
フルファネルでダイレクトマーケティングを行う株式会社ピアラが、電話を使った自動音声通販サービス「テレAI」を展開するテレ株式会社と事業提携を締結したことが発表されました。この提携により、電話一本で注文できるボイスコマースの利便性と、オンライン・オフラインを横断したフルファネルマーケティングを組み合わせることで、クライアントの商品・サービスの成長促進およびEC売上の最大化を目指すとのことです。

この記事の目次
提携の背景
近年、EC市場は急速に拡大を続けていますが、フォーム入力や会員登録の煩雑さから購買を断念する「離脱ユーザー」の存在が大きな課題となっています。また、購買チャネルの多様化に伴い、消費者はより高い利便性と質の高い体験価値の両立を求めるようになってきています。
株式会社ピアラは、これまでSNSリーチ保証によるブランディングと売上波及効果の可視化を強みとして、多くのクライアントの成長を支援してきました。今回の提携では、テレ株式会社が提供する「テレAI」の「声による注文体験」を取り入れることで、従来アプローチできなかった層にも購買機会を提供し、より幅広い顧客層の獲得を可能にすることを目指しているとのことです。
EC市場の現状と課題
経済産業省の調査によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は年々拡大を続けており、特にコロナ禍以降は非接触型の購買方法としてさらに加速しています。しかし、EC市場の成長に伴い、さまざまな課題も明らかになってきました。
その一つが、デジタルデバイスの操作に不慣れな高齢者層や、複雑な入力プロセスに煩わしさを感じるユーザーの存在です。EC事業者はユーザビリティの向上に努めていますが、会員登録やクレジットカード情報の入力、配送先の指定など、購入完了までに多くのステップが必要とされることが多く、これが購買の障壁となっています。
また、消費者の購買行動も変化しており、単にオンラインで商品を購入するだけでなく、その過程で得られる体験や感情的価値を重視する傾向が強まっています。このような市場環境の中で、新たな購買体験を提供するテレAIと、マーケティングのプロフェッショナルであるピアラの提携は、EC業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めているといえます。
テレAIとは - 電話一本で完結する注文体験
テレ株式会社が提供する「テレAI」は、電話を使った自動音声通販サービスです。ユーザーは電話をかけるだけで、AIによる音声ガイダンスに従って商品の注文ができるという、シンプルながら革新的なサービスとなっています。
従来のECサイトでは、商品の検索、カートへの追加、会員登録やログイン、支払い情報の入力、配送先の指定など、多くのステップを踏む必要がありました。一方テレAIでは、電話という誰もが使い慣れたインターフェースを活用し、音声でのやり取りだけで注文が完結します。
特に注目すべき点は、単に利便性を高めるだけでなく、商品に関連したキャラクターの声や芸能人の声を活用することで、購買体験そのものをエンターテイメント化している点です。これにより、商品の機能的価値だけでなく、購入プロセスそのものに感情的な価値を付加することができるとされています。
協業による提供価値
1. ピアラの強み × テレAIの音声体験
株式会社ピアラが展開している「Retail Spark」などのフルファネルマーケティングは、認知拡大から購買、リピート、ファン化までを一気通貫で支援することを特徴としています。これに電話一本で注文が完結する「テレAI」を組み合わせることにより、クライアントの商品はより幅広い生活者に届けられるようになり、オンライン・オフラインの境界を越えた成長が期待できるとのことです。
2. 「声」がつくるエンタメ型購買体験
テレAIのサービスでは、俳優やタレント、声優やVTuberなど様々な「声」を活用することが可能となっています。商品の購買行為そのものを一つの"体験"として演出することで、従来のECサービスには見られなかった感情的な価値を提供することができます。ピアラが長年培ってきたエンタメ性の高いプロモーションノウハウとも高い親和性があり、新たな顧客接点の創出につながることが期待されています。
3. EC業界の新たな可能性
