Checkout.comがワンクリック決済機能「Flow Remember Me」をグローバルで提供開始、AI分析機能強化やVisa・Mastercardとの連携も

デジタル決済プラットフォームを提供する Checkout.com(チェックアウト・ドットコム)は、同社主催の加盟店向けサミット「Thrive Venice」において、決済UI「Flow」の新機能「Remember Me」の追加を発表し、世界194の国・地域での提供を開始したことが明らかになりました。また、AI分析機能の刷新、決済最適化ツールの拡充、アクワイアリング体制の拡大に加え、Visa、Mastercard、Googleとのエージェント連携についても同時に発表されています。

同社の発表によると、今回のアップデートには以下のような特徴があるとのことです。

  • 「Flow Remember Me」により、購入者が一度カード情報を登録すれば、Checkout.comの決済ネットワーク上の加盟店での再入力が不要となり、ワンクリックで決済が完了します。
  • 中東エリアでのベータ版提供では、チェックアウトの所要時間を最大70%短縮し、承認率を最大7%向上させる効果が確認されています。
  • このほか、AI分析機能の刷新、決済最適化ツールの拡充、アクワイアリング体制の拡大、および主要決済ネットワークとのエージェント連携が進められています。

ワンクリック決済機能「Flow Remember Me」

「Flow Remember Me」は、購入者の入力負担を軽減することで、決済完了までの時間を大幅に短縮し、購入プロセスからの離脱を防ぐ仕組みです。利用者はカード情報を一度保存するだけで、Checkout.comの決済ネットワーク上のすべての加盟店においてワンクリックでの決済が可能になります。

中東地域でのベータテストを経て世界展開がスタートし、早期導入企業では以下の成果が報告されています。

  • チェックアウト時間が最大70%短縮
  • 認証チャレンジが22%減少
  • タイムアウトが30%減少
  • 承認率が最大7%改善

これらの改善により、全体的な決済コンバージョンの向上に貢献しているとのことです。

「Flow」自体は一度の実装で導入可能で、35種類以上の支払い手段を設定のみで有効化できることも特徴だといいます。導入企業は国・地域や端末、規制に合わせて最適な選択肢を提示できるため、新市場への展開やコンプライアンス対応がスムーズに行えるとされています。すでにVinted、Papa Johns、Virgin Active、英国王立造幣局(Royal Mint)などの企業が活用しており、決済コンバージョンの改善と運用負荷の軽減を同時に実現していると同社は説明しています。

モバイル・マルチPSP時代に最適化

今回のアップデートでは、「Flow for Mobile」によってモバイルアプリ向けに組み込み型のチェックアウト機能が提供されます。さらに、スタンドアロン版のFlowはForward APIを通じてマルチPSP(決済サービスプロバイダー)環境でも運用可能となり、事業や地域ごとの要件に合わせて柔軟に拡張できるようになっています。

Agentic Commerceへの備え

Checkout.comは、自律型エージェント(AI)が購買を代行する時代(Agentic Commerce)に向けた準備も進めています。個別化、権限・上限管理、安全なエージェント登録・認証などを支える機能群の開発が進行中とのことです。

Visa、Mastercard、Googleなどとの連携を通じて、実用性・信頼・本人性・不正対策・責任分担といった課題に一体的に対応し、企業が安心して採用できる基盤づくりを推進していると発表されています。

AI分析・最適化の強化

同社のAI搭載ダッシュボードは今回全面的に刷新され、支払いのライフサイクル全体を追跡し、透明性の高いデータから迅速に意思決定できる環境を提供するとのことです。利用者は自然言語で問いかけるだけで、決済プロセスのボトルネックを特定し、改善につながる示唆を得ることができるといいます。

また、リダイレクト不要の3Dセキュア(3DS)認証をIntelligent Acceptanceに組み込むことで、セキュリティを維持しながらも購入プロセスからの離脱を抑制することが可能となっているようです。

体制強化と事業拡大

  1. 北米では、ジョージア州銀行・財務局により、Checkout.comのMALPB(Merchant Acquirer Limited Purpose Bank)チャーター申請が受理されました。承認後は米国のカードネットワークへの直接接続が可能となり、加盟店により高い決済パフォーマンスと柔軟な運用コントロールを提供できる見込みだとしています。
  2. イシューイング(カード発行)サービスについては、英国・欧州においてデュアルネットワークの発行体として、物理/バーチャルカードの発行、プレファンド不要、資金への即時アクセスなどのサービスを提供しています。さらに、UAEおよび米国(2026年予定)への拡大に向けて、VisaおよびMastercardとの連携も進行中だと伝えられています。
  3. 同社のIntelligent Acceptanceは誤判定を抑制することで、これまでに累計150億米ドルの売上回復に貢献しているとのことです。Checkout.comは今年、EC決済で3,000億米ドル超の取扱高を見込んでおり、日次では10億米ドル超を恒常的に処理しているそうです。企業価値は120億米ドル、コア事業の純収益成長率は30%を見込むなど、持続的な成長を続けていると説明されています。近年はeBay、Pinterest、Vinted、ASOS、GetYourGuideなどとの提携も発表されています。

関係者コメント

Checkout.com 最高製品責任者(CPO)メロン・コルベチのコメント

「市場・端末・支払い手段・各国規制に合わせ、その瞬間に最適な体験を提示できるツールが必要です。Flowのモジュール設計はコンプライアンス管理をシンプルにし、ネットワーク最適化の恩恵を引き出すことで、承認率の着実な向上につなげます。」

Checkout.com 最高技術責任者(CTO)マリアーノ・アルベラのコメント

「AIは不正防止、ルーティング、パーソナライズされた体験を根底から変えています。Checkout.comはプラットフォームのあらゆる層にAIと機械学習を組み込み、ダッシュボードからIntelligent Acceptanceに至るまで、将来の"エージェントが自律的に購買する世界"に備えた基盤を提供します。」

チェックアウト・ドットコムについて

チェックアウト・ドットコム(Checkout.com)は、デジタル経済を支える数千の企業に決済サービスを提供しています。同社のデジタル決済ネットワークは145以上の通貨に対応し、世界中で年間数十億件の取引を処理しています。

柔軟性と拡張性のあるテクノロジーにより、決済成功率の向上、処理コスト削減、不正対策を支援し、決済を企業の収益性の向上につなげています。ロンドンに本社を置き、世界19か所にオフィスを構えるチェックアウト・ドットコムは、ソニー、Alibaba、Docusign、Uber Eats、GEヘルスケア、Wise、Remitly、Sainsbury's、Financial Times、Vintedといった世界のトップ企業と取引を行っているとのことです。

出典元: Checkout株式会社 プレスリリース

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