保と集客力のバランスを考慮した最適な価格設定を実現することができるとしています。

チラシ分析の画面イメージ

(4)チラシ・販促の分析・企画・制作をAIで支援(順次リリース予定)

「Shufoo!AIチャットボット(仮)」は、全国の販促データを学習したAIが、自然言語での質問に対して即座に分析結果を提供する機能です。「昨年5月に掲載が多かった商品TOP10とその掲載回数は?」「今年8月の来店数を最大化するための週別商品構成は?」といった具体的な質問に対し、膨大なデータから最適な回答を生成します。

定型レポートでは対応しきれない個別の疑問や、複雑な条件での分析要求に柔軟に対応し、販促担当者の企画立案業務を強力にサポートします。対話形式で深掘り分析が可能となり、データに基づいた販促戦略の立案を効率的に行えるようになるとのことです。

β版対象のお客様について

今回提供されるβ版は、原則としてShufoo!に掲載しているスーパーマーケット、食品や日用品等を扱う小売業態の企業が対象となります。無償提供のため、すべての要望に応えられない場合があるとのことです。

今後の展開

「Shufoo!AI」は現状ではβ版での提供となります。今回は、スーパーマーケットおよび食品分野に特化した提供ですが、今後は対応業態や商品カテゴリを随時拡大していく予定とのことです。ONE COMPATHは引き続き、流通小売やメーカーの販促活動における業務効率の向上と販促効果の最大化を支援していくとしています。

本サービスを通じて、Shufoo!は従来の電子チラシを配信するメディアサービスから、データとAIを活用した「メディア×AIマーケティングサービス」として進化させていく方針だと発表されています。

Shufoo!について

Shufoo!は、月間1,600万人(2025年9月現在、提供ASP上のアクセス含む)が利用し、全国12万店以上が参加する国内最大級の電子チラシサービスです。日本全国のスーパーやホームセンター、家電店、ドラッグストアなどのチラシを無料で確認できるほか、お店のおすすめ商品、タイムセール、バーゲン情報、クーポンや割引デーの情報、レシピ検索など、日々のお買物をより便利でお得にする情報が充実しています。

スマートフォンアプリをはじめ、PCやタブレットなど様々な端末で利用可能です。2001年8月にTOPPAN株式会社が運営を開始し、2019年4月1日からはTOPPANグループの株式会社ONE COMPATHが運営しています。

出典元:株式会社ONE COMPATH プレスリリース

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