
マイボイスコム株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:高井和久)が、『店頭でのデジタルサイネージ広告』に関するインターネット調査を2025年5月1日~7日に実施したことが発表されました。この調査では、デジタルサイネージ広告を見た経験や状況について詳細な分析が行われています。
調査結果によると、直近1年間に店頭・店内でデジタルサイネージ広告を見た人は6割強となっています。印象に残る広告があった場所としては「店内」が2割弱、「店の入り口付近」「商品、陳列棚近く」がそれぞれ約15%という結果でした。また、デジタルサイネージ広告を見た後の行動として、「広告で見た商品・サービス・メニューに興味を持った」が2割弱、「見た・手に取った」「店内で探した」がそれぞれ約7%となっており、消費者行動への影響が明らかになっています。
※デジタルサイネージ広告とは、店内や入口、陳列棚などに設置された、テレビ画面のような液晶ディスプレイ・LEDビジョンなどに、商品・サービス関連やその他の映像や音声などが流れる映像広告のことです。
■調査概要
この調査はMyVoiceのアンケートモニターを対象に実施されたインターネット調査です。調査期間は2025年5月1日から5月7日までで、回答者数は11,765名に達しています。この大規模なサンプル数により、デジタルサイネージ広告に関する消費者の経験や意識を幅広く把握することが可能となっています。
【調査対象】MyVoiceのアンケートモニター
【調査方法】インターネット調査
【調査時期】2025年5月1日~5月7日
【回答者数】11,765名
■デジタルサイネージ広告を見た経験
調査結果によると、直近1年間に店頭・店内でデジタルサイネージ広告を見た人は、「見たことがある」「見たことがあるような気がする」を合わせて6割強となっています。この結果から、デジタルサイネージ広告が消費者の日常生活において既に一定の存在感を持っていることが示されています。
「見たことがある」と明確に回答した人は全体の39.6%に達しており、年代別・性別で見ると男性40~50代や女性10・20代でやや高い傾向が見られました。一方で70代では認知度がやや低い結果となっています。この年代差は、デジタル機器への親和性や外出頻度などが影響している可能性があります。
■印象に残るデジタルサイネージ広告があった店舗
直近1年間にデジタルサイネージ広告を見た経験がある人に、印象に残る広告があった店舗を複数回答で尋ねたところ、「スーパー」が18.8%と最も高い割合を示したことがわかりました。日常的に頻繁に利用する場所であるスーパーマーケットでのデジタルサイネージ広告が、消費者の記憶に最も残りやすいことが明らかになっています。
次いで「コンビニエンスストア」が14.7%となっており、特に男性10~50代でやや高い結果が出ています。コンビニエンスストアも日常的に利用頻度が高い場所であり、レジ待ちの時間などに広告に接触する機会が多いことが影響していると考えられます。
これらの結果から、日常的に利用する頻度が高い店舗でのデジタルサイネージ広告が、消費者の印象に残りやすいことが示唆されています。
■印象に残るデジタルサイネージ広告があった場所
デジタルサイネージ広告を見た経験がある人に、店舗内のどの場所に設置された広告が印象に残ったかを複数回答で尋ねた結果、「店内」が19.3%と最も高く、次いで「店の入り口付近」「商品の近くや、陳列棚近くに設置されたもの」がそれぞれ約15%となっています。
店舗別に分析すると、興味深い傾向が見られました。『コンビニエンスストア』で広告を見た人では「レジの周辺」が約26%と特に高く、最も印象に残る場所となっています。これはレジ待ちの間、消費者が自然と広告に目を向ける時間があることが要因と考えられます。
また、『ホームセンター』では「商品の近くや、陳列棚近くに設置されたもの」「店内」が3割前後と高く、上位2位を占めています。ホームセンターでは商品を比較検討する時間が長いことから、商品近くの広告が注目されやすい傾向があるようです。

これらの結果は、店舗の特性や消費者の行動パターンに合わせたデジタルサイネージ広告の最適な設置場所があることを示唆しています。
■印象に残るデジタルサイネージ広告の内容
デジタルサイネージ広告を見た経験がある人に、どのような内容の広告が印象に残ったかを複数回答で尋ねた調査では、最も高い割合を示したのは「おすすめや人気の商品・サービス・メニューの紹介」と「新しい商品・サービス・メニューの紹介」で、各20%台となっています。次いで「店舗や商品・サービスのお得情報」が12.1%となりました。
