
東芝データ株式会社は、同社が運営する電子レシートサービス「スマートレシート®」の約250万人のレシートデータから得られる購買情報を分析し、2025年4月における全国および地方別のアイス売れ筋ランキングを発表しました。
調査結果によると、全国ランキングでは「モナカアイス」が首位を獲得し、北海道地方では「カップアイス」、東北地方では「アイスバー」、九州地方では「コーンアイス」が1位となるなど、地域ごとの特徴も浮き彫りになっています。また、乳成分による4つの分類では「アイスクリーム」と「アイスミルク」の人気が高く、「氷菓」は4月時点ではランク外という結果になっています。

この記事の目次
全国のアイス売れ筋ランキングから見える消費者の嗜好
東芝データ株式会社が「スマートレシート®」のデータを活用して分析した2025年4月の全国アイス売れ筋ランキングでは、「モナカアイス」が堂々の1位を獲得しています。続いて2位は「コーンアイス」、3位は「カップアイス」という結果になっています。
アイスは乳成分の量によって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」の4種類に分類されます。この分類に着目すると、乳成分が最も多い「アイスクリーム」は4位、6位、7位にランクインしており、乳成分が次に多い「アイスミルク」は1位、2位、5位、8位と高い人気を示しています。また、「ラクトアイス」は3位、9位、10位にランクインする一方、乳成分が最も少ない「氷菓」は4月時点ではランク外という結果になっています。
この結果から、4月という季節においては、比較的乳成分が多く含まれるアイス商品が消費者に好まれる傾向があることが伺えます。特に「モナカアイス」や「コーンアイス」といった定番商品の人気が高いことが明らかになっています。
地方別ランキングで見る地域ごとの購買傾向
地方別のランキングを見ると、地域によって嗜好の違いが鮮明に表れています。北海道地方では「カップアイス」が1位となり、東北地方では「アイスバー」、九州地方では「コーンアイス」がそれぞれトップに立っています。それ以外の地方(関東、中部、近畿、中国、四国)では全国ランキングと同様に「モナカアイス」が1位という結果になっています。
特筆すべき点として、北海道地方では「カップアイス」が上位10位のうち3つの枠を占めており、この地域でのカップアイスの人気の高さを示しています。また、東北地方では期間限定のアイスが3つもランクインするなど、地方独自の購買傾向も確認されています。
全国ランキングと同様に、地方別ランキングにおいても「氷菓」に分類されるアイスは4月時点ではランク外となっています。これは季節的な要因も影響していると考えられ、今後の気温上昇とともに購買傾向がどのように変化するかも注目されるポイントです。
データ分析の詳細
今回の分析は、東芝データ株式会社が運営支援する電子レシートサービス「スマートレシート®」を利用する約250万人のレシートデータをもとに行われました。対象期間は2025年4月1日から30日までの1か月間で、「スマートレシート®」加盟店での購入データが集計されています。
分析対象となったのはJANコード(全国共通の商品識別番号)がついている商品に限定されており、一部商品については複数の種類が同一JANコードで管理されているケースもあります。例えば、ジャイアントコーンのアソート(チョコナッツ、クッキー&チョコ、チョコ&ミルク)は同一JANコードであるため、ランキングにおけるシェアはこれら3種類の合計値として計算されています。
このような大規模なレシートデータの分析により、より正確な消費者の購買傾向を把握することが可能になっています。また、時系列でのデータ蓄積により、季節変動や消費トレンドの変化も追跡できるようになっています。
「スマートレシート®」サービスの概要
「スマートレシート®」は、東芝テック株式会社が開発・運営し、東芝データ株式会社が運営を支援している電子レシートサービスです。このサービスは、通常は紙で提供される購入商品の明細レシートを電子化し、電子レシートセンターでデータとして管理・提供するものです。
利用者は紙のレシートを保管する必要がなく、スマートフォンを通じていつでも購入履歴を確認することができます。これにより、買い物の利便性が向上するだけでなく、加盟店にとっては紙レシートの発行コスト削減や環境負荷の軽減といったメリットがあります。
「スマートレシート®」は単なる電子レシートサービスにとどまらず、そこから得られる購買データを統計的に分析することで、消費者の購買行動の理解や市場動向の把握にも貢献しています。今回のアイス売れ筋ランキングもその一例と言えるでしょう。
東芝データが提供するデータサービスとアプリ
東芝データ株式会社は「スマートレシート®」で得られた購買統計データを活用したサービスを提供しています。約250万人の会員がスーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニ、飲食店などで受け取るレシートデータをタイムリーに統計し、消費者の日々の購買動向を分析可能にしています。
また、同社は「レシートスキャン」という家計簿アプリも開発・運営しています。このアプリは紙のレシートを撮影するだけで自動的に支出管理ができる無料サービスです。「スマートレシート®」と連携しているため、電子レシートと紙レシートの一括管理も可能になっています。
なお、「レシートスキャン」に登録したレシート情報は購買証明としては使用できず、「スマートレシート®」のキャンペーン応募やスタンプカード・クーポン付与などの対象にはならないので注意が必要です。
まとめ
東芝データ株式会社の「スマートレシート®」データを活用した2025年4月のアイス売れ筋ランキングからは、全国的には「モナカアイス」が最も人気があり、地方によって異なる購買傾向があることが明らかになりました。また、乳成分の量による分類では「アイスクリーム」と「アイスミルク」が高い人気を示す一方、「氷菓」は4月時点ではランク外という結果になっています。
このような消費者の購買データの分析は、市場動向の把握や商品開発、マーケティング戦略の立案などに有益な情報を提供するものです。今後の季節変化に伴う購買傾向の変化も注目されるところです。
「スマートレシート®」のような電子レシートサービスは、消費者の利便性向上だけでなく、ビッグデータを活用した市場分析という側面でも大きな可能性を秘めています。今後もこうしたデータ分析によって、より詳細な消費者行動の理解が進むことが期待されます。
出典元:東芝データ株式会社 プレスリリース