
美容ブランドの戦略として注目を集める「Qoo10メガ割」。この期間に消費者にどのように製品を見つけてもらうかは、多くのブランドが抱える課題となっています。株式会社gracemodeが、Instagramの「発見タブ」アルゴリズムを活用した効果的な露出戦略についての詳細な情報を発表しました。
同社は以前、Qoo10メガ割に関する消費者行動の分析データを公開しています。その内容は以下の通りです。
【Qoo10メガ割に関する消費者行動の分析データ】
・美容情報の収集媒体は「Instagram」がトップ 美容関心層が新しい美容・コスメの情報を得る場所として、Instagramが最も利用されています。
・メガ割ユーザーの約7割は、開始前に購入品を決めている 特にロイヤルユーザー(頻繁に利用する層)は、メガ割前から入念に情報収集を行っています。
・SNSの話題量は「開始1週間前」から徐々に増加する メガ割に関するSNS上の発話(話題)は、開始1週間前から徐々に上昇し、メガ割初日がピーク傾向にあります。
メガ割期間中は各ブランドのプロモーションやインフルエンサーの投稿で溢れかえります。そんな中で「どうやってユーザーに製品を見つけてもらうか」は毎回課題となるポイントとされています。
この課題を解決する方法として注目されているのが、Instagramの「発見タブ」です。
発見タブは、ユーザーの興味・関心に基づき、まだフォローしていないアカウントの投稿を推薦する機能です。つまり、ブランドの知名度に関わらず「製品に興味を持つ潜在顧客」に情報を届けることができる、最も重要な場所といえます。
では、どうすれば「発見タブ」の上位に表示させることができるのでしょうか?月間平均2億IMPを誇るEMME編集部の投稿データをもとに、gracemode広報担当者による最新のアルゴリズムについて解説が、公開されています。
この記事の目次
1. 「発見タブ」上位表示の仕組みとは?
gracemodeが運用する美容メディアEMMEの投稿データを分析したところ、発見タブへの表示パターンには大きく分けて2つのタイプがあることがわかったとのことです。
(A)じわじわ型:
投稿から数日かけて徐々に順位を上げ、良質なストック情報として長期間上位に表示され続けるタイプです。
(B)急上位型:
メガ割開始直前など、強力な時事トレンドに乗って、瞬発的に上位表示されるタイプです。
一見、トレンドに乗った「急上位型」は魅力的に見えますが、これは時流の要素が強く、狙って再現し続けるのが難しい側面があるようです。一方、プロモーションとして戦略的に狙いやすいのは、良質なコンテンツとしてアルゴリズムに評価され、安定的に成果を出せる「じわじわ型」だと説明されています。
2. 良質なコンテンツとして評価される「じわじわ型」発見タブ露出
この「じわじわ型」で発見タブの上位表示を勝ち取るためにはどうすればいいのでしょうか?発見タブにどのように上位表示されるまでの過程を以下にまとめています。
※同じ投稿は同色で掲載
※同じ投稿は同色で掲載
①最重要指標:「保存数 > いいね数」の黄金比
分析の結果、発見タブで上位表示され、長くリーチを伸ばし続ける「じわじわ型」の投稿の傾向は、投稿後48時間(2日目)以内に「保存数」が「いいね数」を逆転していることだということです。
Instagramのアルゴリズムは、「いいね(=共感・リアクション)」よりも、「保存(=有益な情報・後で見返したい)」という行動を、コンテンツの質を測る上で非常に高く評価する傾向があるとのことです。
分析した「じわじわ型」で伸びた投稿は、投稿2日目の時点で「保存数」が「いいね数」をしっかりと上回っていました。逆に、伸び悩んだ投稿は、この「保存 > いいね」の逆転が起きていないようです。

このことから、発見タブで上位表示を狙うには、「いいね」を多く集めることよりも、「この記事は後で絶対見返したい」とユーザーに思わせ、「保存」してもらうことが圧倒的に重要であると結論付けられています。
②勝負の分かれ目は、投稿「初日」の"いいね 対 保存比率"
「保存数」がフォロワー以外への投稿露出として重要な指標は、Instagramの公式からも発信されており、すでにご存知の方も多いでしょう。それでは伸びる投稿と伸びない投稿の違いはどこにあるのでしょうか?
もう一つの鍵は「初速」だといいます。発見タブに表示されるかどうかの基準の一つとして、最初の48時間時点でのインサイトが紹介されています。

