キャッシュレス決済導入の最大の壁は「手数料」 店舗経営者1,007人の本音調査結果をStoreProが公開

StorePro(所在地:東京都港区)は、店舗の経営者・店舗責任者でキャッシュレス決済を導入している/導入していない方を対象に、「店舗のキャッシュレス決済導入の本音」に関する調査を実施しました。この調査から、キャッシュレス決済の導入における障壁や導入済み店舗の成果が明らかになっています。

現金による会計は、レジ締めや釣り銭準備、両替業務など、時間や手間のかかる業務が多数存在します。一方、キャッシュレス決済は業務効率化や顧客満足度向上につながるとされていますが、導入コストや設定の煩雑さを理由に導入を見送る店舗も少なくありません。

このような状況を踏まえ、StorePro社はキャッシュレス決済未導入店舗における現金会計業務の負担や、導入済み店舗での業務変化について調査を行いました。

同社が実施した今回の調査では、店舗の経営者・店舗責任者でキャッシュレス決済を導入している/導入していない方を対象に、「店舗のキャッシュレス決済導入の本音」について詳細な分析が行われています。

調査概要

調査名:「店舗のキャッシュレス決済導入の本音」に関する調査
調査期間:2025年8月20日(水)~2025年8月22日(金)
調査人数:1,007人
調査対象:調査回答時に店舗の経営者・店舗責任者且つキャッシュレス決済を①導入している/②導入していないと回答したモニター
調査元:StorePro
モニター提供元:PRIZMAリサーチ

キャッシュレス導入の最大の壁は「手数料」 店舗が抱える懸念と現金会計の実態

調査ではまず、キャッシュレス決済を導入していない店舗経営者・責任者に対して「キャッシュレス決済にどのような印象を持っているか」を質問しています。

その結果、最も多かった回答は「手数料がもったいない(77.2%)」で、続いて「導入コストが高い(39.1%)」「トラブル対応が面倒(25.4%)」という結果となりました。

約8割の未導入店舗が「手数料がもったいない」と回答しており、費用負担が最大のハードルとなっていることが明らかになっています。導入コストの高さやトラブル対応の煩雑さも上位に挙げられており、利用メリットよりも「損をする」「手間が増える」という負のイメージが強く働いていることがわかります。

また「導入していない理由として一番近いもの」という質問に対しても、「手数料がもったいない(57.9%)」が最多で、「導入コストが高い(10.9%)」「現金派の常連客が多い(9.5%)」と続いています。

キャッシュレス決済への印象と同様に「手数料」が最大のネックであることが確認され、「導入コスト」や「現金派の常連客の存在」も一定の影響を持っていることがわかりました。初期費用や顧客層との相性が判断材料になっていると考えられます。

現金会計における負担については、「特に負担はない(65.1%)」との回答が多く、現金利用そのものに強い抵抗感は見られませんでした。しかし、約2割の店舗は「レジ締め業務」や「釣り銭準備」などを負担と感じており、こうした業務負担の軽減がキャッシュレス決済導入の動機になる可能性があります。

レジ締めあるあるは「釣り銭不足」 現金管理に潜むストレスと効率低下

キャッシュレス決済を導入していない店舗経営者・責任者に対して、現金管理の実態についても調査が行われました。

「レジ締め業務に関するあるある」という質問では、「釣り銭が足りなくなり、両替が必要になる(42.1%)」が最も多く、次いで「売上金額が合わず、確認に時間がかかる(26.2%)」「両替用に準備していたお金を売上に混ぜてしまう(11.1%)」という結果になりました。

「釣り銭不足による両替対応」が最も多く挙げられており、日常的に発生する手間として業務効率を低下させている要因となっています。また「売上金額の不一致」や「準備金の混入」といった問題も、確認や再計算に時間を要し、スタッフの負担やストレスにつながっていると考えられます。

「会計業務を担当できるスタッフの割合について」の質問では、「1割以下(ほぼ自分だけ)(67.3%)」が圧倒的に多く、次いで「ほぼ全員(9割以上)(19.2%)」「2〜3割程度(8.1%)」という結果でした。

多くの店舗では会計業務が特定の担当者に集中しており、その負担は相当大きいと考えられます。このような状況を改善するためにも、全スタッフが使いやすいシンプルで安心な決済手段への移行が望まれることが推測されます。

