シニア層の『お困りごと』調査:健康不安83.7%、デジタル機器利用に60%が困難、物価上昇に63%が不安

シニア専門のマーケティングプラットホーム コスモラボ(会社名:コスモヘルス株式会社、本社:東京都港区、代表取締役社長 小塚 崇史)がシニア層の『お困りごと』に関するアンケートリサーチのレポートをリリースしたことが発表されました。このレポートでは、50歳以上のシニア層を対象に、老後の不安や日常生活の困りごと、健康・経済・介護・家族関係・住まいなど幅広い課題について意識と実態調査が実施されています。シニア世代が直面する生活課題の全体像が明らかになっています。

調査トピックス

圧倒的な健康と介護への不安

老後の不安として「健康面」(83.7%)が圧倒的で、「介護・終活」(54.2%)が続いています。約8割以上が健康面での懸念を抱えており、身体機能の維持と将来の介護体制がシニア世代の最大の関心事となっています。この数値の高さは、健康が他のすべての生活領域の基盤であることを示しており、包括的な健康支援の重要性を物語っています。

深刻なデジタル格差の現実

日常生活の困りごととして、「デジタル機器やインターネットの利用の難しさ」(59.9%)が最多を占め、約6割のシニアがデジタル技術の活用に苦戦しています。現代社会のデジタル化が進む中で、シニア世代が取り残される危険性があり、社会参加や情報取得の機会格差が拡大していることが深刻な課題として浮き彫りになっています。

生活を脅かす経済的不安

経済面では「物価上昇」(63.3%)と「老後資金が足りるかどうか」(59.6%)がいずれも約6割で、日々の生活コストと将来の経済的安定への不安が顕著です。インフレの影響と年金制度への不信が相まって、シニア世代の経済不安が生活設計全般に深刻な影響を与えていることが明らかになっています。

老後の生活において、不安・悩みを感じることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「健康面」(83.7%)が圧倒的多数を占め、「介護・終活」(54.2%)や、「経済面」(45.4%)、「生活面・日常動作」(43.5%)が続きます。「住まい」(14.7%)や、「家族関係」(14.5%)、「社会とのつながり」(11.8%)は相対的に低い水準です。健康への不安が8割を超える結果は、シニア世代にとって身体機能の維持が他の全ての生活要素の前提条件となっていることを示しています。

日常生活で困っていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「デジタル機器やインターネットの利用の難しさ」(59.9%)が突出して高く、「家事の負担(掃除・洗濯・料理など)」(23.8%)や、「移動や交通手段の不便さ」(22.4%)、「病院や役所などの手続きの大変さ」(18.8%)が続きます。デジタル格差が6割近くのシニアに影響している現実は深刻で、現代社会の情報化やサービスのデジタル化が進む中で、シニア世代が取り残される危険性を示しています。

健康面で不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「体力や筋力の低下」(63.9%)が最多で、「視力や聴力の衰え」(42.6%)、「関節や腰などの痛み」(39.9%)、「記憶力や認知機能の低下」(39.7%)が4割前後で続きます。基礎的な身体機能である体力・筋力の低下を6割以上が実感している結果は、加齢に伴う身体的変化がシニア世代の生活に深刻な影響を与えていることを示しています。感覚器の衰えや運動器の痛み、認知機能の低下も約4割が経験しており、多方面にわたる身体機能の変化が同時進行していることが分かります。

社会や人との関わりで、不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「新しい人間関係を築く機会が少ない」(28.1%)や、「詐欺・悪質商法への不安」(26.8%)、「近所や地域とのつながりが薄い」(24.7%)、「友人との関係が希薄になっている」(22.7%)がほぼ同水準で上位を占めます。社会参加における課題が多様化していることが明らかで、単純な孤独感だけでなく、新たな人間関係構築の困難さや詐欺被害への恐れなど、複合的な問題が存在していることが分かります。

経済面で不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「物価上昇」(63.3%)が最多で、「老後資金が足りるかどうか」(59.6%)、「予期せぬ出費への備え」(54.2%)がいずれも過半数を占めています。物価上昇への懸念が6割を超える結果は、固定収入の多いシニア世代にとって、インフレが直接的な生活圧迫要因となっていることを示しています。老後資金への不安も約6割に達しており、長寿社会における経済的安定確保の難しさが反映されています。

介護・終活面で不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「介護にかかる費用の負担」(49.7%)が最多で、「生前整理の進め方」(39.5%)、「家族や親族への介護負担」(38.8%)が続きます。介護費用への不安が約半数に達している結果は、介護保険制度があっても自己負担部分や制度外サービスへの経済的懸念が大きいことを示しています。生前整理への関心も4割近くあり、終活に対する具体的な取り組み意識が高まっていることが分かります。家族への負担を心配する声も約4割あり、介護を受ける側としての心理的負担も大きな課題となっています。

