SIG ServiceとTOYOROBO、倉庫管理システムの統合ソフトウェア共同開発に向け業務提携契約を締結

SIG Service株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役:張 章)とTOYOROBO株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:新井 守)が、倉庫管理システム(WMS)、倉庫制御システム(WCS)、倉庫実行システム(WES)を統合したソフトウェア(製品名は正式名称確定後に発表予定)の共同開発に向けて、2025年8月14日付で業務提携契約を締結したことを発表しました。両社はこの提携を通じて、マルチベンダー環境における中立的な統合基盤の構築を目指し、物流現場で「すぐ動く・無理なく広げられる」ソフトウェア体験の提供を実現していくとのことです。

提携の背景

近年、ECの市場拡大や多品種少量生産の増加により、物流現場では在庫管理・搬送・実行という各システムが分断されやすい状況が生じています。こうした分断は導入プロセスや運用の複雑化を引き起こす要因となっているようです。SIG ServiceとTOYOROBOは、実機連携と業務要件を両立させる設計思想に基づき、物流現場での以下の課題解決を目指しているとのことです。

  • システム立上げ期間の大幅短縮
  • 需要ピーク時の波動への俊敏な対応
  • 既存設備資産の効率的な活用

これらを実現する統合基盤の開発が、今回の業務提携の主目的となっています。

統合ソフトウェアの意義と将来展望

今回両社が共同開発を進める統合ソフトウェアは、これまで別々に運用されてきた倉庫管理システム(WMS)、倉庫制御システム(WCS)、倉庫実行システム(WES)を一つのプラットフォームに統合することで、物流現場における複数システム間の連携の複雑さを解消することを目的としています。

物流業界では、ECの拡大による取扱商品の多様化や、季節変動・キャンペーンなどによる需要の波動性への対応が大きな課題となっています。また、複数のベンダーが提供する異なるシステムを連携させるためのインテグレーション作業は、時間とコストの両面で大きな負担となっていました。

両社の統合ソフトウェアは、こうした課題に対応するため、以下のような特長を備える見込みです。

  • マルチベンダー環境に対応した中立的な統合基盤
  • 導入期間の大幅短縮によるスピーディーな立ち上げ
  • 需要変動に応じた柔軟なシステムスケーリング
  • 既存の物流設備・システム資産の効率的な活用
  • 段階的な導入が可能な拡張性の高い設計

これらの特長により、物流現場における業務効率の向上だけでなく、コスト削減や環境変化への迅速な対応が可能になると期待されています。また、物流業務のデジタル変革を進める企業にとって、統合ソフトウェアの導入はDX推進の重要な一歩となるでしょう。

業界への影響と市場の反応

物流業界のシステム統合は長年の課題でしたが、SIG ServiceとTOYOROBOの今回の提携は、この分野における新たなアプローチとして注目を集めています。特に、SIG Serviceの越境EC・倉庫自動化システムの開発実績と、TOYOROBOのロボティクス/マテハン分野での知見が組み合わさることで、単なるシステム統合を超えた価値提供が期待されています。

また、両社の提携は、物流業界において進行中のデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れを加速させる可能性があります。特に中小規模の物流事業者や、急速に物流網を拡大するEC事業者にとって、導入・運用の複雑性が低減された統合ソフトウェアは大きな魅力となるでしょう。

市場アナリストからは、このような統合型ソリューションの需要は今後さらに高まるという見方が示されており、両社の先行的な取り組みは競争優位性を確立する可能性があると評価されています。

開発スケジュール(予定)

両社が発表した開発スケジュールは以下の通りです。なお、これらは現時点での計画であり、今後変更となる可能性があります。

  • 2026年第1四半期(Q1):クローズドβ版の提供開始
  • 2026年下期:一般提供(GA)開始

両社代表のコメント

SIG Service株式会社 代表取締役 張 章氏

「当社のWMS領域における業務設計力と豊富な連携実績を基盤として、データ整流・マスタ統制・外部システム接続をワンストップで提供していきます。TOYOROBOの実装力と組み合わせることで、短期間での立ち上げとスケーラブルな運用の両立を実現し、クライアント企業の成長計画に合わせた段階的な導入を可能にします。」とコメントしています。

TOYOROBO株式会社 代表取締役社長 新井 守氏

「物流現場の多くの課題は"個別最適の積み上げ"に起因しています。私たちは標準化された統合基盤を提供することで、複数拠点・複数ベンダーの展開を計画通りに進められる体制を構築します。SIG Serviceとの連携により、要件定義から導入・運用までを一気通貫で支援し、ビジネスのスピードに合った意思決定をサポートしていきます。」と述べています。

両社の会社概要

SIG Service株式会社

会社名:SIG Service株式会社
所在地:東京都千代田区神田須田町2-7-1 BIZCORE神田須田町2F
代表者:代表取締役 張 章
設立:2013年12月
資本金:1,000万円
事業内容:越境ECと倉庫自動化システムを主力事業とする社内チームによる自社開発・運営。複数拠点・複数ベンダーへの展開も考慮した標準化基盤を整備し、企画から導入・運用まで一気通貫で対応。

TOYOROBO株式会社

会社名:TOYOROBO株式会社
所在地:東京都江東区青海2-7-4 the SOHO 6F
代表者:代表取締役社長 新井 守
設立:2024年10月
資本金:1,000万円
事業内容:物流・製造・清掃向けロボティクス/マテハンの導入・運用支援、統合ソフトウェア(WMS/WCS/WES)の開発・提供

今後の展開

両社は2026年第1四半期のクローズドβ版提供開始に向けて、製品開発を加速させています。クローズドβ版では、限定されたパートナー企業との協業を通じて製品の改善・最適化を図り、2026年下期の一般提供開始までに完成度の高いソリューションを構築する計画です。

また、今後は製品開発と並行して、システムインテグレーターやコンサルティング企業とのパートナーシップ構築も進め、エコシステムの拡大を図っていくと見られています。これにより、統合ソフトウェアの導入・運用における支援体制を強化し、より多くの企業が導入しやすい環境を整える狙いがあるようです。

物流現場のデジタル化が進む中、SIG ServiceとTOYOROBOの共同開発による統合ソフトウェアが、業界標準となる可能性にも注目が集まっています。

出典元:SIG Service株式会社 プレスリリース

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