次に、日々の業務時間への影響についても調査されています。

「1日あたりどのくらい「現金管理」に時間を使っているか」という質問では、「30分未満(86.3%)」が最も多く、次いで「30分~1時間未満(11.1%)」「1~2時間未満(1.4%)」という結果でした。

大半の店舗では現金管理にかける時間は30分未満と比較的短時間ではあるものの、中小規模の店舗では積み重なれば大きな負担となります。キャッシュレス決済導入による小さな効率化も、長期的には大きなメリットにつながると考えられます。

「もしキャッシュレス決済を導入するとした場合に決め手となる要素」については、「導入手数料無料または割引(63.9%)」が最も多く、次いで「顧客からの強い要望(26.4%)」「導入費用の補助や助成(13.7%)」と続きました。

コスト負担の軽減が最も有効な導入促進策であることが明確になっています。また「顧客ニーズ」や「サポート体制」も意思決定に影響しており、導入サポートや補助施策の充実が有効な手段であると考えられます。

導入理由は「顧客ニーズ」と「売上向上」 店舗が直面した課題と得られた成果

次に、既にキャッシュレス決済を導入している店舗経営者・責任者に対する調査結果が示されています。

「キャッシュレス決済を導入したきっかけ」については、「顧客からの要望があった(41.2%)」が最も多く、次いで「集客や売上アップを狙って(35.4%)」「現金管理の負担を減らすため(22.9%)」という結果でした。

導入の大きなモチベーションとなっているのは顧客ニーズと売上向上への期待であることがわかります。これに加え「現金管理負担の軽減」や「決済代行会社からの提案」も決断を後押ししており、導入の背景には複数の要素が組み合わさっていると考えられます。

「導入する際に大変だったこと」については、「端末やシステムの設定(28.8%)」が最も多く、次いで「契約手続きや書類準備(19.1%)」「導入費用(端末・手数料)(18.7%)」という結果でした。

導入時に大変だったのは技術的・事務的な手間が中心であることが明らかになっています。特に設定や契約書類の準備、そして最適な決済手段を選ぶ難しさが指摘されており、「わかりやすいサポート」や「選定支援」のニーズが高いことがうかがえます。

導入後の効果については次のような結果が示されています。

「導入後に改善されたことやよかったこと」については、「会計がスムーズになった(47.7%)」が最も多く、次いで「顧客満足度が上がった(30.8%)」「会計業務の効率化(レジ締めや現金管理等)(22.5%)」という結果でした。

キャッシュレス決済導入の最も大きな効果として実感されているのは「会計のスムーズさ」であることが明らかになっています。会計フローが簡略化されることで待ち時間が減り、業務効率の向上だけでなく顧客体験の改善にもつながっていると考えられます。

「顧客満足度の向上」や「業務効率化」も上位に挙げられており、導入のメリットは作業負担の軽減にとどまらず、店舗と顧客双方にプラスの効果をもたらしていることが示されています。

まとめ:キャッシュレス決済を広げるには? 手数料・導入支援・成功事例が鍵に

今回のStorePro社の調査から、多くの店舗経営者・店舗責任者がキャッシュレス決済の導入に慎重な姿勢を示す主な理由は「手数料負担」への強い懸念であることが明らかになりました。

キャッシュレス決済を導入しない理由として最も多く挙げられたのは「手数料がもったいない」という回答で、導入に踏み切れない大きな要因となっています。一方で、既に導入している店舗は「顧客からの要望」「売上アップへの期待」「現金管理の負担軽減」といった要素が導入のきっかけとなっており、環境が整えば前向きに検討する店舗が多いと考えられます。

現金会計については多くの店舗が「特に負担を感じない」と回答している一方で、「釣り銭不足」「売上金額の不一致」「レジ締め後の残業」といった具体的な業務ストレスが存在することも明らかになっています。さらに、会計業務を担う人材の割合が1割以下に集中している点から、現金管理の負担が特定のスタッフに集中している状況がうかがえます。

こうした実態に対し、「導入手数料無料」や「設定サポート」「補助制度」といった具体的な支援があれば、導入のハードルは大きく下がる可能性があります。実際に導入済みの店舗では「会計のスムーズ化」「顧客満足度の向上」「売上の増加」「従業員の負担軽減」といった明確な成果が得られており、これらは導入の価値を示す重要な指標となっています。

今後は、手数料負担の軽減だけでなく、導入プロセスの支援や成功事例の共有によって、キャッシュレス化のハードルを下げる取り組みが求められるでしょう。

出典元:Textrade プレスリリース

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