「ヤラセ口コミ」に関する意識調査結果が公開、95.7%が「ヤラセだと思った経験あり」と回答

株式会社マイスタースタジオ(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役:妹尾優)は、全国の男女518人を対象に「ヤラセ口コミに関する意識調査」を実施しました。調査結果によると、95.7%の人が口コミをヤラセだと思った経験があり、高評価の多さや不自然な言葉遣いがヤラセの判断ポイントになっていることが明らかになりました。

現代社会では、商品やお店を選ぶ際にインターネットで口コミをチェックすることが一般的になっています。しかし、これらの口コミが「ヤラセ」や「さくら」によって信頼性を欠くケースも少なくありません。

そこで、気になる口コミ探索サービス「みん評」を運営する株式会社マイスタースタジオは、全国の男女518人を対象に「ヤラセ口コミに関する意識調査」を実施し、その結果を公表しました。

調査概要

調査対象:全国の男女
調査期間:2025年3月25日~29日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:518人(女性327人/男性191人)
回答者の年代:10代 0.6%/20代 17.6%/30代 33.0%/40代 26.8%/50代 16.6%/60代以上 5.4%

調査結果サマリー

・口コミをヤラセだと思ったことがある人は95.7%
・口コミがヤラセだと思うポイントは「高評価が多すぎる」
・口コミがヤラセだと思ったら「購入しない」が最多
・消費者が求めるヤラセ口コミを防ぐ対策は「ヤラセ口コミの調査」

口コミをヤラセだと思ったことがある人は95.7%

全国の男女518人に「口コミをヤラセだと思ったことがあるか」と質問したところ、「よくある」「たまにある」と回答した人が合わせて95.7%に達しました。

現代では商品やお店を選ぶ際にネットなどで口コミを確認する消費者が多いため、ヤラセだと思われる口コミに触れる機会も自然と増えていると考えられます。

口コミがヤラセだと思うポイントは「高評価が多すぎる」

口コミがヤラセだと思うポイント グラフ

口コミがヤラセだと思うポイントについて尋ねたところ、「高評価が多すぎる(40.0%)」が圧倒的に多く、全体の4割を占める結果となりました。2位は「言葉が不自然(19.9%)」、3位は「具体的な記述がない(17.6%)」という結果でした。

調査結果を全体的に見ると、ヤラセと感じる口コミには「過剰さ」と「不自然さ」という特徴があることがわかります。「高評価が多すぎる」「褒めすぎ」「口コミ件数自体が同時期に多すぎる」といった過剰な状況は、作為的であると消費者に疑われる原因となっています。

また「言葉が不自然」「同じような内容ばかり」といった不自然さも、AIなどによって量産された口コミではないかと疑われる要因になっていることが明らかになりました。

1位 高評価が多すぎる

・SNSで商品が急にバズりだして、コメント欄を見ると高評価のコメントだらけ。100%高評価だとあまり信憑性がない(20代 女性)

・すべての口コミが極端に高評価で、ネガティブな意見がほとんどない場合(30代 男性)

・あまりにも高評価が多すぎて、ひとつも低評価がないのはおかしい。怪しいものはサクラチェッカーで確認している(50代 女性)

高評価が多すぎる口コミが疑われる理由としては、「現実的に、すべての人に高く評価される商品や店舗はあまりない」という消費者の経験則が背景にあると考えられます。

どんなに優れた商品やサービスであっても、ユーザーの主観や使用状況によって評価は分かれるものです。そのため「低評価がまったくない」「高評価が不自然に集中している」といった口コミ欄は、高評価口コミがヤラセだったり、低評価口コミが意図的に削除されている可能性を消費者に感じさせてしまいます。

2位 言葉が不自然

・文章が不自然で、無理やり日本語にしたようなものがみられる(30代 女性)

・日本語で書かれている評価コメントなのに、ところどころに日本では見慣れない漢字が混ざっていたり、語尾が明らかに不自然だったりするとき(40代 男性)

自動翻訳を使って日本語に翻訳したような文章や、テンプレート的な表現が含まれる口コミを不審に思う人も増えていることがわかりました。

日本語としての自然な流れがない、日本では一般的に使われない言葉遣いや漢字が含まれているといった特徴が、口コミの信頼性を損なう要因になっています。こうした不自然さから「外国人が無理に書いたのでは」「AIで生成したのでは」と消費者に疑われやすくなります。

3位 具体的な記述がない

・高評価だけど内容が具体的でなく、他の店や商品でも通用しそうなことしか書いていない場合(30代 女性)

・機能や質感などの詳細な情報を挙げず、抽象的な表現に終始している口コミを見ると、「果たして実際に手に取ったことがあるのだろうか?」と疑ってしまう(50代 男性)

