eBASE社が新チラシ制作支援システムを発表

大阪市北区に本社を置くeBASE株式会社(代表取締役社長:岩田貴夫)が、紙チラシ制作のプロセスを革新する新たなシステム「eB-DBPちらし」を発表した。このシステムは、オンラインとオフラインの融合を目指し、次世代のOMO展開を加速することを目的としている。

これまで、小売業界で広く用いられてきた紙チラシは、地域の特性に応じた効果的な販促手段として役立ってきたが、最近では新聞の発行部数の減少に伴って、折込チラシの発行数も減少しつつある。特に、特定エリアに向けたチラシの配布、印刷と配布にかかるコスト、効果測定の難しさ、さらには環境への負担など、様々な問題が浮かび上がっている。

eB-DBPちらし」は、これらの課題を解決するために、チラシ制作のデジタル化を進め、現行の問題をデジタル化し、さらにメディア自体のデジタルトランスフォーメーションを一貫してサポートすることを目指している。

「eB-DBPちらし」の背景と目的

紙チラシの企画制作には、構成設計、コマ割り、商品選定、配置など多くのステップが必要で、複数の部門や外部の協力者との調整も不可欠である。そのため、時間とコストの面で多くの課題が発生している。

また、紙チラシの完成度は、それがもたらす効果に直結しており、消費者の購買意欲や店舗への集客力、さらには売上にまで影響を与える。しかし、今なお多くの企業がExcelを用いて企画情報を管理しており、情報の共有にも困難を抱えている現実がある。

eB-DBPちらし」は、こうした課題の解決を目的として開発された。

チラシ発刊業務の流れと対象業務

紙チラシの発刊業務は、「企画」「制作」「印刷」という3つの工程に分かれている。デジタル化が進む中で、PDFチラシや電子ブック、Webチラシ向けのデジタルコンテンツ制作も同時に行われている。

eB-DBPちらし」は、主に「企画」工程と一部「制作」工程に焦点を当て、チラシ企画プロセスの最適化及びOMO展開の迅速化を支援する。

チラシ企画工程の主な業務フロー

チラシ企画の流れは、年間の発刊計画に基づき、複数の企画が同時進行で進められる。地域に根ざした特売企画は、細かい調整や修正が求められるため、版管理の複雑さが増す。

チラシ企画には構成検討、レイアウト案作成、商品選定、割付・レイアウトの指示など多数のステップが含まれ、複数の部門との連携が必要となるため、効率化やコスト削減が重要視される。

現状の課題

1. 分散化されたExcel情報管理

  • 各部門から手動で集計しているため、商品の調整や変更内容の把握が難しくなる。
  • ファイルが異なる場所に保存されているため、情報の不一致や重複が発生している。
  • 変更があった場合、各部門に最新情報を通知する必要があり、情報伝達の不備が生じやすい。

2. 複雑な更新作業とバージョン管理の混乱

  • コマ割りや割付指示書の更新が頻繁に行われるため、最新情報の整合性が保たれにくい。
  • 商品の変更や整合性確認には多大な労力が必要となる。
  • 商品原稿と版管理の不一致が多く、混乱を招いている。

3. 煩雑な商品情報管理

  • Excelでの管理は転記ミスを生じやすく、確認作業にも時間がかかる。
  • 変更指示後の掲載情報と商品マスタの修正が重複することがある。
  • 大量の情報を管理すると、Excelの処理速度が低下し、業務効率が悪化する。

「eB-DBPちらし」による課題解決

これらの課題を解消するためのソリューションとして「eB-DBPちらし」が提案されている。

1. 一元管理による情報共有の効率化

チラシ企画に関わるすべての情報をデータベースで一括管理し、部門間や協力会社がオンラインでリアルタイムで情報を共有できるようにする。これにより、従来のExcel作業を減少させ、業務効率を向上させる。

2. 安定したバージョン管理の実現

データの整合性が保たれ、誤りを減少させることが可能で、更新履歴を一元管理することで誤った変更を防止する。

3. 手間削減と不整合・不備リスクの低減

取引先や各部門から提供される商品情報を統合管理し、新製品の追加や既存製品の更新を円滑に行えるようにし、掲載情報の不整合や不備のリスクを軽減し、高品質なチラシ制作を効率的に実施する。

「eB-DBPちらし」の主な機能について

1. チラシ企画・進行管理機能

チラシに関連する全情報をデータベースにて管理し、進行状況を容易に把握できる。タスク管理システムとの連携により、詳細な経済管理が実現可能。

2. 情報登録・商品選定機能

多様な商品登録に柔軟に対応し、商品登録の負担を軽減する。

3. 画像割付支援機能

デジタル素材管理と連携し、最新の商品画像を自動挿入することで、作業効率を向上させる。

4. 店舗・エリア差替え版作成機能

地域ごとに異なるバージョンを容易に作成し、質の向上を図る。

5. 電子チラシ生成機能

紙のチラシ編集データを利用し、電子版チラシを自動生成することができる。

紙・電子チラシシステムの比較と展望

「e食住ちらし」は、従来の紙チラシをデジタル化するだけでなく、より多くの情報を提供し、利用者にとっての利便性を向上させている。

OMOに向けたチラシDXと「e食住シリーズ」展開の意義

デジタル時代においても、小売特売チラシは重要な情報源であり、効率化が求められている。「eB-DBPちらし」を活用することで、従来の業務を大幅に改善し、シームレスなデジタル統合を実現できる。

「eB-DBPちらし」の画面イメージ

チラシ管理画面の例として、進行状況や企画情報を効率よく管理できる画面が用意されている。

これらの機能を活かし、業務の効率化を進めるeBASE社の活動の一環として「e食住ちらし」は位置づけられている。

出典元: eBASE株式会社 プレスリリース

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