従来のECビジネスは「WEB広告 → WEB注文」というフローに依存しており、フォーム入力の煩雑さやクレジットカード登録への不安、会員登録の難しさなどから「注文できない人」が一定数存在していました。
テレAIは、電話一本で簡単に注文できる仕組みを提供することで、こうした購買における障壁を取り除くことができます。これにより、WEBサイトでは途中で離脱していたユーザーにも購入機会を広げ、コンバージョン率(CVR)の改善や顧客獲得単価(CPA)の低減につながることが期待されています。
フルファネルマーケティングとの相乗効果
株式会社ピアラが展開するフルファネルマーケティングは、消費者の購買行動を「認知」「興味・関心」「検討」「購入」「リピート・推奨」という一連のプロセス(ファネル)として捉え、各段階に最適なアプローチを行うマーケティング手法です。
SNSや広告を活用した認知拡大から、実際の購買行動、さらにはリピート購入やファン化までを一貫して支援することで、クライアントのビジネス成長を総合的にサポートしています。今回の提携により、テレAIという新たな購買チャネルが加わることで、特に「購入」段階でのハードルを下げ、コンバージョン率の向上が期待できます。
また、テレAIを通じて集められる音声データや購買データは、マーケティング戦略の精緻化にも貢献するとされています。消費者の生の声や反応をデータとして蓄積・分析することで、商品開発やプロモーション戦略にフィードバックすることが可能になるとのことです。
想定されるユースケースと効果
この提携によって実現可能となるユースケースはさまざまあります。例えば、テレビCMやラジオ広告で商品を紹介した直後に、「今すぐ電話で注文」を促すことで、認知から購買までのリードタイムを大幅に短縮することができます。
また、高齢者向け商品や、デジタルデバイスの操作に不慣れなユーザー層をターゲットとした商品では、電話という馴染みのあるインターフェースを活用することで、新たな顧客層の開拓が可能になります。
エンターテイメント要素を重視したブランドでは、人気声優やタレントの声を活用することで、ファンを直接的に購買に結びつけるための新たなタッチポイントとして活用できるでしょう。
これらの取り組みにより、オンラインとオフラインの境界を越えた、シームレスな顧客体験の提供が可能となります。特に「デジタルデバイドの解消」や「エンゲージメントの向上」という点で、大きな効果が期待されているようです。
今後の展望
両社は今後、購買データとマーケティングデータを融合させることで、AIによるパーソナライズ接客や新サービス開発を視野に入れていると発表しています。将来的には「声×AI×フルファネルマーケティング」による、より自然でシームレスな購買体験を提供し、EC市場における新たなスタンダードの確立を目指していくとのことです。
音声認識技術やAI技術の進化に伴い、音声ショッピングの可能性はさらに広がっています。例えば、過去の購買履歴を分析した上でのパーソナライズされた商品推奨や、顧客の嗜好に合わせた音声キャラクターの自動選択など、より高度なサービス展開も考えられます。
また、スマートスピーカーやスマートホームデバイスとの連携により、家庭内からのシームレスな注文体験を実現することも技術的には可能です。ピアラとテレの提携は、こうした音声ショッピングの未来を切り開く重要な一歩となる可能性があります。
テレ株式会社 会社概要
商号 :テレ株式会社
代表者 :代表取締役 平野 晃弘
所在地 :〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-20-2 アライアンスビル渋谷壱番館
設立 :2021年4月26日
資本金 :1億5100万円(資本準備金含む)
株式会社ピアラ 会社概要
商号 :株式会社ピアラ
代表者 :代表取締役社長 飛鳥 貴雄
所在地 :〒150-6013 東京都渋谷区恵比寿4-20-3恵比寿ガーデンプレイスタワー 13階
設立 :2004年3月
事業内容 :1.ECマーケティングテック事業 2.広告マーケティング事業
資本金 :50百万円(2025年6月末)
証券コード:東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:7044)
出典元:株式会社ピアラ プレスリリース