
インタラクティブ動画技術「Tig(ティグ)」を提供するパロニム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:小林道生)が、急速に拡大するEC市場における「デジタル接客空白」の実態を明らかにした調査結果をまとめた「EC市場20兆円時代の相談格差レポート」を公開したことが分かりました。このレポートでは、オンライン化によって失われた購入前のコミュニケーション機会について、消費者とEC事業者の両面から詳細に分析されています。
この記事の目次
「20兆円EC市場」に潜む接客体験の空洞化問題
経済産業省の最新統計によれば、国内BtoC-EC市場規模は20兆6,950億円と過去最高を記録し、EC化率も9.13%まで上昇しています。この飛躍的な成長は、デジタル化の進展と消費者行動の変化を如実に表しています。しかし、この成長の裏側で見過ごされてきた課題が、オンライン環境特有の「購入前コミュニケーション不足」という根本的な問題です。
実店舗では当たり前に行われている「店員との相談」や試着室での確認作業が、デジタル空間では十分に提供されていません。消費者は「見えない商品」「触れない質感」「聞けない疑問」という状況下で購買判断を強いられ、結果として「接客体験の空洞化現象」が生じているのです。
パロニム株式会社はこの構造的課題を定量的に把握し、解決策を示すことを目的として、消費者側(需要サイド)と事業者側(供給サイド)双方を対象とした実態調査を実施。その結果を「EC市場20兆円時代の相談格差レポート」としてまとめています。
「EC市場20兆円時代の相談格差レポート」の概要
このレポートは、消費者と事業者それぞれの視点から「相談格差」の実態を4章構成で詳細に分析しています。第1章では、消費者が直面している"質問できない不便さ"とその背景にある購買環境の変化を定量データに基づいて解説しています。続く第2章では、事業者側が認識しているインタラクティブ技術の有効性とその導入を妨げている障壁について詳しく掘り下げられています。
第3章では、動画を通じたコミュニケーションの回復という観点から、問題解決の糸口となる次世代ソリューションの可能性が提示されています。最終章となる第4章では、EC市場の今後の展望とサステナブルな購買体験のあり方について考察が行われています。
第1章 相談格差の深刻化:20兆円市場に潜む構造的課題
1-1 消費者が実感する「質問できない不便さ」の実態
1-2 相談機能への強い期待感
第2章 事業者が直面する認識と実装のギャップ
2-1 高い効果認識と導入意欲
2-2 導入を阻む現実的な障壁
第3章「相談格差」を解消する次世代ソリューション
3-1 テクノロジーによる「人間らしさ」の復活
3-2 事業者の三大懸念への技術的回答
3-3 競合差別化と顧客接点拡大の実現
第4章 EC市場の未来と次世代接客の必要性
4-1 継続成長する市場と変化する消費者期待
4-2 持続可能な消費社会の構築
4-3 相談格差解消の経済的インパクト
インタラクティブ動画技術「Tig(ティグ)」について

映像の中には、人物や場所、衣装やBGMなど、私たちが知りたい情報が数多く詰まっています。パロニム社が開発した「Tig」は、リアルタイムのライブ配信や長編動画、ショート動画などを通じて、ユーザーが気になる商品や情報にタッチするだけで直感的に情報を取得し、迷うことなく購入や次のアクションへとつなげられるインタラクティブ映像ソリューションです。
この技術により、映像を単なる視聴コンテンツから、インタラクティブな情報取得・購買体験へと変革することが可能になります。
EC市場における「相談格差」は、消費者にとっては購買判断の難しさ、事業者にとっては販売機会の損失という二重の問題を引き起こしています。パロニム社は、インタラクティブ動画技術「Tig」を通じて、この課題の解決に取り組んでいます。動画内の商品や情報に直接触れることができる仕組みによって、言葉や文字だけでは伝えきれない情報を直感的に伝え、オンラインでも豊かな購買前体験を可能にする道筋を提案しています。
今回の調査レポートは、そうした技術革新の必要性を裏付ける貴重なデータとして、EC事業に携わる多くの企業や研究者にとって参考になる内容となっています。
調査の詳細について
今回のレポート作成にあたっては、消費者側と事業者側の双方を対象とした詳細な調査が実施されました。
※2|消費者の購入前コミュニケーションに関する実態調査
・調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®」の企画によるインターネット調査
・調査期間:2025年6月25日~同年6月25日
・有効回答:家具やアパレルなどのカテゴリの商品を、AmazonやRakutenなどのプラットフォーマーを除いたオンラインショッピングで月1回以上購入する20代~50代の男女110名
※3|インタラクティブ動画の効果に関する実態調査
・調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®」の企画によるインターネット調査
・調査期間:2025年6月23日~同年6月24日
・有効回答:ECサイトのマーケティング業務・運営業務に携わっている責任者・担当者 110名
パロニム株式会社について
現代社会では情報収集の多くが映像を通じて行われるようになり、動画内の情報をより詳しく知りたいというニーズが高まっています。動画内の情報を簡単に調べられるようになることは、検索リテラシーや言語の壁を解消することにつながります。
パロニム株式会社は、Tigシリーズの技術開発とサービス提供を通して、「誰でも簡単、かつ平等に動画から情報にアクセスできる世界の実現」を目指しています。言葉に頼らない、より直感的で便利な未来の視聴体験を追求し続けているとのことです。
現在のEC市場が直面している「相談格差」の問題は、単なる利便性の問題ではなく、情報アクセスの公平性という社会的課題でもあります。同社は、テクノロジーを通じてこうした課題の解決に取り組み、より多くの人にとって使いやすく、満足度の高いオンラインショッピング体験の実現を目指しています。
今回の「EC市場20兆円時代の相談格差レポート」の公開は、そうした取り組みの一環として位置づけられています。レポートを通じて明らかになった課題とその解決の方向性は、EC事業者だけでなく、デジタルマーケティングやUX設計に携わる多くの専門家にとっても示唆に富む内容となっています。
会社概要
会社名:パロニム株式会社
所在地:東京都中央区築地7-2-1 6階 WEST
設立日:2016年11月
代表者:代表取締役 小林 道生
事業内容:Tig 動画やLIVE配信にTag付けができるSaaS型編集ソフトの開発と提供
資本金:368,312,558円(資本準備金含む)
パロニム社が提供するインタラクティブ動画技術「Tig」は、EC市場における「相談格差」の解消に向けた有効なソリューションとして注目されています。消費者が動画内の商品に直接触れて情報を得られる仕組みは、オンラインショッピングにおける不安や迷いを軽減し、より満足度の高い購買体験につながると期待されています。
今後も同社は、テクノロジーの力で「見えない」「触れない」「聞けない」というオンラインショッピングの制約を解消し、デジタル時代の新しい購買体験の創造に取り組んでいくとしています。
出典元:パロニム株式会社 プレスリリース