
株式会社アップス(所在地:大阪府北区 代表取締役社長:中井聖)のチーフエバンジェリスト「りゅーいち」氏が、日本のキャッシュレス決済市場の最新動向を網羅した「キャッシュレス業界カオスマップ 2025年版」と主要クレジットカードを掲示した「カードギャラリー」を公開したことが発表されました。
この記事の目次
公開の背景
日本のキャッシュレス決済市場は現在、新たな成長ステージへと移行しています。官民一体となった推進活動と消費者のライフスタイル変化を背景に、政府が設定した「2025年6月までのキャッシュレス決済比率40%」という目標が1年前倒しで達成されました。2024年には42.8%(141兆円規模)にまで到達しています。このような市場の進化を捉え、業界の全体像を視覚的に理解できるよう、昨年に続いて最新版のカオスマップと、新たな試みとしてカードギャラリーが公開されました。
「キャッシュレス業界カオスマップ 2025年版」の概要
昨年公開されたマップから情報を更新し、特に近年市場で存在感を増している「BNPL(後払い決済)」の項目が新たに追加されています。これにより、より網羅性の高い内容となりました。多様化・複雑化する決済サービスとそれを支える事業者の関係性を一枚のマップで直感的に理解できる構成になっています。
「カードギャラリー」の概要

キャッシュレス業界の中核を担うクレジットカード発行会社(イシュア)に焦点を当て、各社が発行する代表的なカードをビジュアルで分かりやすく紹介しています。発行会社を系統別に分類することで、業界の全体像を多角的に理解するための一助となるコンテンツとなっています。
日本のキャッシュレス決済市場:3つの主要トレンド(2025年版)
日本のキャッシュレス決済比率は2023年の39.3%(126.7兆円)から、2024年には42.8%(141兆円)へと1年でわずか3.5ポイント伸長しました。これは、社会のキャッシュレス化が不可逆的なトレンドとして定着したことを示しています。市場を牽引する主要な動向は以下の3点です。
1. クレジットカード:タッチ決済の浸透と利用シーンの拡大
依然としてキャッシュレス決済の主軸であり、特にタッチ決済(非接触決済)の普及が著しい状況です。Visaの発表によると、国内の対応カードは1億5,000万枚を超え、対面取引の52%を占めるなど、日常の少額決済における利便性が飛躍的に向上しています。また、SNS等で活躍するインフルエンサーがデジタルコンテンツを販売するプラットフォーム「Apps」においてもクレジットカード決済の利用は拡大しており、2025年に入ってからの流通総額は70億円にまで増加しています。これはCtoC(個人間取引)の領域でもキャッシュレス化が深化している一例と言えます。
2. コード決済:生活に密着し、第2の決済手段へ
最もダイナミックな成長を遂げている分野です。取扱高では既に電子マネーを上回り、2024年にはシェア9.6%に達し、クレジットカードに次ぐ第2の決済手段へと躍進しました。特に「PayPay」が6割以上のシェアを占め、市場を牽引している状況です。
3. BNPL(後払い決済):新たな顧客層を開拓し急成長
クレジットカードを持たない、あるいは利用に抵抗がある若年層を中心に支持を集め、急速に存在感を増しています。国内市場規模は2023年度の約1.5兆円から2028年度には約2.8兆円まで拡大すると予測されており、高い成長ポテンシャルを秘めています。
今後の展望と課題
政府は次なる目標として「キャッシュレス決済比率80%」を掲げており、今後はステーブルコインやAI利活用といった新たな技術が市場を次のステージに進めることが予想されます。一方で、高止まりする不正利用への対策や、都市部と地方部での普及の差といった課題も顕在化しています。今後も多様なプレイヤーの参入と協業が市場発展の鍵となると考えられます。
このカオスマップおよびカードギャラリーは、メディア関係者やキャッシュレス業界に関心を持つ方々にとって、複雑な市場を読み解く有益な資料となることが期待されています。
カオスマップ作成者・りゅーいち(本名:斉藤龍一)氏について

Appsチーフエバンジェリストとして活動するりゅーいち氏は、大手クレジットカード会社に20年間勤務した経験を持ち、最新のテクノロジーを活用した新規プロダクト開発に従事してきました。現在は、コンサルファーム役員として複数の決済プロジェクトに携わりながら、個人活動の中でXやVoicyのパーソナリティとして、調べないと分からないキャッシュレスの知恵を多くの人に届けることで、キャッシュレスの普及促進に努めています。
出典元:株式会社アップス プレスリリース













