株式会社パル(本社:大阪市、代表取締役社長:小路 順一)が、株式会社FANATIC(本社:東京都渋谷区、代表取締役:野田 大介)が提供するLINE CRMツール「WazzUp!(ワズアップ!)」を活用し、これまで店舗で実施していた「入荷通知」を通販にも導入したことが発表されました。この取り組みにより、非会員に対しても個別配信が可能となり、購入率は従来比2.5倍、LINE友だち数は1.9倍という大きな成果を上げているとのことです。
会員登録やID連携を必要としないシステムにより、これまで取りこぼしていた非会員層へのアプローチが可能になり、毎月数億円規模の潜在需要を可視化することに成功しているということです。
この記事の目次
背景:会員登録に依存しないCRMの必要性
従来のLINEを活用したCRM施策においては、「会員登録」や「ID連携」が前提とされてきました。しかし、この登録プロセスの煩雑さが原因で多くの潜在顧客が途中離脱してしまい、重要な購買機会を逃してしまうという課題が存在していたとのことです。
この問題を解決するため、株式会社パルはFANATICが提供する「WazzUp!」を導入。会員登録やID連携を行っていない非会員層に対しても、LINE上で入荷通知を届けられる仕組みを構築することに成功しました。これにより、従来のCRM施策では対応できなかった顧客層へのアプローチが可能となり、新たな購買機会の創出につながっているようです。
成果:数字で見る効果
株式会社パルによる「WazzUp!」の「入荷お知らせ」機能導入により、以下のような具体的な成果が確認されているとのことです。
- 従来のLINE入荷お知らせと比較して、購入率が2.5倍に向上
- LINE公式アカウントの友だち追加数が1.9倍に拡大
- 非会員層も登録可能となり、毎月数億円規模の眠っていた需要を可視化
- 非会員にもLINEを通じた個別アプローチが実現
これらの結果により、会員だけでなく非会員も含めた新しいCRMの形が実現したとされています。従来では捉えきれなかった顧客層へのアプローチが可能になったことで、ビジネスの可能性が大きく広がっているようです。
利用イメージ
実際のサービス利用の流れは非常にシンプルだとのことです。ECサイトにおいて売り切れとなった商品には「LINEで入荷通知」ボタンが表示されます。ユーザーはこのボタンをタップするだけで、LINE友だち追加と入荷リクエストが同時に完了する仕組みとなっています。
重要なポイントは、会員登録やID連携が不要という点です。これにより、非会員であってもLINEを通じて入荷通知を受け取ることができるようになり、顧客体験の向上と購入機会の拡大が実現しているとのことです。

コメント
株式会社パル
取締役専務執行役員 兼 プロモーション推進部部長
兼 WEB事業推進室室長 兼 コミュニケーションデザイン室室長
堀田 覚 氏
「ECで気になる商品を店舗で確認するお客様が多く、売り切れ時のフォローとして昨年、ワズアップ!の『店舗入荷お知らせ』を使いLINEで店舗の入荷情報を届ける仕組みを導入しました。予約販売ニーズにも応える形で、月数千万円〜数億円規模のリクエストにつながっています。
また、通販側でもLINE経由の登録が急増し、購入率がメール以上に高い成果となっています。本機能により、非会員にも負担なく適切な情報を提供できる、新しいCRMの形を実現できたと感じています」
このコメントからも分かるように、実際の現場ではECと実店舗の連携強化や、非会員層へのアプローチ拡大によって、大きな商機を生み出すことに成功しているようです。従来のメールマーケティングと比較しても高い効果を示しており、今後のCRM戦略の一つのモデルケースとなっているとのことです。
LINE自動配信ツール「ワズアップ!」について
「WazzUp!」は、面倒な会員登録やID連携を必要とせずに、LINEの個別配信を実現できる革新的なツールです。株式会社FANATICが開発・提供しているこのサービスは、様々なシーンでの活用が可能となっています。
「WazzUp!」で配信できる主な内容は以下の通りです。
- お気に入りブランドの新着商品の自動配信
- カゴ落ち通知
- 店舗の入荷通知
- ECの入荷通知
- お気に入り商品の値下げ通知
- お気に入り商品の在庫わずか通知
