【調査】7割超が食事準備に負担感、物価高と猛暑が主因―「トクバイ」運営くふうカンパニーの惣菜購入実態調査

チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を提供する株式会社くふうカンパニー(以下、くふうカンパニー)が、日常の食事作りと惣菜購入に関する実態調査を実施したことが発表されました。調査結果からは、多くの生活者が食事準備に負担を感じていることや、惣菜市場の最新動向が明らかになっています。

調査によると、7割を超える回答者が「食事準備に負担を感じる」と回答しており、その主な理由として物価高が最も多く挙げられています。また、猛暑による厳しい調理環境や家族の好みに合わせたメニュー決めの難しさ、疲労や体調不良、仕事・育児・家事との両立なども課題として浮かび上がっています。

多くの家庭では「節約したいけれど調理の負担も減らしたい」というジレンマを抱えており、その解決策として市販の惣菜や弁当を活用している実態も判明しました。約6割の人が週1回以上スーパーの惣菜を購入しているという結果になっています。

また、小売・流通業界専門メディア「リテール・リーダーズ」の竹下浩一郎編集長による解説では、惣菜市場における「大容量・少量多品目」などの開発トレンドや、「チキンカツ」「寿司」などの人気商品の動向が紹介されています。

調査結果サマリ

・食事準備で7割以上が「負担を感じる」と回答。主な原因は"物価高"や"猛暑"

・食事準備の負担軽減のため半数以上が「惣菜・弁当」「冷凍食品」を取り入れていると回答。約6割が「週に1回以上スーパーの惣菜を購入」

・スーパーの惣菜購入で最も重視されているのは「価格」。よく購入する惣菜TOP3は「揚げ物」「サラダ」「寿司」

調査概要

調査テーマ:「食事の準備と惣菜の購入」について

調査エリア:全国

調査対象者:家計簿サービス「Zaim」ユーザー、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」ユーザー計6,136名

調査期間:2025年9月5日(金)〜8日(月)

調査方法:インターネットによる調査

食事準備に関する負担感とその原因

食事準備の負担に関するグラフ

日常の食事準備について作業負担や心的負担をどの程度感じているかという質問に対し、「とても感じる」(26.7%)と「やや感じる」(44.9%)を合わせた71.6%が「負担を感じる」と回答する結果となっています。

食事準備の負担の原因に関するグラフ

負担を感じる原因として最も多かったのは「物価高」(69.2%)です。食材価格の上昇により、食費を抑えるための節約ややりくりに伴うストレスが大きいことが示されています。次いで多かったのは「猛暑」(48.7%)で、9月上旬の調査時点では厳しい残暑が続いており、暑いキッチンでの作業が負担となり調理意欲の減退につながっていることがうかがえます。

食費節約の工夫に関するグラフ

物価高に対応するための食費節約の工夫としては、「特売品・値引き品を購入する」(61.8%)が最も多く、次いで「少しでも食材を安く買える店を選ぶ」(53.4%)、「外食を減らす・しない」(52.4%)と続いています。注目すべき点は、半数以上が外食費を切り詰める一方で、「惣菜購入を減らす・しない」は25.1%にとどまっていることです。これは、節約志向がある中でも、食事準備の負担軽減のために市販品を活用するバランス感覚が見られると言えます。

食事準備の負担軽減策と惣菜購入の実態

食事準備の負担軽減策に関するグラフ

食事準備の負担を軽減するために取り入れている方法としては、「惣菜・弁当を購入する」(54.8%)が最も多く、次いで「冷凍食品を活用する」(50.5%)となっています。その他にも「調理の手間がかからないメニューにする」(48.7%)、「調理工程で電子レンジを活用する」(38.4%)など、調理の手間を省くための様々な工夫がなされていることがわかります。

スーパーの惣菜購入頻度に関するグラフ

スーパーの惣菜を購入する頻度については、「週2~3回程度」(27.6%)が最も多く、約6割の人が週1回以上購入していることが明らかになっています。

スーパーの惣菜購入動機に関するグラフ

スーパーの惣菜を購入する動機としては、「疲れている・調理する気力がない」(49.2%)、「帰ってすぐに食べたい」(48.9%)、「手間や食材費を考えると作るより買った方がコスパがいい」(45.6%)がトップ3となっています。料理が難しい状況での代替手段として、また自宅調理と市販惣菜を組み合わせることで、作業効率やコストパフォーマンスを考慮した食事準備が行われていることがわかります。

惣菜購入で重視する点と人気ジャンル

スーパーの惣菜購入で重視する点に関するグラフ

スーパーの惣菜を購入する際に重視している点としては、「価格」(71.6%)が圧倒的に多い結果となっています。物価高による食費増大が懸念される中、惣菜の価格についても厳しい目で評価されていることがうかがえます。

これに関連して、くふうカンパニーが実施したスーパーマーケット側への調査では、惣菜の商品開発において「見た目のインパクト」を最も重視し、次いで「価格(安さ)」と「ボリューム(量が多い)」が同率2位となっています。自由記述回答からも「お客様の価格を見る目がシビアになってきている」という声や、「自宅では手間暇がかかるメニューを中心に商品開発を行ったり、話題性、トレンドを意識して改良している」といった取り組みが報告されています。

「リテール・リーダーズ」編集長の竹下氏によると、「惣菜の原価が上がっているため、本来であればスーパーマーケット側は値上げに向かうところですが、生活者が価格に敏感になっているためなかなか上げられないという現実もあります。よりお買い得感が求められる傾向にあるため、ボリュームも重視され、会員制スーパーマーケットで人気となった"シェアする前提"の大容量の惣菜を販売するお店も増えています。一方で、高齢者を中心に少しずついろいろな種類を食べたいというニーズがあり、プラス1品、あるいは組み合わせて購入できるような、かなり量目の小さい惣菜を販売するお店も増えてきています」と説明しています。

よく購入する惣菜ジャンルに関するグラフ

よく購入する惣菜のジャンルとしては、「揚げ物」(76.2%)が最も多く、次いで「サラダ類」(38.8%)、「寿司」(37.4%)という結果になっています。揚げ物が高い支持を得ている背景には、自宅で揚げる手間を考えると市販品を購入したほうが効率的と考える人が多いためと推察されます。

竹下氏は揚げ物の人気について、「揚げ物は、そもそも家庭での調理に手間がかかること、さらに"1品プラスしたい"というニーズからスーパーマーケットの惣菜では古くから支持の高い商品の1つです。多くのお店で一番人気の商品は唐揚げですが、最近注目すべきは『チキンカツ』です。鶏肉なので豚カツより安く、一方で商品化次第で豚カツを上回るボリューム感も出せるため、お値打ち感のある商品といえるでしょう」と分析しています。

また、寿司の人気については「寿司はそれだけで食事が完結すること、外食と比べた割安感もあることから、売場での存在感も高まっています。最近では鮮魚部門で寿司を手がける企業も増えており、各社ネタの品質をアピールしながら売り込んでいます。こうした商品は日常の中に『プチ贅沢』を感じられる商品として、現代のニーズにマッチしているかもしれません」と指摘しています。

出典元:株式会社くふうカンパニー プレスリリース

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