投稿分析によると、「じわじわ型」で伸びた投稿は、投稿1日目(24時間)から2日目(48時間)にかけてのリーチ数が爆発的に伸びているそうです(例:投稿①は+18.8万リーチ増)。
では、この「2日目の爆発」を生み出すトリガーは何なのでしょうか?
1つの要因として考えられるのが、投稿「初日」の「いいね 対 保存比率(=保存数 ÷ いいね数)」です。
これは、いいね(共感)に対して、どれだけ保存(有益性)のアクションが取られたかを示す「エンゲージメントの質」の指標とされています。

発見タブ上位表示の投稿①は、初日(24H)の時点で「いいね 848」に対し「保存 768」と、いいね対保存比率が90%という驚異的な高さだったとのこと。一方、伸びなかった投稿Cは、初日のいいね対保存比率が36%に留まっているそうです。
この初日に高い「いいね対保存比率」が、アルゴリズムに「この投稿は非常に有益だ」と即座に判断させ、2日目の爆発的なリーチの伸び(=発見タブへの露出)に繋がったと考察されています。
3. いきなり発見タブ上位に露出する「急上位型」とは...?
日々エンゲージメントを蓄積し上位に上がっていく「じわじわ型」とは異なり、トレンドに合わせて発信し発見タブの上位に最初から表示されるのが「急上位型」だと説明されています。
Qoo10メガ割で購入する際の行動分析
「じわじわ型」との決定的な違いは、「じわじわ型」が3日目に発見タブの下位から表示されるのに対し、「急上位型」は3日目にいきなり上位に表示される点だそうです。

▼トリガーとなるのは「初日」の圧倒的なENG率
「急上位型」のトリガーは、リーチ爆発前である初日(24H)のENG率(エンゲージメント数/リーチ数)が3%と極めて高く、これが発見タブの上位表示させるアルゴリズムの判断を引き出したと推測されています。
▼エンゲージメント質の違い
初日は「いいね」が先行する「じわじわ型」と対照的に、「急上位型」の初日は「いいね < 保存」を上回るといいます(いいね対保存比率 60%前後)。しかし、リーチが爆発する2日目には「保存」が一気に追いつき、「いいね 対 保存比率」が100%前後に達するそうです。トレンドであっても、最終的に「保存」が伴わなければ爆発は続かないと考察されています。
▼エンゲージメントが獲得しやすいタイミングでの投稿
また⑤⑥投稿のタイミングも上位表示される要因であると考えられるとのこと。該当の投稿はメガ割後半の3回目のクーポン配布のタイミングを狙って投稿したもので、ターゲットも「メガ割後半に買い忘れ、もしくはまだ買うことを検討しているユーザー」に刺さりやすいタイトルで訴求したことも、エンゲージメントを獲得しやすいポイントだったと考察されています。
4. メガ割で製品認知を広めるには...?
ここまで発見タブの上位露出のための2パターンの動向が分析されてきました。
「急上位型」= トレンドなどが「ボーナス要因」として寄与するそうです。メガ割という強力なトレンドに乗り、①投稿するタイミング ②投稿初日のENG率3%超え という高いハードルをクリアした際に、短期間で爆発的なリーチを獲得し、発見タブの上位に表示される可能性を高めるとされています。
「じわじわ型」= 「保存数 > いいね数」となる有益なコンテンツ設計により、ターゲットとなるユーザーから緩やかにエンゲージメントを獲得し、じわじわ発見タブの上位に表示されていくとのことです。
Qoo10メガ割という競争の激しいトレンドの中で、潜在顧客に「製品を見つけてもらう」ためには、上記の2点を意識したInstagram投稿戦略が不可欠だと説明されています。
5. 2025年最後のメガ割に向けて
今回は、Instagramの「発見タブ」アルゴリズムについて、「じわじわ型」と「急上位型」の2つの側面から解説されました。
gracemodeが運用する美容メディア「EMME」では、「保存」を重視した「じわじわ型」「急上位型」どちらにも適用した美容情報を日々発信しており、美容好きの多くが情報収集に使う「メガ割」関連の投稿でも、発見タブの上位に表示される実績が豊富だといいます。

EMMEについて
簡単&すぐに実践できる美容情報やトレンド情報を毎日発信しているtoC向けのSNS美容メディア。編集部総フォロワー200万人以上、月刊2億impを誇る日本最大級(※同社調べ)のSNS美容メディアです。
出典元:株式会社gracemode プレスリリース












