日本インフォメーション調査:Z世代女性の75%が「推し」を持ち、推し関連商品の購入意欲が7割向上

総合マーケティングリサーチ企業である日本インフォメーション株式会社が、「Z世代のイマ~推し活のリアルと消費への影響~」と題した調査結果を発表しました。この調査は全国の16~44歳の男女914名を対象に、2025年4月11日~14日の期間でインターネットリサーチを実施したものです。

過去のZ世代調査シリーズ

日本インフォメーションでは、これまでにも推し活研究シリーズとして「Z世代のイマ~新たな美意識と推し活・オタ活編~」「Z世代のイマ~推しがいれば彩る生活~」などの調査を実施しています。

また、その他のZ世代研究シリーズとして「Z世代の新たなSNS活用術から読み解く新潮流」「Z世代のイマ~食意識編~」「Z世代のイマ~分類して解像度をあげよう編~」「Z世代のイマ~アルコールとの距離感~」「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」「Z世代のイマ~若者のお金事情~」などの調査も行われてきました。

調査概要

調査地域:日本全国
調査対象:16~44才男女
調査実施期間:2025年4月11日~4月14日
調査手法:インターネットリサーチ
サンプルサイズ:有効回収計 914サンプル

Z世代を取り巻く「推し活」文化

近年、「推し活」という言葉が社会に浸透し、特にZ世代にとっては「推し」の存在が当たり前の文化となっています。SNSや動画配信サービスの普及により、「推し」との距離感が近くなった現代では、Z世代はアイドルや俳優だけでなく、YouTuberやインフルエンサー、アニメキャラクターや企業の公式キャラクターなど、幅広い対象に「推し」を見出し、日常的に応援する姿が見られます。

さらに、グッズ購入や推し関連商品・サービスの利用など、「推し消費」と呼ばれる行動も活発化しており、推し活は個人の趣味の域を超えて、経済活動にも影響を与える存在になっています。この調査では、Z世代の推し活について、行動の実態や経済活動への影響を詳細に分析しています。

調査結果から得られた主なファインディングス

1.Z世代女性は推し活に時間と投資を注ぐ人の割合が最も高い一方、Y世代女性は家庭との両立で制約も

推しがいる人の割合は、Z世代女性が75.4%と最も高く、Z世代男性は56.1%、Y世代女性は51%という結果になりました。この数字からZ世代女性の推し活への関心の高さがうかがえます。また、Z世代女性は推し活にかける時間・費用の平均も多く、積極的に投資している様子が見られます。

一方、Y世代女性はZ世代女性と比較して時間・費用ともに少なく、家庭との両立を図りながら推し活を行っている可能性が高いと考えられます。Z世代男性については、Z世代女性との平均時間の差は小さいものの、平均費用では約5000円の差があり、より気軽な推し活を行っている傾向が見られます。

2.推し活の内容はグッズ購入や音楽・作品鑑賞が上位、趣味・楽しみが目的の圧倒的1位

推し活の内容としては、グッズ購入、推しの音楽・作品鑑賞、SNSフォローなど、日常的に気軽にできる活動が上位に挙がりました。推し活の目的としては「趣味・楽しみ」が圧倒的1位となり、推し活が日常生活に溶け込み、モチベーション向上やストレス解消にも寄与していることがわかります。

3.推し活の情報収集源は公式SNSが主流、特に公式Xが1位を独占。Z世代は推しとの出会いにもSNSが上位に

情報収集源としては全体的に公式SNSが上位となり、特に公式Xがほとんどの世代・性別・ジャンルで1位を占める結果となりました。公式以外のXも多くのカテゴリで1~3位に入っており、情報収集ツールとして高い利便性を持っていることがうかがえます。Z世代については、推しとの出会いの場としてもSNSが上位に挙がっており、日常的にSNSを通じて情報収集を行っている様子が見られます。

4.推し起用の商品・サービスは7割が購入意欲アップ!推し活が購買行動に影響

推しを起用した企業の商品・サービスへの購入意欲については、約7割の回答者が「高まる」と回答しています。推し活の内容としてグッズ購入も上位に挙がっていることからも、気軽にできる推し活の一環として、また身近に推しの活躍を感じられる機会として、多くの人が推し関連商品に興味を示していることがわかります。