「良かった」「最高」「ありがとう」「おすすめです」といった単純で短い評価が多い口コミ欄に対して、不信感を抱く消費者も多いことがわかりました。具体性がないと、実際に商品や店舗・サービスを利用した経験があるのか判断できず、信用性が低下してしまいます。

また具体的な記述がないと「自分が使用した場合にどうなるか」も想像しづらく、口コミとしての参考価値が低くなります。

4位 同じような内容が多い

・ほぼ同一内容の文章が、性別や居住地などユーザーの属性だけ変えて、何度も繰り返されているとき(50代 男性)

・複数の人が同じような写真を投稿しているとき(30代 女性)

異なるアカウントやユーザー名から同じようなフレーズや内容で口コミが投稿されているケースがあり、意図的に口コミを量産していると消費者に疑われる原因となっています。

また文章だけでなく写真を使い回しているケースもあることが指摘されました。「写真があれば口コミの具体性が増す」と考える消費者を欺くような行為だと言えます。

5位 褒め方が大げさ

・企業やお店を持ち上げるような内容で、文章の流れが滑らかでかつ長いとき(40代 女性)

・口コミ件数が少ない中で、やたら褒めちぎっている内容の口コミを見かけたとき(50代 女性)

企業や店舗・サービスを極端に持ち上げる表現が目立つと、不自然だと感じる消費者も多いことが明らかになりました。

「熱がこもり過ぎた過剰な賛辞」や「長文での詳しすぎる称賛」が連続すると、身内や社内スタッフが投稿しているのではないかと疑われる傾向があります。

6位 評価が二極化している

・高評価と低評価の差が大きすぎたりするものは、ヤラセだと思っています。普通の企業ならば中間の評価もあるのが普通だと思います(20代 女性)

・良い評価と悪い評価のギャップがある(50代 男性)

「口コミ欄に星5つと星1つしかない」というように、高評価と低評価がはっきりと分かれていて中間の評価がないパターンも不自然と感じる人が多いようです。

これは「企業が自社評価を上げるために高評価レビューを投稿した」「ライバル企業が低評価の口コミを投稿した」などの作為的な行動の結果として生じると考えられています。中間評価の欠如が不自然に感じられるため、口コミ全体の信用性が低下してしまう要因となっています。

7位 同時期の口コミが多い

・投稿された日時が短期間に集中している(40代 男性)

・発売直後の商品やサービスに対し、短期間で大量の高評価レビューが集中している場合(50代 女性)

同時期に口コミが集中している状況も、商品の新発売キャンペーンなどと連動して作為的に口コミが投稿されているのではないかと疑われる原因になっています。

商品が継続的に売れているならば、口コミの投稿時期も自然と分散するはずです。そのため「急に口コミが増える」「口コミが同じ日に集中している」といった不自然なパターンに違和感を覚え、警戒する消費者が多くなっています。

口コミがヤラセだと思ったら「購入しない」が最多

口コミがヤラセだと思ったときの行動 グラフ

「口コミがヤラセだと思ったらどうするか」という質問に対しては、「購入しない(46.9%)」と回答した人が最も多く、不自然な高評価に警戒感を抱いて購入を回避する傾向が強いことがわかりました。

また、「別の口コミを調べる(26.4%)」「商品情報を調べる(5.4%)」など、購入するにしても慎重に検討する人が多く、口コミへの不信感が商品への興味から購入に至るまでの時間を長くする要因となっていることも明らかになりました。

1位 購入しない

・信用がないので、商品・サービスの購入・契約はしません(20代 男性)

・ヤラセを使う会社は嫌なので、買わない(30代 女性)

・購入をやめます。多少高くても、別の有名なブランドのものを買うようにします(40代 男性)

口コミにヤラセがあることで、商品だけでなく企業への信頼感も大きく低下し、購入を断念する消費者も多いことがわかりました。「騙されたくないから、倫理観のある企業から買いたい」という意識が強く表れています。

こうした理由から、多少高額であってもリスクを回避できる信頼できるブランドやメーカーを選ぶ傾向も見られます。大手メーカーや有名ブランドであれば、ノウハウの蓄積や信頼感があり、口コミを参考にしなくても安心して購入できると考える消費者が多いようです。

2位 別の口コミを調べる

・ヤラセではなさそうな口コミを探す。他のサイト等でも口コミを見る(30代 男性)

・マイナス評価の口コミ内容を見て考えます。マイナスでも客観的判断なら購入しますね(50代 女性)