この結果から、消費者は新しい情報や人気情報、そしてお得情報に特に関心を持っていることがわかります。特に新商品や人気商品の紹介は、消費者の購買意欲を刺激する内容として効果的であることが示唆されています。
店舗別の分析では、『飲食店・喫茶店』で広告を見た人は、「おすすめや人気の商品・サービス・メニューの紹介」の比率が他の層より高くなっています。飲食店では、視覚的に訴求力のある料理の映像や、人気メニューの紹介が特に効果的なようです。
■デジタルサイネージ広告を見た後の意識・行動
デジタルサイネージ広告の効果を測るうえで重要なのが、広告接触後の消費者の意識や行動の変化です。調査では、デジタルサイネージ広告を見た経験がある人に、広告接触後にどのような意識や行動の変化があったかを複数回答で尋ねています。
最も高い割合を示したのは「広告で見た商品・サービス・メニューに興味を持った」で17.2%となりました。次いで「お店で、広告で見た商品を見た・手に取った」「広告で見た商品・サービス・メニューを店内で探した」がそれぞれ約7%となっています。
これらの結果から、デジタルサイネージ広告は消費者の関心を喚起し、実際の行動にも一定の影響を与えていることがわかります。特に店舗内での購買行動に直接つながる効果があることは、小売業や飲食業にとって重要な示唆と言えるでしょう。
さらに店舗別の分析では、『美容院・理容室』で広告を見た人においては、「説明を読んだ」「店内で探した」「購入した、またはサービス・メニューを利用した」が2割前後と特に高く、上位にランクインしています。美容院・理容室では顧客が施術中に比較的長い時間を過ごすため、デジタルサイネージ広告がより効果的に機能している可能性があります。

■回答者のコメント:デジタルサイネージ広告で印象に残ったもの、あったらよいと思う内容
調査では回答者から3,625件のコメントが寄せられ、デジタルサイネージ広告に対する消費者の生の声が集まりました。以下はその一部です:
- 美容院の施術台で流れていた、ヘアオイルの紹介動画が印象に残った。(女性32歳)
- コンビニにてライフハックを紹介する動画を流していた。(男性25歳)
- 色々な情報が流れるので気になった情報をもう一度確認したいと思いじっと待っていたがなかなか流れてこないのでイライラしたことがある。(男性69歳)
- ガソリンを入れているときに次のキャンペーンの告知やグッズの紹介は特に気にして見ている。少しでもお得をゲットしたいという気持ちがそうさせています。(女性66歳)
- 店の売れ筋商品とかランキング出してくれたら面白い。(女性37歳)
- 飲食店の入り口にメニューを写真付き、値段入りで表示されていたら、初めて入る店でも情報がわかり、イメージしやすい。(女性56歳)
これらのコメントからは、デジタルサイネージ広告が消費者に与える印象や改善点が見えてきます。印象に残る広告としては、実用的な情報や商品紹介が挙げられています。一方で、情報の表示時間や表示頻度など、デジタルサイネージ広告特有の課題も指摘されています。
また、消費者からは「売れ筋商品のランキング表示」や「飲食店の入口でのメニュー・価格表示」など、具体的な提案も寄せられており、今後のデジタルサイネージ広告の展開において参考になる意見が多く見られました。
■調査結果の意義と今後の展望
今回の調査結果は、デジタルサイネージ広告の現状と効果、そして消費者の受け止め方について貴重な知見を提供しています。6割強の消費者が直近1年間でデジタルサイネージ広告に接触した経験があるという結果は、この広告媒体が既に一定の浸透を見せていることを示しています。
また、印象に残る広告の場所や内容、広告接触後の行動変化についての調査結果は、より効果的なデジタルサイネージ広告の設計や配置に役立つ情報となるでしょう。特に店舗の種類によって、効果的な設置場所や内容が異なることが明らかになった点は、店舗の特性に合わせた戦略の必要性を示唆しています。
今後、デジタルサイネージ技術の進化とともに、より多様で効果的な広告表現が可能になると予想されます。AIを活用した顧客属性に合わせた広告表示や、インタラクティブな要素を取り入れた広告など、新たな可能性も広がっているといえるでしょう。
■会社概要
マイボイスコム株式会社
【代表者】代表取締役 高井和久
【設立】1999年7月
【資本金】1億6,183万円(資本準備金含む)
【事業】インターネット調査、オフライン調査、テキストマイニング、アンケートデータベース、AI分析サービス
【所在地】東京都千代田区神田錦町3-17-11 榮葉ビル5階
出典元: マイボイスコム株式会社