
株式会社クロス・マーケティングは、Z世代男性の「タイパ生活」におけるニーズと行動・態度を決める要因を把握するための調査を実施したことを発表しました。調査によると、Z世代男性はタイムパフォーマンスを重視する傾向があり、特に「朝のゆとりのなさ」が大きな課題として浮き彫りになっているとのことです。
同社は2025年2月に首都圏在住の23~29歳男性6名を対象にオンライングループインタビュー(Active Listening Interview)を実施し、未充足ニーズを抽出しました。さらに2025年5月には全国の20~69歳の男女2,000名を対象に定量調査を行い、これらのニーズの検証を行ったとのことです。
タイパ行動・生活が定着しつつある理由
2022年頃から「動画は倍速」「ご飯はながら食べ」「結論だけを先に知る」といった行動とともに、タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が注目を集めるようになりました。今回の調査では、Z世代男性がタイパ生活をする要因について探られています。
調査によると、Z世代男性は就職して間もない時期にあり、社会的承認欲求から社会人としての立場を確立しようとしているとのことです。しかし、まだ仕事に不慣れなため、パフォーマンスが高くなく、日々の仕事に追われて、プライベートに使える時間が限られていることが明らかになったと報告されています。
また、学生時代はコロナ禍でプライベートを謳歌していた彼らが、社会人となったことで勤務や通勤の時間に逼迫されているという状況も、タイパ生活が定着する背景となっていると同社は分析しています。

タイパ行動・生活のニーズ構造
社会人・家庭人としてデビューしたZ世代男性は、不慣れな生活の中で「自分らしくありながら、1人前として社会的に認められる存在でありたい」という目標を持っていることが調査から明らかになりました。
調査の分析結果によると、タスク時間の短縮と自分時間の質・量の向上を図ることができるタイパ行動を選ぶことが、彼らのニーズを満たす促進要因になっているということです。これにより、限られた時間の中で効率的に行動し、自分の時間を確保しようとする傾向が見られるとのことです。

ニーズの強さと未充足度
グループインタビューから見えたニーズと未充足度について、20〜69歳の男女を対象に5段階評価の定量調査が実施されました。Z世代男性(20代)で「とてもあてはまる」と回答した割合(ニーズの強さ)が高かったのは以下の項目です。
- 「仕事終わりの帰宅後はゆっくり過ごしたい」32%
- 「前日の疲れは寝ているうちに解消したい」30%
- 「休日の時間を有効に使ったと感じたい」29%
- 「朝はゆったりと気持ちよく目覚めたい」29%
- 「通勤・通学を楽にしたい」28%

また、男性全体と比較してZ世代男性が特に強いニーズを持っていると判明したのは次の項目です。
- 「社会人として一人前になった自信を持ちたい」
- 「通勤時間で自分のためになる勉強をしたい」
- 「仕事の日は家事に時間をかけたくない」
- 「時間がある時はぼーっと過ごしたい」
- 「スポーツ・ライブ観戦の盛り上がりで一体感を感じたい」

特に注目すべき点として、ニーズが強く、かつ未充足度が高いものには、「朝は気持ちに余裕を持ちたい」「朝はゆったりと気持ちよく目覚めたい」「通勤・通学を楽にしたい」といった項目が挙げられています。これらから、Z世代男性は特に朝のゆとりやゆったりした気分・時間が足りないと感じていることがうかがえるとのことです。

調査概要
Step1
- 調査手法 : オンライングループインタビュー(Active Listening Interview)
- 調査地域 : 首都圏居住者
- 調査対象 : 23~29歳男性 6名
- 調査期間 : 2025年2月20日(木)
Step2
- 調査手法 : インターネットリサーチ
- 調査地域 : 全国47都道府県
- 調査対象 : 20~69歳の男女
- 調査期間 : 2025年5月14日(水)
- 有効回答数 : 本調査2,000サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります
会社概要
会社名:株式会社クロス・マーケティング
所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
設 立:2003年4月1日
代表者:代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹
事業内容:マーケティングリサーチ事業、マーケティング・リサーチに関わるコンサルテーション
出典元:株式会社クロス・マーケティング プレスリリース