ヤラセ口コミを見ることで、購入プロセスに新たな確認ステップが加わる消費者も多いようです。怪しいと感じた時点で購入意欲にブレーキがかかり、より慎重な判断を心がけ、別の情報源からも口コミを調査し始める傾向があります。

マイナス評価の口コミや他サイトの口コミをチェックする人が多く、異なる視点やプラットフォームからの情報を確認することで、より総合的な判断を行おうとしていることがわかりました。

また「マイナスの意見があっても、納得できれば購入する」という回答もあり、必ずしもマイナス評価が購入意欲の低下に直結するわけではないことも明らかになりました。

3位 他の商品を探す

・似たような商品で、もっと信頼できそうなものを探す(40代 男性)

・商品販売元自体を怪しく感じるので、他の類似商品を考えることにする(60代以上 女性)

ヤラセと感じた場合に購入を一旦保留し、代替商品やサービスを検討する消費者も少なくありません。代替案を検討した結果、元の商品に戻ってくる可能性もありますが、疑わしい商品は購入候補から外されるケースも多いようです。

企業側の視点で考えると、競合商品・サービスが豊富なジャンルでは、口コミの信頼性が損なわれることで、ライバル商品に顧客を奪われるリスクが高まると言えます。

4位 商品情報を調べる

・口コミ以外にも商品ページを隅々まで見る(30代 女性)

・商品情報を口コミ以外で調べて、納得のいくものだった場合は購入するかもしれない(50代 男性)

口コミがヤラセだと感じた場合に、「公式サイト」や「信頼できる販売サイト」などから正確な情報を確認して、購入判断を行う消費者もいることがわかりました。

例えば悪質な低評価コメントが目立つ場合には、企業側が公式情報を充実させることによって、購入検討者の不安を軽減できる可能性があると考えられます。

5位 どうしても欲しければ買う

・やらせだと思っても、商品が欲しかったら購入してしまうかもしれない(50代 女性)

・自分のニーズにぴったり合っていて価格が手ごろなら購入する(60代以上 女性)

口コミがヤラセのように思えても、商品自体が魅力的であれば購入する消費者も一定数存在することがわかりました。

ただし「価格が手ごろなら」という条件付きの回答も見られました。つまり、低価格の商品・サービスであれば、高額な商品・サービスと比較して、ヤラセ口コミによる購入障壁が若干低くなる傾向があると考えられます。

消費者が求めるヤラセ口コミを防ぐ対策は「ヤラセ口コミの調査」

ヤラセ口コミを防ぐ対策 グラフ

「企業やプラットフォームに対して求めるヤラセ口コミを防ぐ対策」について質問したところ、1位は「ヤラセ口コミの調査(26.1%)」、2位は「ヤラセへのペナルティ実施(22.0%)」、3位は「通報制度を設ける(13.3%)」という結果になりました。

全体的に「監視・調査体制」と「ペナルティ」を求める声が多く、企業やプラットフォームによる口コミの監視だけでなく、ユーザー参加型の通報制度の導入も期待されていることがわかりました。

また「低評価口コミを削除しない」「口コミ特典をやめる」など、企業が口コミを意図的にコントロールしようとする姿勢をやめてほしいという意見も見られました。

つまり企業やプラットフォームには、「ヤラセ業者やユーザーによる不正な口コミを排除する努力」と「都合のいい口コミ欄を作ろうとしない誠実さ」の両方が求められていると言えます。

1位 ヤラセ口コミの調査

・AIで判断しつつ、人間の手でもしっかり確認してもらう(30代 女性)

・やらせだと思われる口コミについて審議する機能を求めます。審議方法は第三者でもAIでもよいです(40代 男性)

具体的な方法としては「AI技術を活用して不自然な投稿を検出する」や「人間による確認作業を組み合わせる」などが挙げられています。「人間のチェックも必要」という回答からは、AI単独による自動検出では不十分だという認識も伺えます。

商品の販売元企業自身がヤラセを主導しているケースでは、プラットフォーム側による対応が特に重要になると考えられています。

2位 ヤラセへのペナルティ実施

・ヤラセを行ったユーザーのアカウントを使用できなくする。新たに登録をしても電話番号が同じだったら使用不可など(20代 女性)

・ヤラセを行った会社に対して、プラットフォームからペナルティを課す(30代 女性)

「ヤラセ行為を行ったアカウントの停止や投稿制限」「ヤラセを仕掛けた企業へのペナルティ」「ヤラセ関与者の公開」などの対策が求められています。

ヤラセが発覚した際に厳しく対処することで、不正行為への抑止効果が高まると考える消費者が多いことがわかります。

3位 通報制度を設ける

・ヤラセだと思ったものを通報する(20代 男性)