主な調査結果

1. Z世代は「推し」がいるのが当たり前?

「推しのジャンル」について世代・性別・オタク度別に調査したところ、Z世代女性の75.4%に推しがいることがわかりました。これはY世代女性やZ世代男性と比較しても高い割合です。

また、Z世代女性および「ガチ勢」(熱心なファン)の推しのジャンル第1位は「J-POPアイドル・アイドルグループ」という結果になりました。近年、アイドルオーディション番組の増加や多様なアイドルグループの存在、SNS等での話題性が影響していると考えられます。さらに「推し活」というワードが日常的に使用されるようになったことで、Z世代にとっては「推し」の存在が当たり前の文化になっていることがうかがえます。

2. 推し活に時間と出費をかけるZ世代 Y世代は家庭と両立で制約も

「推し活にかける費用と時間」について調査したところ、費用に関してはZ世代女性が「ガチ勢」の割合も高く、推し活に多くの費用をかける傾向が見られました。特にアイドル・歌手系の推し活では、コンサートやイベントに伴うグッズ購入の機会も多く、平均金額が高くなっています。

「ライト勢」(軽度なファン)は87.1%が1万円以下を選択したのに対し、「ガチ勢」は53.1%が1万円以上を選択しており、「ライト勢」はSNSでの応援やメディア視聴など費用のかからない推し活が中心である一方、「ガチ勢」はコンサート、イベント、遠征など費用がかかる推し活を行う人が多い傾向にあります。

時間に関しては、費用と同様にY世代女性は10時間以下を選択した人が57.9%を占め、Z世代より時間をかけない傾向が見られました。これはY世代女性が家族との時間を優先する必要があり、推し活に費やせる時間が限られていることが影響していると考えられます。一方、「ガチ勢」の平均時間は44時間という結果となり、日常生活の中で推し活が重要な位置を占めていることがうかがえます。

3. 推し活、何してる?なぜ推すの?

「推し活の内容」について調査した結果、全体的にグッズ購入や推しの音楽・作品鑑賞、SNSフォローなど、公式から提供されるコンテンツの利用が上位となりました。一方で、応援グッズやファンレターの作成など、手間や時間・労力を要する活動は選択率が低い傾向にありますが、「ガチ勢」については全体的に選択率が高い結果となっています。

推し活の目的としては、「趣味・楽しみ」が圧倒的1位となりました。世代や性別を問わず、推し活は趣味・楽しみとして日常生活に定着しており、この傾向は今後も続くと考えられます。

4. 情報収集源は公式SNSが主流

「推し活での情報収集源」については、性別・年代・オタク度・ジャンルを問わず、全体的に公式SNSが上位となりました。これは、多くのジャンルにおいて公式SNSが基本的な情報発信ツールとして活用されていることを示しています。

ただし、TikTokの選択率は予想よりも低く、TikTokが情報収集よりも動画コンテンツを楽しむ目的で使用されている可能性が高いことがわかりました。

5. 購買意欲を動かす推しの存在感

推しを起用した企業の商品・サービスへの購入意欲については、全体的に「高まる」という回答が多く、推しの存在が購買行動に大きな影響を与えることが明らかになりました。推し活の内容としてグッズ購入も上位に挙がっていることから、推し関連アイテムの購入は身近で気軽にできる推し活の一つであり、推しの活躍を身近に感じられる機会として多くの人に支持されていると考えられます。

6. 推し活のリアルと消費への影響

この調査を通じて、Z世代にとって推し活が日常生活の一部として定着し、消費行動にも大きな影響を与えていることが明らかになりました。推し関連の商品・サービスへの購入意欲は高く、「推し消費」と呼ばれる行動も活発に行われています。

企業にとっては、Z世代の共感や応援の気持ちに寄り添った商品設計や情報発信が、ブランドとの接点を生み出す重要な要素となるでしょう。今後のマーケティング戦略においては、推し活の文脈を理解し活用することが、Z世代との関係構築において重要なポイントになると考えられます。

日本インフォメーションでは、今後もZ世代の特徴をテーマ別に調査・分析し、変化の激しいZ世代の動向を継続的に追跡していく予定だとのことです。

出典元: 日本インフォメーション株式会社 プレスリリース

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