家族関係で不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「家族の健康への不安」(51.5%)が最多で、「価値観や生活習慣の違いによるストレス」(28.1%)、「金銭面での意見の違い」(20.6%)が続きます。家族の健康を心配する気持ちが過半数に達している結果は、シニア世代が自分自身の健康だけでなく、配偶者や親、時には子どもの健康状態にも深い関心と不安を抱いていることを示しています。家族内での価値観の相違によるストレスも3割近くが感じており、多世代同居や長期の夫婦関係における心理的課題も見えてきます。

住まいに関して不安・悩みを感じていることを教えてください

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「建物や設備の老朽化」(46.0%)が最多で、「災害時の安全性(地震・水害・火災など)」(42.2%)、「光熱費や維持費の負担」(37.4%)、「防犯面の不安」(23.8%)が続きます。住まいの老朽化への懸念が約半数に達している結果は、シニア世代の多くが築年数の古い住宅に住んでおり、修繕や建て替えの必要性を感じていることを示しています。災害への不安も4割を超え、近年の自然災害増加を背景に安全な住環境確保への関心が高まっていることが分かります。

健康や暮らしをより良くするために、現在意識して行っていることはありますか

(複数回答可)(有効回答者数:441名)

「規則正しい生活リズムを心がける」(59.9%)が最多で、「バランスの取れた食事を摂る」(58.7%)、「適度な運動」(56.0%)、「健康診断や検査の定期的な受診」(55.8%)がいずれも5割を超えています。基本的な生活習慣の維持に6割近くが取り組んでいる結果は、シニア世代の健康意識の高さを示しています。食事・運動・定期受診といった健康管理の三本柱にも5割以上が取り組んでおり、予防的な健康管理への理解と実践が進んでいることが分かります。

総評

本調査から見えてきたのは、「健康中心の多重課題構造」というシニア層の困りごとの特徴です。「健康面」(83.7%)への不安が圧倒的で、「介護・終活」(54.2%)がこれに続き、身体機能の維持と将来への備えがシニア世代の最重要課題となっています。

日常生活では「デジタル機器やインターネットの利用の難しさ」(59.9%)が最大の困りごととして浮上し、現代社会のデジタル化がシニア世代に深刻な格差をもたらしていることが明らかになりました。この約6割という数値は、社会参加や情報取得の機会格差として大きな社会問題となっています。

経済面では「物価上昇」(63.3%)と「老後資金が足りるかどうか」(59.6%)がいずれも約6割で、インフレと将来不安の両方がシニア世代の生活を圧迫している現実が確認されました。「予期せぬ出費への備え」(54.2%)も過半数が懸念しており、経済的安定への不安が多角的に存在しています。

健康面の具体的な不安では「体力や筋力の低下」(63.9%)が最多で、「視力や聴力の衰え」(42.6%)、「関節や腰などの痛み」(39.9%)、「記憶力や認知機能の低下」(39.7%)が続き、多方面にわたる身体機能の変化が同時進行していることが分かりました。

介護・終活では「介護にかかる費用の負担」(49.7%)が最多で、経済面と心理面の両方で大きな負担となっています。住まいでは「建物や設備の老朽化」(46.0%)と「災害時の安全性」(42.2%)が上位を占め、安全で安心できる住環境への課題が確認されました。

一方で、健康改善への取り組みでは「規則正しい生活リズムを心がける」(59.9%)や、「バランスの取れた食事を摂る」(58.7%)、「適度な運動」(56.0%)といった基本的な健康管理に5割以上が取り組んでおり、高い健康意識と実践力が確認されました。

これらの結果は、シニア世代の困りごとが健康を中心とした複合的な課題構造を持ち、デジタル格差や経済不安、社会参加の困難が相互に関連し合っていることを示しています。今後は、健康維持支援やデジタル格差解消、経済的安定の確保、社会参加促進を統合的に進める包括的なアプローチが求められます。

コスモラボについて

コスモラボは、シニアに特化したマーケティングサービス全般を提供しているとのことです。

主に60歳以上の約20万人のシニア会員を対象に、広告、アンケートリサーチ、インタビュー調査、ホームユーステストなど、多彩な調査手法で企業のマーケティング活動を支援しているそうです。

会社概要

社名 :コスモヘルス株式会社
代表者:代表取締役社長 小塚 崇史
本社 :東京都港区新橋1-12-9-10F
設立 :1984年7月1日
資本金:1億円

調査概要

調査方法:ネットリサーチ
調査地域:全国
対象者 :「コスモラボ」のアンケートモニター
回答総数:441
調査対象期間:2025年8月20日

出典元:コスモヘルス株式会社 プレスリリース

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