
寄付決済プラットフォーム「Syncable(シンカブル)」を運営する株式会社STYZ(東京都渋谷区、田中辰也 代表取締役社長)が、「いらない」から「いかす」へと変える、社会を支える循環ファッションに関する最新情報を発表しました。
この記事の目次
2030年、ファッションからゴミ箱をなくす。衣替えから始まる、「捨てる」を「貢献」に変える新潮流。
近年、ファッション業界では「大量消費・大量生産・大量廃棄」という三重の課題に対して、各企業がサステナブル施策を積極的に進めています。環境省が2022年に実施した調査によると、家庭から手放された衣類の66%が焼却・埋立処分されており、その量は年間約45万トン(1日あたり1,200トン)にも達しているとのことです。
廃棄を選択する主な理由として「手間・費用がかからない」が69%と最も多く、処分が最も簡単だという意識が課題解決の障壁となっています。このような「捨てる一択」の現状を変革し、不要になった衣類を社会貢献へと転換する仕組みが今、強く求められています。
株式会社STYZが運営するオンライン寄付プラットフォーム「Syncable」と、株式会社デファクトスタンダードが運営するブランド品買取プラットフォーム「ブランディア」が共同で提供している「Brand Pledge(ブランドプレッジ)」は、衣替えの際に発生する不要なブランド衣類を通年で受け入れ、査定額をNPOに寄付できるサービスです。また「デファクトスタンダード」では2030年までに廃棄ゼロを目標に掲げ、査定がつかないノーブランド品もリメイクや教育用途へと循環させる取り組みを進めています。
(※1)出典元:環境省_サステナブルファッション
寄付と利活用で廃棄ゼロをめざす「Brand Pledge」とは
Brand Pledgeは不要衣類を年間を通して受け付け、その査定額をユーザーが選んだNPOへ寄付する、寄付型リユースサービスです。市場価値がつかない衣類については、返却または返却不要を選択することができます。
返却不要を選んだ場合でも廃棄はせず、デファクトスタンダード社のサステナビリティ方針『サービスから出る廃棄0への取り組み』に基づき、「リメイク」や「アップサイクル」などの方法で再活用することで、2030年までに廃棄ゼロを実現する取り組みを推進しているとのことです。
(※2)出典:Brandear Sustainability『廃棄0-「捨てないを目指す」-』
廃棄0への取り組み事例(デファクトスタンダード)
活用事例 | 内容 |
ハンドメイド作家 | 提供素材でエコバッグ・ポーチ等のリメイク作品を制作されました。 |
金沢文化服装学院 | 廃棄品がドレスに生まれ変わる、〝ブランディア×金沢文化服装学院コラボ#廃棄0プロジェクト〟に活用されました。 |
大妻女子大学 被服学科 | 廃棄衣料0をめざしたアップサイクルプロジェクトに活用されました。 |
名古屋デザイナー学院 | 名古屋デザイナー学院と産学連携協定を結び、廃棄衣料で新たなファッションアイテムにリメイクするプロジェクトに活用されました。 |
Brand Pledge概要と仕組み

Brand Pledgeは、不要になった洋服やブランド品を買取り、その買取金額の一部を様々な社会課題に取り組む740団体から選んで寄付できるサービスです。支援できる団体は公式サイトの検索ページから探すことができます。
サービスの利用方法はとてもシンプルです。まず支援したい団体を選んで査定申込をします。次に、送られてくるダンボールに洋服やブランド品を詰めて返送するだけです。査定完了後、査定金額から寄付申請をすると、ユーザーに代わって全額が団体へ寄付金として届けられます。

サービス運営体制
株式会社デファクトスタンダード
宅配キットの配送からお品物の査定、買取金額のお振込を「ブランディア」を通して行います。
株式会社STYZ
Syncableを通した非営利団体の情報提供、Brand Pledgeの企画開発、カスタマーサポート、寄付金の管理および振込を担当しています。
ファッション業界でひろがる"廃棄ゼロ" 「販売→使用→再生」が常識に
企業・教育現場に広がる循環型ファッション
オンワードグループ:884万点を回収する「グリーン・キャンペーン」と社員副業アップサイクル
