
Groov株式会社が運営するふるさと納税の入門者向けサイト「はじめてのふるさと納税」が、全国の20代~70代以上の男女(計1,009名)を対象に、2025年10月から施行予定の「ふるさと納税サイト経由でのポイント付与禁止」に関する意識調査を実施し、その結果を公表したことが分かりました。
この記事の目次
調査トピックス
- 2025年9月のポイント付与終了前に「駆け込み寄付をする予定」と答えた人は27.4%にとどまっています
- 「12月まで急がず寄付する予定」と回答した人は34.0%で最多となっています
- 制度変更が注目される一方、すべての寄付者が即座に行動しているわけではないことが明らかになりました
アンケートの結果によると、ふるさと納税における「ポイント付与の終了」を受けた寄付者の反応が、必ずしも"駆け込み寄付"一色ではないことが明らかになっています。「9月までに駆け込みで寄付をする」と回答したのは27.4%と3割に満たず、「急がず12月までに寄付する」と回答した34.0%のほうが上回る結果となっています。
注目すべきは、「その他」と答えた人が38.6%と最多である点です。これは「まだ検討中」「情報を十分に知らない」「ポイントの有無に左右されない」など、様々な層が含まれていると考えられます。制度変更が話題になっている一方で、すべての寄付者が制度の詳細やスケジュールを把握しているとは限らない現状もうかがえます。
また、「急がず年末までに寄付する」派が最も多かったことから、ふるさと納税が「ポイント狙いの制度」ではなく、「年末の節税・返礼品を意識したルーティン行動」として根づいている可能性もあるようです。
今回の結果は、駆け込み需要に一定の動きはありながらも、すべての納税者が一斉に行動しているわけではなく、「様子見」姿勢の人が多いという、ふるさと納税ユーザーの多様な温度感を示すものとなっています。
ふるさと納税の「ポイント付与」って何だったの?
2025年10月1日をもって、ふるさと納税における「ポイント付与」が全面禁止となります。今回の制度改正は、多くの納税者に影響する大きな転換点ですが、そもそも"ポイント付与"とはどのような仕組みだったのでしょうか?その概要と廃止の背景について解説します。
ポイント付与とは「寄付+返礼品+ポイント還元」が同時にもらえる仕組み
ふるさと納税では、寄付をすると自治体から返礼品を受け取ることができます。一部のポータルサイトでは、それに加えて楽天ポイントやPontaポイントなどの"買い物ポイント"が還元される仕組みが導入されていました。
たとえば楽天ふるさと納税では、
- 楽天ポイントが最大30%近くつくキャンペーンを併用できる
- 他の買い物と同様にクレジットカード決済でポイントが貯まる
- 楽天SPU(スーパーポイントアップ)や買い回りなどの対象になる
などを組み合わせることで、実質20%〜30%の還元を得られるケースもありました。
その結果、「寄附+返礼品+ポイント還元」という"トリプルで得する"状況が一部で成立していたため、利用者に支持されていました。
なぜ禁止されるのか?本来の制度趣旨とズレた構造に
総務省は、このポイント還元制度が制度本来の目的である"自治体支援"から逸脱していると判断しました。以下のような懸念が示されています。
- ポイント目当ての寄付行動が加速し、「寄付」ではなく「買い物化」している
- 自治体の財政負担が増加し、本来の地域振興に使われるはずの資金が、ポイント原資や手数料に流れている
- 過度な競争が自治体間の公平性を損ないかねない
これらの理由から、2024年6月の告示により、2025年10月1日以降は一律でポイント付与が禁止されることとなりました。
今年のふるさと納税、あなたは計画的な「9月派」?堅実な「12月派」?
2025年のふるさと納税は、寄付のタイミングによって「9月派」と「12月派」に分かれると予想されています。それぞれの特徴と背景を見ていきましょう。
9月派:計画性と高額返礼品を狙う富裕層
9月に寄付を行うのは、年収が高く、自身の寄付限度額を早い段階で把握している層が中心になると考えられています。
特徴:
年間の所得に見通しが立っているため、計画的に行動できます。
品切れの心配が少ない時期に、高額な返礼品(家電や旅行券)、複数回届く定期便などをじっくり選ぶ傾向があります。
特に2025年は10月からポイント付与が禁止されるため、9月末までに駆け込みで寄付を済ませたいと考える人が多くなると予想されています。
12月派:限度額内で着実に寄付したい堅実層
12月に寄付を行うのは、その年の正確な年収が確定してから、限度額の範囲内で堅実に寄付をしたい層が中心となるようです。
特徴:
年末調整などで年収が確定してから、控除上限額を正確に計算して寄付を行います。
限度額を超えて自己負担が増えるリスクを避けたい、着実な考え方を持ちます。
年末は「駆け込み需要」でサイトが混み合ったり、人気の返礼品が品切れになったりする可能性もあります。
今後はどう変わる?「ふるさと納税の本質」への回帰
今回の改正により、ふるさと納税は再び「自治体を応援する」という制度本来の意義が見直されると期待されています。一方で、寄付のモチベーションとなっていた"お得感"が減少することで、寄付行動の変化や市場縮小の可能性も指摘されています。
調査概要
調査エリア:全国
調査主体:はじめてのふるさと納税
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:20代~70代以上の男女(計1,009名)
調査期間:2025年7月16日~7月30日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計が100とはならない場合があります。




出典元:Groov株式会社 プレスリリース