【調査】物価高が休日に影響84.1%、57.6%が休みより収入を優先と回答|Job総研「2025年休み方実態調査」

パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関「Job総研」は、社会人男女378人を対象に「2025年 休み方実態調査〜物価高編〜」を実施しました。この調査は、物価高が休日の過ごし方や仕事への影響、収入と休みの優先度、さらに収入を増やすための手段など、物価高と休みの関係について詳しく調査したものです。

【物価高と休日の関係】

外食費やレジャー費などの物価高の影響により、休日の支出が増加傾向にある一方、実質賃金は依然としてマイナス傾向が続いています。このため、多くの社会人は「給料は増えないが、休日にはお金を使わざるを得ない」というジレンマを抱えているとされています。こうした状況から、Job総研では「休みが逆に経済負担になっている」「いっそ休みはいらない」といった意識の変化が見られるのではないかという仮説のもと、378人の社会人男女を対象に調査を実施しました。

【調査概要】
調査対象者:現在就業中のJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年5月2日〜5月7日
有効回答数:378人
調査方法 :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の84.1%が休日の過ごし方に物価高の影響あり 「外出頻度の低下」や「家で過ごす時間が増加」
・全体の73.6%が休日の支出が負担 78.3%が物価高の影響で「お金がかからない休みの過ごし方」を選択
・全体の57.6%が休みより「収入」を選ぶ 46.6%が収入が増えるなら「休みを減らす」
・休みを減らす理由1位は「将来の貯蓄のため」 休みを減らさない理由1位は「心身の健康を保つため」
・全体の60.8%が収入を増やすために休日出勤や副業をしたい 具体的には「副業」を希望する人が最多

【物価高の影響】

調査の結果、回答者全体の84.1%が「物価高が休日の過ごし方に影響している」と回答しています。内訳は「とても影響している」が30.7%、「影響している」が30.4%、「どちらかといえば影響している」が23.0%となっています。

物価高の影響があると回答した318人に、具体的な思考や行動の変化を尋ねたところ、「外食や外出の頻度を下げた」が48.4%で最も多く、次いで「家で過ごす時間が増えた」が47.2%、「旅行回数や遠出を控えた」が43.1%という結果になっています。

【物価高の負担】

回答者全体の378人に現在の年収を尋ねたところ、平均が559.0万円、中央値が500.0万円、最頻値が500.0万円という結果でした。また、休日の支出を負担に感じるかという質問には、73.6%が「負担に感じる」と回答しています。内訳は「とても負担に感じる」が18.3%、「負担に感じる」が25.4%、「どちらかといえば負担に感じる」が29.9%となっています。

【物価高による変化】

物価高による休日の過ごし方の変化について尋ねたところ、78.3%が「お金をかけなくなっている」と回答しています。内訳は「とてもお金をかけなくなっている」が19.1%、「お金をかけなくなっている」が25.9%、「どちらかといえばお金をかけなくなっている」が33.3%です。

また、物価高で労働を「生活の為」と感じるようになったかという質問には、64.3%が「感じるようになった」と回答しています。内訳は「とても感じるようになった」が17.7%、「感じるようになった」が21.2%、「どちらかといえば感じるようになった」が25.4%となっています。

【収入or休みどちらを選ぶか】

「収入」と「休み」のどちらを選ぶかという質問に対しては、57.6%が「収入派」と回答しています。内訳は「断然収入」が11.6%、「収入」が11.1%、「どちらかといえば収入」が34.9%でした。

さらに、収入が増えるなら休みを減らすかという質問には、46.6%が「そう思う」と回答しています。内訳は「とてもそう思う」が9.5%、「そう思う」が10.1%、「どちらかといえばそう思う」が27.0%という結果になっています。

【休みを選ぶ・選ばない理由】

休みを減らすと回答した176人にその理由を尋ねたところ、「将来の貯蓄を増やしたい」が49.4%で最多となり、次いで「稼げるうちに稼ぎたい」が48.3%、「賃金が上がらないから」が38.1%という結果でした。

一方、休みを減らさないと回答した202人にその理由を聞いたところ、「心身の健康を優先したい」が70.3%で最も多く、次いで「体調を崩す恐れがあるから」が50.0%、「メンタルの安定に必要不可欠」が45.5%となっています。

【収入を増やすための手段】

収入を増やすための休日出勤や副業の意向について尋ねたところ、60.8%が「したいと思う」と回答しています。内訳は「とてもしたいと思う」が13.2%、「したいと思う」が17.7%、「どちらかといえばしたいと思う」が29.9%でした。

また、収入が増えるならどの方法を希望するかという質問には、「副業」が66.9%で最も多く、「残業」が51.9%、「休日出勤」が25.4%という結果になっています。

【回答者自由記述コメント】

賃金が物価高に追いつかない状況から、休む代わりに働いて収入を増やしたいという意見が多く見られました。

・終業後でも余力がある時は、これまで趣味をしていた時間を仕事に当てたいとさえ思う
・外食等の頻度がかなり減った。必要な残業を率先して引き受けるなど、少しでも家計の足しにしている
・賃金が全く上がらないが物価は上がるので、その差を埋めるために休みを使って副業をしている
・副業をしたいが会社で禁止されている。制約が多く収入が増やせないのに休日にはお金がかかる
・趣味も1年以上控えているため、休んでいる暇があったら収入を増やすために仕事をしたい

【調査まとめ】

この「2025年 休み方実態調査〜物価高編〜」では、8割以上の回答者が休日の過ごし方に物価高の影響があると回答しており、具体的には外出頻度の低下や家で過ごす時間の増加といった変化が見られました。

2023年のJob総研調査では、6割が物価高により消費活動が消極的になったと回答していましたが、2年経過した現在(2025年)も、休日にお金をかけないように過ごすなど、節約せざるを得ない状況に変わりはなく、むしろ節約意識はさらに高まっていると考えられます。さらに「生活の為に働く」という意識も強くなっており、物価高の影響は心理面にも及んでいることがわかります。

休日の支出は意識的に制限できますが、収入は自分だけではコントロールできない面があります。そのため、2人に1人が「収入が増えるなら休みを減らす」と回答し、特に「副業」への意向が最も高く、「残業」や「休日出勤」も選択肢として挙げられています。

本調査からは、せっかくの休日にも関わらず、楽しみを削らざるを得ない社会人の実態が明らかになっています。物価高に賃金が追いつかないことを背景に、「将来の貯蓄のために稼げるうちに稼ぐ」という価値観が広がりを見せる可能性があります。また、「休日の経済負担」や「休日を削ってまで生活費を稼ぐ意識」が見られたことから、今後は副業などのサイドワークが増えていくことも予想されます。

パーソルキャリア株式会社 はたらく未来図構想統括部
JobQ部 コミュニケーション戦略グループ Job総研 PR担当

高木 理子(たかぎ りこ)

 2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し"はたらく社会人"を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動しています。

出典元:パーソルキャリア株式会社 Job総研

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