オンワードグループでは、2009年から自社の衣料品を引き取る「オンワード・グリーン・キャンペーン」を実施しています。このキャンペーンでは、衣料1点につきオンワード樫山ショップで使用できるポイントが進呈される仕組みになっています。2009年の開始から16年目となる2024年までに、約170万人から約884万点もの衣料品を回収することに成功したとのことです。
さらに2025年4月には、回収した衣料品から制作したアップサイクル製品の販売も行われました。このアップサイクル製品の販売には社員が副業として参加し、制作した作品の価格を自ら設定。収益の90%が制作者に還元され、残りの10%は日本赤十字社への寄付に充てられているそうです。この取り組みは、衣料品の新たな価値創造と社会貢献を両立させた優れた事例といえます。
(※3)出典元:オンワード・グリーン・キャンペーン概要
文化服装学院とZOZOが産学連携:学生250人が社会課題をアップサイクルファッションで表現
Z世代にも「循環型ファッション」の波が広がっています。文化服装学院では2025年1月、株式会社ZOZO提供の古着約600点を活用したプロジェクトが実施されました。このプロジェクトでは、学生約250人が古着を解体・再構築し、社会課題を表現したアップサイクル作品40点を製作しています。
特に優秀と評価された作品はSHIBUYA 109で一般公開され、来場者からは作品に込められたメッセージに共感の声が多く寄せられたということです。学生自身が主導して廃棄衣料に新たな価値を与えるこのプロジェクトは、若年層における「捨てない」という新しい価値観の広がりを象徴しています。
(※4)出典元:文化服装学院
東急プラザ原宿「ハラカド」:50社参加の循環体験イベントで〝リメイク文化〟を身近に
2025年1月には、学生および20~30代を主な対象とした「サステナブルをテーマにしたイベント」が東急プラザ原宿「ハラカド」で開催されました。このイベントには50社を超える企業が参加し、「サステナブルな循環型社会へのシフトを参加者に提案することでサステナブルを身近なカルチャーとして体感し、最初の一歩を踏み出してもらう」ことを目指して実施されたとのことです。
こうした体験型イベントは、若い世代にサステナブルファッションの価値観を広める重要な機会となっています。
これらの事例は、従来の「販売→使用→廃棄」という一方通行の流れから、「販売→使用→再生」という循環型のプロセスが当たり前となりつつある、ファッション業界の大きな潮流変化を示しています。
Brand Pledgeは、このような社会の動きに呼応する形で、衣替えシーズンに発生する不要衣類を通年で受け付け、その査定額をNPOへ寄付するという仕組みを提供しています。これにより、単に「捨てる」のではなく「支援する」という新しい選択肢を提案し、廃棄ゼロを目指すサステナブルな循環の流れをさらに加速させることを目指しているということです。
株式会社STYZについて
「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」をミッションに掲げる株式会社STYZは、3つの事業を展開しています。まず、非営利セクターを中心に新たな資金流入を促進する『ドネーションプラットフォーム事業』、次に企業課題と社会課題の解決を共に目指す『インクルーシブデザイン&エンジニアリング事業』、そして最新テクノロジーを活用して人間らしい体験を創造する『システム開発&エンジニアリング事業』です。
これら3つの事業を通して、企業(ビジネスセクター)、行政(パブリックセクター)、非営利団体(ソーシャルセクター)、個人の間を取り持つ媒介役として機能し、社会課題の解決促進に取り組んでいるとのことです。
社名 | 株式会社STYZ |
代表者 | 代表取締役社長 田中 辰也 |
資本金 | 5,725,000円 |
売上高 | 非公開 |
設立 | 2016年3月 |
従業員数 | 60名(業務委託含む) |
HP | コーポレートサイト
ドネーションプラットフォーム事業 インクルーシブデザイン事業 システム開発&エンジニアリング事業 |
所在地 | 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-59-4 クエストコート原宿102 |
出典元:株式会社STYZ プレスリリース