
東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム「Shopee」の日本法人であるショッピージャパン株式会社が、越境ECで月商100万円を突破した経験のある担当者111名を対象とした実態調査を実施しました。調査では、成功までの期間や売上貢献度の高い国・地域、外部サポートの活用実態などが明らかになっています。
同社の調査によると、越境ECで月商100万円の壁を突破するまでの期間は「6ヶ月~1年未満」が最も多く32.4%、売上貢献度が高かった販売国は「シンガポール」が31.5%でトップとなりました。また、94.6%が外部サポートサービスを活用していることも判明しています。
この記事の目次
3割以上が「6ヶ月~1年未満」で月商100万円の壁を突破
調査では「あなたが越境ECで月商100万円の壁を突破するまでに、始めてからどの程度の期間がかかりましたか」という質問に対し、「6ヶ月~1年未満」が32.4%で最多となりました。次いで「3ヶ月~6ヶ月未満」が24.3%、「1年~2年未満」が21.6%という結果になっています。

主な回答は以下のとおりです。
・3ヶ月~6ヶ月未満:24.3%
・6ヶ月~1年未満:32.4%
・1年~2年未満:21.6%
・2年~3年未満:9.0%
・3ヶ月未満:7.2%
・3年以上:5.4%
売上貢献度が高かった販売国・地域、第1位は「シンガポール」
「越境ECで月商100万円の壁を突破する際に、最も売上貢献度が高かった販売国・地域を教えてください」という質問には、「シンガポール」が31.5%でトップ、次いで「マレーシア」が26.1%、「フィリピン」が18.0%という結果となりました。

主な回答は以下のとおりです。
・シンガポール:31.5%
・マレーシア:26.1%
・フィリピン:18.0%
・ベトナム:11.7%
・タイ:7.2%
・その他:2.7%
・わからない/答えられない:2.7%
月商100万円の壁を突破する前の課題、約6割が「現地の競合や市場動向の情報収集」
「あなたが越境ECで月商100万円の壁を突破する前に、課題に感じていたことを教えてください」という質問(複数回答)では、「現地の競合や市場動向の情報収集ができていなかった」が59.5%で最多となりました。次いで「商品の魅力を現地顧客に伝える方法がわからなかった」が47.7%、「広告やマーケティングのノウハウが不足していた」が43.2%という結果でした。

主な回答は以下のとおりです。
・現地の競合や市場動向の情報収集ができていなかった:59.5%
・商品の魅力を現地顧客に伝える方法がわからなかった:47.7%
・広告やマーケティングのノウハウが不足していた:43.2%
・越境ECプラットフォームの機能やシステムを使いこなせていなかった:41.4%
・どの施策を打っても効果が薄く次の打ち手がわからなかった:36.9%
・現地の文化や商習慣を理解できていなかった:27.9%
・物流や配送の最適化方法がわからなかった:22.5%
・相談できる専門家や仲間がいなかった:15.3%
月商100万円突破のために実施した施策、Web広告や現地イベント参加が上位に
「月商100万円の壁を突破するために、実施した施策を教えてください」という質問(複数回答)では、「Web広告」が63.1%、「現地イベントの参加・主催」が50.5%、「SEO対策」が47.7%という結果になりました。

主な回答は以下のとおりです。
・Web広告:63.1%
・現地イベントの参加・主催:50.5%
・SEO対策:47.7%
・SNSマーケティング:45.9%
・ECモールへの出店:44.1%
・ECモール上でのプラットフォーム広告:32.4%
・メールマーケティング:17.1%
最も貢献した施策は「SNSマーケティング」が最多
上記の施策のうち「最も月商100万円の壁を突破するために貢献した施策は何ですか」という質問では、「SNSマーケティング」が26.1%でトップ、「Web広告」が24.3%、「現地イベントの参加・主催」が17.1%という結果になりました。

主な回答は以下のとおりです。
・SNSマーケティング:26.1%
・Web広告:24.3%
・現地イベントの参加・主催:17.1%
・ECモールへの出店:11.7%
・SEO対策:10.8%
・ECモール上でのプラットフォーム広告:4.5%
・メールマーケティング:2.7%
成功のための工夫は「価格の最適化」がトップ
「あなたが、月商100万円の壁を突破するために工夫したことを教えてください」という質問(複数回答)では、「現地市場に合わせて価格を最適化した」が64.0%で最多となりました。次いで「購入後レビューを促進し口コミの獲得を増やした」が51.4%、「商品ページの翻訳精度と画像を全面リニューアルした」が47.7%という結果でした。