・読んだ人がヤラセだと感じたら、通報できるような仕組みがあればいいかもしれません(40代 女性)

ユーザーから企業・プラットフォームへ不審な口コミを通報できる仕組みを求める意見も多く見られました。

口コミの総数は膨大なため、企業・プラットフォーム側だけでは監視が行き届かないことも想定されます。日常的に口コミに触れ、真剣に内容を検討している消費者は「ヤラセかもしれない」という感覚に敏感であることから、ユーザー参加型の監視体制が効果的と考えられています。

ただし通報システムの導入だけでなく、通報後の企業・プラットフォーム側の適切な対応も重要な課題となります。

4位 投稿できる人を制限する

・捨てアカウントでの投稿や、実際にサービスを利用していないユーザーからの口コミをなくして欲しい(30代 女性)

・書き込みができるのは本人確認済の人に限定するのがいいと思います。未確認の人だと、いくらでも嘘をつくことができるからです(50代 男性)

匿名性が高いとヤラセが行いやすくなるため、口コミ投稿の条件として購入者確認や本人確認を導入することが効果的だという意見も多く見られました。本人確認が行われていれば「特定されるリスクがあるため、不正な投稿がしにくくなる」という抑止効果が期待できます。

また通販サイトの口コミには「まだ到着していませんが楽しみです」といった使用前の内容も散見され、参考価値が低いという指摘もありました。こうした問題への対策として「画像付き口コミのみ投稿可能にする」といった提案も見られました。

5位 ヤラセ口コミの削除

・ヤラセを行うユーザーを強制退会させ、該当ユーザーの口コミを全て削除してほしいです(30代 女性)

・企業がサクラを使ってやっているのもあるので、完全に排除はできないと思って見ています。ただ攻撃的な口コミは、消して欲しいです(40代 女性)

ヤラセ口コミが長期間放置されていると消費者が混乱する原因になるため、ヤラセと判断された口コミを迅速に削除してほしいという声も多く寄せられました。

ただし実際の運用においては「何をもってヤラセと判断するか」という基準設定が難しい課題として残ります。

6位 低評価口コミを削除しない

・低評価があっても、低評価への対応によっては購入するので、誠実な対応を求める(20代 男性)

・高評価のみならず低評価も正直に公表してほしい(40代 男性)

・低評価の口コミを消されたことがあったので、低評価の口コミを消す対応をなくせばいいと思う(50代 女性)

一部の企業では低評価の口コミを削除したり非表示にしたりして、全体評価を高く維持する操作が行われています。実際に低評価の口コミを投稿したところ削除されたという経験者もおり、低評価も含めた口コミの透明性を求める声が多く見られました。

低評価があっても、それに対する企業側からの誠実なフィードバックがあれば、むしろ企業・商品への信頼感が高まる可能性もあります。

7位 口コミ特典をやめる

・「口コミを書いてくれたらお礼します」という方法を見直してほしい。いいものは自然と口コミをするので、過剰なプレゼントはしないでほしい(30代 女性)

・企業側が高評価をお願いして見返りを提供するのは論外(40代 男性)

・企業からのやらせを促すようなクーポンの発行はやめてほしい。プラットフォームに監視をお願いしたい(60代以上 女性)

企業・店舗が「口コミを投稿するとクーポンを提供する」などの施策を実施するケースがありますが、特典目的の口コミは「クーポンをもらうために良い評価を書かなければ」という心理が働き、正直な意見にならないという懸念が示されています。さらに露骨に「良い口コミを書いてほしい」と企業側から依頼された経験を持つ消費者もいました。

特典があると自然発生的な口コミになりにくいため、過度な特典提供を控えるよう求める意見が多く見られました。

まとめ

口コミは商品選びやお店選びの際に重要な参考情報となりますが、ヤラセも混在している現状があります。そのため不自然な高評価や文章表現に警戒感を持つ消費者が増えています。

今回の調査結果から、企業側が主導して高評価口コミを投稿させていると疑われる場合、商品だけでなく企業に対する信頼感も大きく低下し、購入意欲が減退することが明らかになりました。

ヤラセ口コミへの対策としては「AIなども活用した口コミのチェック体制の強化」と「ヤラセ口コミに対する厳格なペナルティ」が特に求められています。

一方で「ヤラセは基本的になくならないと思うから、ユーザー側の受け取り方も大事」という現実的な見方も。企業・プラットフォームにヤラセ排除の対応を求めるとともに、消費者自身もメディアリテラシーを高めて自己防衛することの大切さを認識しているユーザーも少なくないことがわかりました。

出典元:株式会社マイスタースタジオ プレスリリース

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