株式会社インティメート・マージャー(本社:東京都港区、代表取締役社長:簗島 亮次)が、保有する約10億件のオーディエンスデータおよび生成AI解析技術を、株式会社LeanGo(本社:東京都目黒区、代表取締役:平井 翔吏)が運営するフルファネルマーケティング支援ツール「DEJAM」へ技術提供し、2025年4月22日より業務提携を開始したことを発表しました。
この提携により、「DEJAM」利用企業はコンバージョンユーザーと非コンバージョンユーザーの定性的な違いを可視化でき、ターゲットに最適化されたランディングページの生成や既存ページの改善が可能になります。さらに、イメージLP(画像主体のLP)領域においても、ユーザー属性に基づいた具体的な改善提案を行うことができるようになるとのことです。
この記事の目次
生成AIを活用したLP制作と高品質データの必要性
近年、生成AIの進化によって、ランディングページ(LP)を簡易的かつ大量に生成することが可能となりました。しかしながら、真に効果的なLPを制作するためには、ユーザーに関する質の高いデータの活用が不可欠です。このデータ取得は多くの企業にとって依然として高いハードルとなっています。
こうした課題を解決するため、インティメート・マージャー社が保有する豊富なユーザーデータ(Webサイト来訪者の定性データを可視化する技術)を、LeanGo社が提供するフルファネルマーケティング支援ツール「DEJAM」と連携する取り組みが始まりました。
データ活用による新たなLP最適化の可能性
この業務提携によって実現する主なメリットは以下の通りです。
- コンバージョンユーザーと非コンバージョンユーザーの定性的な違いを可視化
- ターゲットに最適化されたLPの生成
- 既存ページの効果的な改善
- イメージLP領域におけるユーザー属性に基づいた具体的な改善提案
インティメート・マージャー社は今後もさまざまな企業とのデータ連携を推進し、データ活用を通じた新たな価値創出に取り組んでいくとしています。
両社の代表コメント
株式会社LeanGo CEO・平井 翔吏氏
「DEJAMへ生成AIとインティメート・マージャー社の保有する膨大なユーザー属性データの活用によりパーソナライズされたLPの自動生成・最適化を目指す事業連携ができて、非常に嬉しく思います。既にいくつかの案件でフィジビリティが進んでおり、この業務提携によりコンバージョン数の増加や広告CPAの改善などマーケティングの成果向上が期待できます。
生成AIを活用したLPの生成は品質が担保できないため、たくさんの量を作っていいものを探すアプローチが増えてはきました。しかしそもそも当てずっぽうで制作するLPに正解を出せる可能性と納得感は低く、実用性はまだまだ低いと考えております。弊社の運営するDEJAMはLPを制作するプラットフォームで、誰でも簡単にLPを制作することができます。そこにインティメート・マージャー社の保有する定性データを活用することで『答えを見ながらLPを制作する』という、今までにない体験を提供します。」
株式会社インティメート・マージャー 代表取締役社長・簗島 亮次氏
「生成AIの進化が加速する中で、データと改善を掛け合わせた運用型LPの新たな可能性を秘めています。インティメート・マージャーが保有する豊富なユーザー属性データと、LeanGoのAIを活用したLP制作能力・デザイン知見を融合させることで、ターゲットに最適化された高品質なLPの創出が期待できます。
これにより、従来よりも格段に速いスピードでのPDCAサイクルを実現し、データに基づいた継続的な改善や高度なABテストを通じたLPOの推進が可能となりるのではないかと考えています。両社の連携は、顧客に対して常に最適なコミュニケーションを提供し、コンバージョン率向上に貢献する、次世代のLP運用の方法のスタンダードとなる可能性を秘めていると期待しています。」
フルファネルマーケティング支援ツール「DEJAM」について
「DEJAM」は「フルファネルマーケティング支援ツール」です。Webサイトの改善案を獲得し、ノーコードで反映可能なツールで、業種・業態を問わず数多くの企業で利用されています。事業会社での導入実績はもちろんのこと、広告代理店やコンサルティング会社では売上向上の手段として導入が進んでいます。
株式会社LeanGoについて
