
ブランド主導のリコマースオペレーティングシステム「Retailor(リテーラー)」を展開するFree Standard株式会社が、大手セレクトショップの株式会社シップスと提携し、リユース商品の引き取りから販売までの一連のプロセス提供を開始することが発表されました。全国のSHIPSスタッフや顧客から回収した商品を丁寧に検品・メンテナンスし、「SHIPS認定リユース品」として「SHIPS CYCLE MARKET」というECサイトで2025年7月1日から販売されるとのことです。
このサービスでは、SHIPSの品質基準に基づいて厳選された商品が特別価格で提供されるほか、再販できない商品についても提携先を通じて素材リサイクルなどが実施され、資源循環が促進されます。SHIPSが創立50周年を迎える2025年に向けた取り組みとして、ファッションの新しい楽しみ方の提案や、サステナビリティへの貢献を目指しているとのことです。

この記事の目次
プロジェクト立ち上げの背景
近年、ブランド公式によるリユース事業に取り組む企業が急増しています。株式会社シップスがこのプロジェクトを実施する背景には、以下の3つの観点があるとされています。
1. ファッションの楽しみ方の提案
2025年に設立50周年を迎えるSHIPSにとって、これまで提供してきた商品を次のオーナーに届ける活動は、歴史を未来につなげる取り組みでもあるようです。ファッショントレンドはループのように繰り返すことから、過去の商品と最新コレクションの組み合わせは、顧客にファッションの新たな楽しみ方を提供する絶好の機会となるとのことです。
2. リユース市場の拡大
世界的にブランド公式リユースの動きが広がっており、特にニューヨークなどファッションの先進地域では、多くのブランド店舗でリユースコーナーが一般的になっています。日本でも同様の潮流が予想されることから、SHIPSは早期にこの分野への参入を決断したようです。
3. サステナビリティへの取り組み
今回収集された商品は、このプロジェクトがなければ廃棄される可能性があったものだということです。興味深いことに、回収商品の80%以上が厳格な品質検査を通過し、再販可能な状態であることが確認されたとのことです。ファッション業界は廃棄問題で批判を受けることもありますが、SHIPSはこうした取り組みを通じて環境問題に積極的に対応していく姿勢を示しています。

リユース事業ECサイト概要
SHIPSのリユース商品を販売するECサイトの詳細は以下の通りです。
- サイト名:SHIPS CYCLE MARKET
- 販売開始:2025年7月1日(火)
- 販売方法:Webサイト限定販売
- 取扱商品:SHIPSで過去セレクトしたアパレル製品
- 価格設定:商品状態と製造年数に応じて、新品販売価格の30%〜40%程度
サイトの特徴
- 厳しい検品基準を通過したブランド認定リユース商品の販売
- 商品状態の詳細情報開示
- 安心の返品・交換サービス

回収から再販までの流れ
SHIPSのリユース事業における商品サイクルは、以下のプロセスで運営されるとのことです:
- 衣料品回収:Webサイトで回収(ロイヤル会員+スタッフのみ)
- 仕分け・査定:ブランドのガイドラインに沿った基準で検品
- メンテナンス:提携工場でのクリーニング・リペア
- 撮影・登録:ECサイトへの商品情報登録
- 販売:オンラインでの全国販売
- 配送:環境配慮型パッケージでの配送
初期段階では、SHIPS Member's ClubのSILVER会員以上を対象に商品収集を実施し、すでに5,000点を超えるアイテムが集まっているとのことです。今後は収集基盤を拡大するとともに、実店舗での販売も検討されているようです。
株式会社シップスについて
株式会社シップスは、1975年創業の老舗セレクトショップです。「Stylish Standard」をコンセプトに、国内外ブランドのセレクト商品とオリジナル商品を組み合わせ、トレンドとベーシックをミックスしたスタイルを提案しています。
主要ブランドの「SHIPS」と「SHIPS any」を中心に、「SHIPS Primary Navy Label」「SHIPS Colors」「City Ambient Products」「quaranciel」「Southwick」などの多彩なレーベルを展開。メンズ、ウィメンズ、キッズのアパレルと服飾雑貨を全国70店舗以上で販売するほか、公式オンラインショップも運営しています。
Retailor(リテーラー)について
Retailorは、消費財の一次生産者であるブランド・メーカーが独自の二次流通市場を構築できるリコマースオペレーティングシステムです。
このシステムでは、ブランド独自のリユースサイト構築はもちろん、商品収集・真贋確認・商品メンテナンス・保管・撮影・登録といった機能をセミカスタマイズで提供可能な総合的な流通ソリューションとなっています。これによりブランドは自社の価値観や品質基準を維持しながら、リユース市場に参入することができます。
Free Standard株式会社が提供するRetailorシステムを活用することで、SHIPSは高品質なリユース商品の提供と環境負荷低減の両立を目指しているとのことです。ブランドの信頼性を保ちながらサステナブルな取り組みを推進する本プロジェクトは、日本のファッション業界における循環型ビジネスモデルの先駆的事例となることが期待されます。
出典元:Free Standard株式会社 プレスリリース