
株式会社明治の出資を受け、同社のマーケティングDX推進を担う株式会社Wellnize(本社:東京都渋谷区、代表取締役:木下寛大)は、本格運用を開始してから7カ月目となる2025年7月に10万人を突破した「明治会員ID」において、広告効果の向上やCPA(顧客獲得単価)の改善などの具体的事例を同社公式noteにて公開しました。
「明治会員ID」とは、明治の商品・サービスを横断して利用できる共通IDプラットフォームとして、2025年1月から本格的に始動したサービスです。会員登録することで、共通IDを使って公式アプリや会員限定サービス、そして独自の「明治ポイント」を利用することができます。
このプラットフォームは、ブランドを横断して顧客接点を統合し、ユーザー体験を再設計することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指すマーケティングDXの中核基盤として機能しているとのことです。
この記事の目次
明治会員IDを軸にブランドを横に繋ぐ「明治エコシステム」の構築
明治は乳幼児からシニアまで幅広いブランドを展開していますが、これまでは顧客接点がブランドごとに分断されており、継続的な関係構築が難しい状況だったとされています。この課題に対応するため、Wellnizeでは「明治会員ID」を中心に、ポイント・CRM・デジタルサービス・商品群が多層的に連携する仕組みを提案・構築したとのことです。この取り組みにより、ユーザーとの接点を統合・拡張するデジタル・マーケティング基盤が形成され、ブランドを超えた継続的な関係構築によって、明治全体の顧客体験の再定義が進められています。


明治エコシステムは、中心に「明治会員ID」という、すべてのサービスで利用可能な顧客IDの統合基盤を配置し、マーケティング活用のためのデータを集約しています。その外側には、明治ポイントやクーポン交換、CRMや販売機能など、1to1マーケティングを実現するためのデジタルマーケティング基盤が位置しています。さらにその外側にはデジタルサービス群が展開され、最も外側に商品が配置されるという構造になっているということです。
明治会員IDによるマーケティングDXの成果事例
会員数の急速な増加に加え、各種デジタルサービスやキャンペーンとの連携により、ユーザーにとって価値ある体験が生まれていると同社は説明しています。単なる登録基盤としてだけでなく、ユーザーの行動データを起点としたサービス設計や、ブランド間の連携によって、ユーザーとの関係性が継続的に深まる仕組みへと進化しているとのことです。会員の属性傾向として女性が57%、30代が25%を占めており、セルフケア・ライフスタイル改善を支援するサービス群との親和性が見られ、接点設計の狙いに沿った動きが確認されているようです。

広告効果・CPA改善
新規会員向けの「インナーガーデン」紹介メールでは、Web広告と比較して獲得コストを約7割削減するなど、データ活用による成果が着実に現れていることが報告されています。
クロスユースの進展
複数サービスをまたいで利用する「クロスユース」も拡大傾向にあり、ブランド間の相互利用が進んでいるとのことです。具体的には以下のような事例が見られるとされています。
- ザバスアプリ利用者の12%が免疫チェックを併用
- 免疫チェック利用者の12%がインナーガーデンを併用
これらの事例は単発の施策に留まらず、ユーザーの行動履歴や反応を蓄積・活用することで、継続的な関係構築を可能にしていると同社は説明しています。接点の統合が「線」となり、ブランドを越えた価値提供へとつながる「面」の広がりが、明治のDXマーケティング全体の精度と成果を高めているとのことです。
アプリDLキャンペーン効果
キャンペーン利用者のうち、42%が2つ以上のキャンペーンに参加しており、複数ブランド間での利用が進んでいることが明らかになっています。2024年に話題となった「きのこの山」イヤホンキャンペーンや純金アポロキャンペーンでは、短期間で多数の新規会員の申込があったと報告されています。各商品ブランドと連携しながら、継続的な接点を生み出す全社的な取り組みへと拡大しているとのことです。
株式会社 明治 価値創造戦略本部 コミュニケーション部 デジタルソリューションG長 川端善也氏コメント
明治には、ライフステージや健康課題、消費シーンに合わせた幅広いブランドがあります。しかし、それらはこれまでそれぞれ独立した「点」の存在となっていたのが現状でした。明治会員IDを共通の基盤に据えることで、これらを人生を通じた「線」として、さらには横断的に展開し、「面」として拡張する仕組みが「明治エコシステム」です。会員数10万人を超えたことは大きなインパクトであり、規模が大きくなったことで、ブランド間でのつながり、横のつながりが実際に生まれ始め、新たなサービスや商品の利用へと繋がってきています。今後も明治の様々なブランドと連携し、全社的な取組みとして推進していく予定です。
今後の展望
今後の展開としては、会員基盤を軸に、データ起点のサービス設計とブランド連携を強化しながら、クロスユースの促進とユーザー接点の拡張を通じて、明治のマーケティングDXにおける提供価値を高めていくとしています。


出典元:株式会社Wellnize プレスリリース