「SEED to HARVEST」LeanGoは光速PDCAが特徴のマーケティングファームです。業務の各フェーズの最適化と膨大な手数で、依頼を大幅且つ短期で達成する伴走支援を目指しています。抽象度の高いアイディアの検討から、具体的な継続的な改善まで遂行しています。また、DEJAM(フルファネルマーケティング支援ツール)の開発・提供も行っています。
インティメート・マージャーについて
「世の中のさまざまな領域における、データを使った効率化」をミッションに掲げ、国内DMP市場導入シェアNo.1(※1)のデータ活用プラットフォーム「IM-DMP」と「IM-UID」を保有するデータマーケティングカンパニーです。約10億のオーディエンスデータ(※2)と高度な分析技術を掛け合わせたデータ活用プラットフォーム「IM-DMP」の提供・構築支援、データ活用に関するコンサルティングサービスを提供しています。
また、プライバシー保護に関する取り組みとして、一般社団法人 日本経済団体連合会が掲げる「個人データ適正利用経営宣言」に賛同しています。今後はSales TechやFin Tech、Privacy TechなどのX-Tech領域に事業を展開し「データビジネスのプロデューサー集団」を目指しているとのことです。
※1 出典元:「教えてURL Webサービス調査レポート 2024.3」
※2 一定期間内に計測された重複のないブラウザの数を示します。多くの場合、ブラウザの識別にはCookieが利用され、一定期間内に計測された重複のないCookieの数のことを示します。
データとAI技術の融合によるLP最適化の将来性
今回の両社の業務提携により、マーケティング分野におけるデータ活用の新たな可能性が開かれます。特に注目すべき点は以下の3つです:
1. データドリブンなLP制作の実現
従来のLP制作では、マーケターの経験や感覚に頼る部分が大きく、効果測定も事後的な分析に限られていました。しかし、インティメート・マージャーの持つ膨大なオーディエンスデータを活用することで、制作前の段階から効果的なコンテンツ設計が可能になります。これにより、コンバージョン率の向上や広告費用対効果の改善が期待できます。
2. 生成AIとデータの相乗効果
生成AIは大量のコンテンツを短時間で作成できる一方、その質や効果には課題がありました。この業務提携では、生成AIの能力と質の高いデータを組み合わせることで、単なる量産ではなく、ターゲットユーザーに最適化された高品質なLPの制作を実現します。この取り組みは、生成AIを実ビジネスで活用する上での新たなアプローチとなる可能性があります。
3. マーケティングPDCAの高速化
データに基づいたLP制作と、その効果測定、改善のサイクルを高速で回すことが可能になります。これにより、市場の変化や消費者ニーズの変化に素早く対応し、常に最適なコミュニケーションを維持することができます。特にデジタルマーケティングにおいては、このスピード感が競争優位性を生み出す重要な要素となっています。
業界におけるデータ活用の重要性の高まり
デジタルマーケティングの分野では、個人情報保護の強化やサードパーティCookieの廃止など、データ収集・活用を取り巻く環境が大きく変化しています。このような状況下で、質の高いファーストパーティデータやパートナーシップを通じたデータ連携の重要性が増しています。
インティメート・マージャーのようなデータプラットフォーム企業と、LeanGoのようなマーケティングツール提供企業の連携は、こうした環境変化に対応するための戦略的な取り組みとも言えるでしょう。今後、同様のデータ連携やAPIを活用したサービス間連携がさらに増加し、マーケティングエコシステムがより豊かに、そして複雑になっていくことが予想されます。
実用性を高めるための課題と展望
LeanGo社の平井CEOがコメントで指摘しているように、生成AIを活用したLP制作には品質担保の課題があります。「当てずっぽうで制作するLPに正解を出せる可能性と納得感は低い」という指摘は、現在の生成AI活用の限界を端的に表しています。
今回の業務提携で実現する「答えを見ながらLPを制作する」というアプローチは、この課題を解決する新たな方法論を提示しています。データによって裏付けられた根拠に基づいてAIを活用することで、効果的なコンテンツ制作が可能になります。
また、簗島社長が指摘する「次世代のLP運用の方法のスタンダード」という視点は、単なるツール連携を超えた、マーケティング手法そのものの変革を示唆しています。データとAIを融合させた新たなマーケティングプラクティスが、業界全体に波及していく可能性があります。
出典元:株式会社インティメート・マージャー プレスリリース