このように多彩なシナリオに対応しており、LINE公式アカウントでの自動・個別配信をどこよりも簡単に実現できることが特徴とされています。特に、会員登録やID連携のハードルを取り除くことで、より多くの顧客層へのアプローチを可能にしているようです。
このツールの導入により、企業はCRMの幅を大きく広げることができ、従来では捉えきれなかった顧客の需要を可視化することが可能になります。パルの事例が示すように、適切な形での導入によって具体的な売上向上につながる可能性を秘めているとのことです。
なぜ非会員向けCRMが重要なのか
従来のCRM施策においては、会員登録済みの顧客に対するアプローチが中心でした。しかし、ECサイトを訪問するユーザーのうち実際に会員登録まで至る割合は限られています。つまり、多くの潜在顧客が会員登録の段階で離脱してしまい、そのニーズを捉えきれていないという課題が存在していたようです。
「WazzUp!」の活用により、株式会社パルはこの課題に対する有効な解決策を見出しました。会員登録のハードルを取り除き、LINEという多くのユーザーが日常的に使用するツールを通じて顧客とコミュニケーションを取ることで、より広範な顧客層へのアプローチが可能となったとのことです。
この「非会員向けCRM」という新しい概念は、特に以下のような場面で効果を発揮するとされています。
- 人気商品の入荷情報を求めるユーザー
- 一度は興味を示したが購入に至らなかった顧客
- 実店舗とECの両方を利用する顧客
- 会員登録の手間を避けたいカジュアルな購買層
株式会社パルの事例は、こうした潜在的なニーズを効果的に捉え、ビジネス成果に結びつけた好例と言えるでしょう。
オムニチャネル戦略における位置づけ
今回の「WazzUp!」導入は、株式会社パルのオムニチャネル戦略の強化という観点からも注目に値します。特に「ECで気になる商品を店舗で確認するお客様が多く」というコメントにあるように、現代の消費者は実店舗とECの境界を越えて購買行動を行っているとのことです。
「WazzUp!」の活用によって、以下のような効果が生まれているようです。
- ECサイトでの品切れ商品に対する店舗入荷情報の提供
- 店舗での品切れ商品に対するEC入荷情報の提供
- チャネルを横断した一貫した顧客体験の実現
- 顧客の購買意欲が高いタイミングでの適切な情報提供
このように、「WazzUp!」は単なる入荷通知ツールではなく、オムニチャネル戦略を支える重要な基盤技術として機能しているとのことです。実店舗とECの連携強化によって、顧客満足度の向上と売上拡大の両方を実現している点は、多くの小売業にとって参考になるでしょう。
今後の展望
株式会社パルの取り組みは、CRMの新たな可能性を示唆しています。特に以下のような点で今後の展開が期待されるようです。
- 非会員データの活用による顧客理解の深化
- LINEを中心とした顧客接点の多様化
- 実店舗とECの更なる連携強化
- パーソナライズされた情報提供の高度化
また、株式会社FANATICが提供する「WazzUp!」自体も、今後さらなる機能拡張が期待されます。会員・非会員の垣根を越えたCRMツールとして、小売業界におけるデジタルトランスフォーメーションを加速させる存在になるでしょう。
株式会社パルの成功事例は、単にツールを導入するだけでなく、顧客視点に立った活用方法を模索することの重要性を示しています。今後も同社の取り組みから、小売業界におけるCRM戦略のヒントを得ることができるでしょう。
まとめ
株式会社パルによる「WazzUp!」の導入事例は、非会員向けCRMという新たな概念を実践し、具体的な成果を上げた事例として注目に値します。購入率2.5倍、LINE友だち数1.9倍という数字は、この取り組みの有効性を明確に示しています。
特に重要なのは、会員登録やID連携というハードルを取り除くことで、これまでアプローチできなかった顧客層へのコミュニケーションを可能にした点です。毎月数億円規模の潜在需要を可視化したという事実は、多くの企業にとって示唆に富んでいます。
今後、小売業界では会員・非会員の垣根を越えたCRM施策がさらに重要性を増していくことが予想されます。株式会社パルとFANATICによるこの先進的な取り組みは、その先駆けとして業界に大きな影響を与えることでしょう。
出典元: 株式会社FANATIC プレスリリース