主な回答は以下のとおりです。
・現地市場に合わせて価格を最適化した:64.0%
・購入後レビューを促進し口コミの獲得を増やした:51.4%
・商品ページの翻訳精度と画像を全面リニューアルした:47.7%
・商品数とバリエーションを大幅に増やした:39.6%
・季節イベントや現地の大型セールに合わせて販促企画を実施した:39.6%
・英語や現地語のカスタマー対応体制を整備した:31.5%
・検索順位を上げるためタグ設定やキーワード最適化を行った:28.8%
・複数マーケットへ同時出店して販売チャネルを拡大した:15.3%
自由回答では「関係構築」や「現地ニーズの把握」が重要視
「Q6で回答した以外に、月商100万円の壁を突破するために工夫したことがあれば、自由に教えてください」という自由回答では、「色んな仕事をして関係を作る」や「その地域にあった商品や施策を考えた」などの回答が寄せられました。
自由回答(一部抜粋)
- 徹底的な市場調査をおこない年代別のターゲットを絞り込んだこと。
- 広告活動。
- 節約を行うこと。
- 色んな仕事をして関係を作る。
- 現地の人の口コミを参考にする。
- とにかく現地に赴き色んな人と接触しました。
- その地域にあった商品や施策を考えた。
94.6%が外部サポートサービスを活用
「あなたは、越境ECで月商100万円を突破する過程で、外部のサポートサービスを活用しましたか」という質問では、「積極的に活用した」が36.0%、「必要に応じて活用した」が58.6%と、合計94.6%が何らかの形で外部サポートを活用していることが明らかになりました。

主な回答は以下のとおりです。
・積極的に活用した:36.0%
・必要に応じて活用した:58.6%
・ほとんど活用しなかった:0.9%
・全く活用しなかった:3.6%
・わからない/答えられない:0.9%
活用した外部サポートの内容
外部サポートを活用したと回答した方に「どのようなサポートサービスを活用しましたか」と質問したところ、「商品ページ翻訳やローカライズ支援」が69.5%でトップ、「セラー向けセミナーやオンライン講座」と「SNS広告運用やインフルエンサー活用支援」がともに51.4%で続きました。

主な回答は以下のとおりです。
・商品ページ翻訳やローカライズ支援:69.5%
・セラー向けセミナーやオンライン講座:51.4%
・SNS広告運用やインフルエンサー活用支援:51.4%
・配送サービス:40.0%
・多言語カスタマーサービスのアウトソーシング:37.1%
・ECプラットフォーム構築や運営代行:24.8%
・フラッシュセールやライブコマースなどのキャンペーンの招待:19.0%
外部サポートの効果に98.0%が肯定的
外部サポートを活用した方に「外部のサポートサービスの活用が、月商100万円の壁の突破にどの程度影響があったと思いますか」と質問したところ、「かなり影響があったと思う」が38.1%、「やや影響があったと思う」が59.9%と、合計98.0%が外部サポートの効果を肯定的に評価しています。

主な回答は以下のとおりです。
・かなり影響があったと思う:38.1%
・やや影響があったと思う:59.9%
・あまり影響はなかったと思う:1.0%
・全く影響がなかったと思う:1.0%
調査概要
- 調査名称:越境ECの月商100万円の壁に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年8月19日〜同年8月20日
- 有効回答:越境ECで月商100万円を突破した経験のある越境EC担当者111名
まとめ
今回の調査では、越境ECにおける月商100万円の壁突破の実態が明らかになりました。約6割の成功者が1年以内に壁を突破しており、売上貢献度が高い国としてシンガポールやマレーシアが上位に挙がっています。
成功に向けた施策としては、Web広告やSNSマーケティング、現地イベントへの参加などが効果的であり、「現地市場に合わせた価格最適化」や「レビュー促進による口コミ獲得」といった工夫も重要な役割を果たしていることがわかりました。
特に注目すべきは、成功企業の94.6%が外部のサポートサービスを活用し、その98.0%が効果を実感していることです。「商品ページ翻訳やローカライズ支援」「セラー向けセミナー」「SNS広告運用支援」などの外部リソースを適切に活用することが、越境ECの成功の鍵と言えるでしょう。
ショッピージャパン株式会社によると、Shopeeは東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォームであり、企業のデジタル化とオンラインプレゼンスの強化、多くの人々のデジタルサービスへのアクセス、更には現地社会の活性化を支援することで、多方面と繋がるデジタルエコシステムを実現しているとのことです。
出典元: ショッピージャパン株式会社 プレスリリース