株式会社読売広告社(本社:東京都港区、代表取締役社長:菊地英之、以下YOMIKO)は、同社傘下の株式会社ショッパーインサイト(本社:東京都港区、代表取締役社長:湯川孝一)が所有する、日本最大規模の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM*1」を利用し、2024年(データ期間は2024年1月から11月)における食品スーパーでの売上が増加した商品を分析しました。年代別ランキングの結果もお伝えします。

分析結果のポイント

1)「うるち米」の売上が2024年で最も増加

2)「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」「ミネラルウォーター」も人気商品に

3)物価や環境の変化が影響し「生さんま」や「玉葱」が売上に入る

1)2024年に最も売り上げが伸びたのは「うるち米」

令和の米騒動が話題の「うるち米」が全世代で堂々の1位

全世代において、「うるち米」が売上ランキングの1位に選ばれました。特に、コメが不足していた2023年の夏には「カップライス」「パックご飯」「おかゆ」などの米関連商品の需要が急増したことが報告されています。2024年を通じて見ると「うるち米」に加え「米飯レトルト」も上位に位置しています。年代別では、特に10代から30代で6位、40代から50代でも10位と、米の需要が依然として強い結果が見られました。

2)「乳酸菌飲料」「キウイフルーツ」「ミネラルウォーター」も売れ筋に

「乳酸菌飲料」と「キウイフルーツ」は全世代で高評価。「ミネラルウォーター」の需要にも注目

全年代で3位以内に入った商品は、「機能性表示食品の乳酸菌飲料6本パック」でした。コロナ禍以降、個人の免疫対策や健康を重視する傾向が強まり、これが習慣化している様子が伺えます。そのため、まとめて購入する傾向が増加しているようです。

また、「キウイフルーツ」はすべての年代で上位に入っています。過去10年での1世帯当たりの支出金額に関するデータによると、「生鮮果物」と比較して「キウイフルーツ」の支出額は1.7倍と顕著に増加しています。栄養価の高さも注目されており、今後も「キウイフルーツ」が人気の果物として評価され続けることが予想されます。

「ミネラルウォーター」に関しては、10代から30代、40代から50代でトップ10入りしています。この要因としては、他の飲料と比べて価格が手ごろで、日常的に購入しやすいことが挙げられます。また、猛暑や熱中症への対策としての水分補給の重要性や、防災備蓄品としての需要、健康や美容効果が求められる傾向も影響していると考えられます。

3)環境の変化や物価高の影響により「生さんま」や「玉葱」がランクイン

家庭に優しい魚や安定した価格改良を維持している「玉ねぎ」が全世代に選ばれました

魚類の中では、「生さんま」が60代から70代で8位、40代から50代で9位、10代から30代で20位となっています。近年は漁獲量が減少し価格が一時高騰しましたが、2024年は豊漁との報告があり、売上も好調だったと考えられます。また、10代から30代の間では「塩さば」が10位にランクイン。40代から50代では「塩さけ」が15位、60代から70代では16位という結果が見られ、それぞれの年代で好まれる商品に差が見られました。

さらに、生鮮食品の価格推移を確認すると、「玉葱」の価格は年間を通じて安定しています。「玉葱」は売れ筋ランキングでも全世代で3位以内に入っていますが、2024年は比較的安定した価格を維持したことで順位上昇の要因となったと考えられます。猛暑や異常気象が生産や出荷量に影響し、同時に輸送費や人件費の上昇を受けて多くの野菜が価格高騰する傾向にある中で、玉葱の安定性は特に注目されています。

価格が大きく影響する日常の野菜の消費状況は、家計に直接関係してくるため、消費者の購買行動に変化が見られることが予想されます。今後も価格動向や購買行動の変化について注視していく必要があります。

YOMIKOは、このような情報を基に、クライアント企業の課題発見や仮説検証に基づくサービスを通じて、事業成長に貢献していくことを目指します。

*1 real shopper SM:食品スーパーにおけるID-POSデータを基に、生鮮総菜を含む全ての食品の購買状況を全国規模で分析できるデータベース。

*2 売れ筋ランキング:集計期間の総購入額の前年比伸長率による影響度を基準としたもの。ナショナルブランドは単品別、その他商品はカテゴリ別に集計し、新商品や廃盤商品は除外されています。

出典元:株式会社読売広告社 プレスリリース

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