株式会社Hakuhodo DY ONE（本社：東京都港区、代表取締役会長：田中雄三 代表取締役社長：小坂洋人）は、株式会社博報堂（本社：東京都港区、代表取締役社長：名倉健司）、AI技術を活用したWebマーケティングを支援する株式会社AI Hack（本社：東京都港区、代表取締役：中道大輔）と共同で、AI検索におけるブランド情報の最適化に関する実証実験を開始しています。この実証実験により、AI検索における自社ブランド情報の表示状況を評価し、最適な情報発信戦略の策定と効果検証を行うことで、AI検索アルゴリズムの理解を深め、戦略的なブランド設計を可能にするとのことです。
対話型AIの登場以降、AI検索エンジンが急速に普及し、生活者の情報収集行動は大きく変化しています。しかし、AI検索によって表示される情報については、必ずしも正確性や信頼性が担保されているとは限らない状況があるようです。企業にとっては、AIが自社ブランドを正しく認識しているか、競合他社の情報が優先的に表示されていないか、またAI検索ユーザーに自社の魅力が十分に伝わっているかなどの観点で、AI検索におけるブランド情報の最適化が急務の課題となっています。
このような状況を受け、生成AIと検索アルゴリズムに関する深い知見を持ち、AIO（AI最適化）に特化した分析から改善まで一貫した支援実績のあるHakuhodo DY ONEは、博報堂、AI Hackとともに、実証実験を開始することになりました。この取り組みは、AI検索における企業の課題解決に向けて、AIの活用が進む社会に適応した情報発信戦略の立案と実行を支援するものです。
実証実験の内容
今回の実証実験では、AI Hackが提供するAIOツール「AI Hack」を活用し、以下の取り組みを進めていくとのことです。
- AI検索における自社ブランド情報の表示状況の可視化：AI検索エンジンが、自社のブランド情報をどのように認識し、表示しているのかを詳細に分析します。
- AIによる回答内容の評価：AIが生成する回答の正確性、ブランドイメージへの適合性などを評価します。
- AIに最適な情報発信戦略の策定と効果検証：AI検索の特性に合わせた情報発信戦略を策定し、その効果を検証します。
- AI検索のアルゴリズムの研究：AI検索エンジンのアルゴリズムを研究し、ブランド情報最適化のための知見を深めます。
「AI Hack」について
「AI Hack」は、AI検索における自社ブランド情報の表示状況を可視化し、生成AIに最適化された情報発信戦略を支援するAIOツールです。このツールは、企業がAI検索時代に対応するための強力なソリューションとして位置づけられています。主な機能は以下の通りです。
- AI検索結果のデータ収集：主要なAI検索エンジンの検索結果を網羅的に収集し、データ分析を可能にします。
- AIによる回答内容の評価：プライオリティスコアなど独自のAIOスコアにより多角的な指標でAIの回答内容を評価します。
- 競合他社との比較分析：競合他社のAI検索対策状況を分析し、自社の戦略立案に役立てます。
Hakuhodo DY ONEと博報堂、AI Hackの3社は、実証実験の結果を踏まえ、AI検索におけるブランド情報最適化に関するソリューション開発を進めていく予定とのことです。
※ AIO（AI Optimization）という呼称に限らず、AEO（Answer Engine Optimization）、GEO（Generative Engine Optimization）、LLMO（Large Language Model Optimization）など、近年本分野ではさまざまな名称が広く用いられていますが、本稿ではブランド情報の最適化におけるAIの活用を指しています。
株式会社AI Hackについて
AI Hackは、生成AI時代における「AI検索最適化（AIO: AI Optimization）」を専門とするスタートアップ企業です。従来のSEOが検索エンジン向けの対策だったのに対し、AIOはChatGPTやGeminiなど生成AIにおける表示・引用最適化を目的とした新しい手法として注目されています。
同社は、AIOのためのSaaSツール「AI Hack」と、生成AIでの可視性を高めるためのAIOコンサルティングサービスを提供しています。企業や自治体のWebコンテンツが、生成AIによる回答や引用に取り上げられやすくなるよう、構造化データ整備、プロンプト分析、AI検索の可視化などを通じて支援しています。
生成AIによるゼロクリック検索の台頭を背景に、AIOは今後の広報・マーケティング戦略において重要な役割を担う領域と位置づけられています。
社名：株式会社AI Hack (AI Hack, Inc)
所在地：東京都港区愛宕2-5-1 愛宕グリーンヒルズMORIタワー34階
代表者：代表取締役 中道大輔
創立：2024年7月
事業内容：AI Optimization事業
株式会社Hakuhodo DY ONEについて
Hakuhodo DY ONEは、インターネット広告黎明期より培ったデジタル広告の知見とノウハウを活かし、統合的なデジタルマーケティングサービスを提供しています。マーケティング戦略立案力、クリエイティビティ、高度な運用力と技術開発力、媒体社・プラットフォーマーとの強固な関係性を強みとしています。
同社は国内外のクライアント企業に対して、デジタル起点でのマーケティング戦略やテクノロジー活用を包括的に支援しています。博報堂ＤＹグループの「デジタルコア」として、グループ内のナレッジやリソースを集約し、高い専門性と提案力を併せ持つ企業として業界随一のデジタルマーケティング事業会社となることを目指しています。
クライアント企業にとって唯一の「ONE」の存在となるため常に挑戦・前進し、事業成長を支援するビジネスパートナーとして伴走することで、クライアント企業の持続的な成長と、企業価値向上に貢献していくとのことです。
社名：株式会社Hakuhodo DY ONE
本社所在地：〒107-6316 東京都港区赤坂5丁目3-1 赤坂Bizタワー
代表者：代表取締役会長 田中雄三 代表取締役社長 小坂洋人
株主：博報堂ＤＹグループ100％
社員数：3,172名（2025年4月1日時点）
創立：2024年4月1日
事業内容：デジタルマーケティング全般にまつわる企画・コンサルティング・代行事業・投資事業
まとめ
今回の実証実験は、急速に進化するAI検索エンジン市場において、企業のブランド情報がどのように認識され、表示されるかという課題に対応するものです。生成AIの普及によって変化する情報収集の形態に合わせた、新たなマーケティング戦略の構築が求められる中、こうした取り組みは今後のデジタルマーケティングの方向性を示す重要な一歩となりそうです。
従来のSEO対策からさらに進化したAIO（AI Optimization）という新たな領域での先駆的な実証実験として、その成果や今後の展開が注目されます。企業のブランド戦略においても、AIとの関係性を考慮した新たなアプローチが必要となる時代を象徴する取り組みと言えるでしょう。
出典元：株式会社Hakuhodo DY ONE プレスリリース
