株式会社ワサビは、同社が提供するEC管理システム「WASABI SWITCH」を利用している13社のパートナー企業を対象に、相互関税制度に対する意見や対策を知るためのアンケート調査(2025年4月3日〜2025年4月8日)を行い、その結果を発表しました。
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調査の概要:相互関税導入に対する企業の反応
調査は、「WASABI SWITCH」を導入している13社のパートナー企業を対象に、相互関税導入に関する感想や今後の対策について意見を募りました。
越境ECを行っている企業から寄せられた意見は次の通りです。
- 「価格調整や顧客への説明が必要になり、手間がかかる。」
- 「関税の支払いを拒否するケースが増加するのではないか。」
- 「将来のビジネス環境が不安。」
一方で、「現状を見守るしかない」との意見や「ピンチをチャンスに変え、新たな戦略を考える」という前向きな声もありました。
賛成者ゼロ!相互関税への率直な反響
相互関税とは、特定の貿易相手国が設定する関税率が自国よりも高い場合に、不均衡を是正するために同様の関税率を適用する仕組みです。最近、トランプ大統領は日本からアメリカへの輸出品に約24%の相互関税を課すと発表しました。
この発表に基づいて実施されたアンケートの結果は以下の通りです。
- 反対:72.7%
- どちらともいえない:27.3%
- 賛成:0%
この結果から、多くのEC事業者が相互関税導入に強い懸念を示していることが分かります。

誰が関税を支払うべきか?販売事業者の今後の方針
越境ECでかかる関税は主に国内産業保護のために輸入品に対して課され、日本から商品を輸出する際には通常購入者が関税を負担する形になります。

これにより、商品購入を行うバイヤーは、日本から購入する際の関税の増加リスクがあるため、アメリカ国内で同様の商品を購入する選択肢が増える可能性があります。
このような状況下で、日本のEC販売業者がアメリカの競合他社と競争を続けるためには、今まで以上に商品の差別化と独自性を強化する必要があると考えられます。
事業者アンケート結果:相互関税への対策
アンケートの中で、「相互関税が導入された場合、アメリカ市場へのEC販売にどのように対応する予定ですか?」という質問に対して、以下のような回答が得られました(一部抜粋)。
- A社:「アメリカ以外の市場に挑戦する。」
- B社:「現状を続けつつ、越境ECの売上比率を再評価する。」
- C社:「製品の原産国や輸出入時の規制に応じて、今後の動向を注視する。」
- D社:「特に方針を変更する予定はない。」
これらの結果から、一部の企業は積極的にアメリカ以外の市場に挑戦しようとしている一方で、様子を見ながら現状に留まる企業も多いことが明らかになりました。
柔軟な対策の必要性
現在、日本から輸出される800ドル以下の商品にはデミニミスルールが適用され、関税が免除されています。ところが、トランプ大統領による中国へのデミニミスルールの停止措置など、市場の動向は急速に変化しています。このような状況において、企業は迅速に市場情報を収集し、柔軟な戦略を立てる必要があります。
出典元:株式会社ワサビ調べ