
ECサイト構築/通販システム構築・支援を主要事業として展開する株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役社長 森久尚)は、EC・通信販売事業関与者を対象とした「通販事業者のAI導入実態」調査の2025年版結果を公表しました。この調査では、通販業界におけるAI導入の現状や関心領域について詳細な分析が行われています。
この記事の目次
通信販売に関する25回目の定期調査
エルテックスは2000年頃から、ECサイト/通販システムの開発・構築に積極的に取り組んでおり、市場動向を把握するため、今回で25回目となる独自調査「通信販売事業関与者の実態調査2025」を実施しました。この調査は、同社の中核顧客である通販企業の実態を正確に把握し、通販ビジネスの強化や通販サービスの質向上に向けた製品・ソリューションサービスの改善につなげることを目的としています。
今回の調査は、2023年に実施された「通販事業者関与者のAI導入実態」の2年後の定点観測として位置づけられており、AI技術の普及状況の変化を時系列で捉えることができる貴重なデータとなっています。
通信販売事業関与者の実態調査2025の主要調査結果
1)通販事業へのAI導入は12.7%まで増加
調査では「通販事業全般(EC:エレクトロニック・コマースを含む)で、あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」について、もっともあてはまるものをひとつだけお選びください」という質問が設定されました。
回答の分析によると、2025年7月時点での通販事業へのAI導入率は12.7%となり、2023年7月時点の数値から4.0ポイント増加していることが判明しました。この結果は、AI技術が様々な業務領域で急速に広がりつつあるものの、通販事業への導入については当初の予想ほどは進展していない状況を示しています。
「AIを導入済み」と「AI導入が決まっている」を合わせた割合は、2025年と2023年でともに32.7%と変化がありませんでした。一方で、「AI導入を検討・情報収集中」という回答は2023年と比較して8.5ポイント増加しており、「特に何もしていない」「関心がない・導入予定がない」といった消極的な回答は減少しています。これらの変化から、通販事業者のAIに対する関心が著しく高まっていることがうかがえます。

2)「効果がありそう、興味のあるAI」に関する評価の変化
調査では「あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください」という複数回答形式の質問も実施されました。
この質問に対する回答傾向を分析すると、2025年の回答率が2023年と比較して全項目で低下していることが特徴的です。特に「コールセンターでの業務サポート」に関する項目で減少が顕著でした。
2025年の調査では、「ECストアでのサイト内検索」が49.3ポイントでトップとなり、次いで「ECストアでのチャットボットや接客ツール」と「通販・ECマーケティング分析」が同スコア(47.2ポイント)で2位となっています。一方、「メルマガの自動生成」や「集客施策の企画・構成・コンテンツの作成」などの項目は比較的低いスコアにとどまりました。
複数回答方式であるため、回答者は複数の項目を選択することが可能でしたが、2025年の調査では全体的に選択数が少なかったことが明らかになりました。これは特定の用途に対する関心が集中している可能性を示唆しています。

3)単一回答では「効果がありそう・興味のある」AIはECフロントに回答が集中
調査では「あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください。そのなかで一番だと思うものをひとつだけお選びください」という単一回答形式の質問も設けられました。
この質問に対する回答では、「ECストアでのサイト内検索」が最も高いスコアを獲得し、「ECストアでのチャットボットや接客ツール」が2位となりました。2023年の調査で2位だった「通販・ECマーケティング分析」は今回のスコアが大幅に下落(9.2ポイント減少)しています。一方、3位になった「ECストアでのリコメンドエンジン」は2023年と比較して大幅に増加(9.1ポイント増)しました。
これらの結果から、通販事業者はECサイトのフロントエンド(顧客接点)におけるAI活用に最も高い関心を持っていることが明らかになりました。特に検索機能、チャットボット、リコメンド機能など、直接的に顧客体験を向上させる領域でのAI活用に注目が集まっています。

調査の概要
今回の調査は以下の要領で実施されました。
調査エリア:全国
調査対象者:楽天インサイト保有の調査パネル(ビジネスパネル)を使用
年商規模1億円以上(1~10億円未満:75社、10~50億円未満:172社、50億円以上:53社)の通販事業に携わる以下の職種の方々(会社役員、社員、派遣社員、個人事業主)
1.マーケティング・広告・宣伝部門
2.業務部門(受注、決済、配送、その他の業務)
3.情報システム部門
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
調査期間:2025年6月30日~7月2日
回収サンプル数:300(調査対象者の内訳:マーケティング部門100名、業務部門100名、情報システム部門100名)
調査主体:株式会社エルテックス
調査実施機関:楽天インサイト株式会社
株式会社エルテックスについて
株式会社エルテックスは、ECサイト構築や通販システム構築・支援を主要事業とする企業です。同社の概要は以下の通りです。
会社概要
商号:株式会社エルテックス(ELTEX, Inc.)
本社:横浜市保土ヶ谷区神戸町134番地 横浜ビジネスパーク イーストタワー 14階
設立:1985年(昭和60年)12月14日
資本金:1億円
代表者:代表取締役社長 森久尚
事業年度:7月1日〜6月30日
売上高:35億円
従業員数:146名(うち技術職108名)
資格保有数:高度情報処理技術者97名、公認会計士1名、中小企業診断士1名
認証・認定
エルテックスは以下の認証・認定を取得しています。
・ISO9001(QMS)JQA-QMA14486 (財)日本品質保証機構
・ISO/IEC 27001(ISMS)JQA-IM0924 (財)日本品質保証機構
・ISO/IEC 27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)JQA-IC0033 (財)日本品質保証機構
※対象サービス【eltexCloud(Iaas及びマネージドサービス)】
・JIS Q 15001(Pマーク)10821894 (財)日本情報経済社会推進協会
・電気通信事業者 A-23-11961 総務省
・健康経営優良法人2024(大規模法人部門)日本健康会議
・横浜健康経営認証「クラスAAA」横浜市
・横浜市SDGs認証制度 Y-SDGs【上位】「Superior(スーペリア)」横浜市
・かながわSDGsパートナー(第7期)神奈川県
エルテックスの事業内容
エルテックスでは、以下のような事業を展開しています。
EC/通販システム構築・支援事業
・EC/通販統合システム構築サービス(eltexDC)
・ECサイト構築サービス(eltexDC)
・ECサイト分析・プロモーションサービス(eltexCX)
・EC/ICT関連サイト分析・改善サービス(eltexUXD)
データセンター事業
・インフラトータルソリューション(eltexITS)
・IBM Cloudのフルマネージドサービス(日本IBMの公式パートナー)
メール配信事業
・ショートメッセージ配信サービス(eltexSMS)
・メール配信サービス(eltexCX)
商品情報管理システム事業
・AI搭載クラウド型商品情報管理サービス(HANABI Data)
運用支援事業
・コールセンターサービス
・コンテンツマネージメントサービス
まとめ
今回の調査結果からは、通販事業者におけるAI導入への関心が高まりつつある一方で、実際の導入にはまだ慎重な姿勢が見られることが分かりました。特にECサイトのフロントエンド領域での活用に大きな期待が寄せられており、今後の技術発展とともに導入率の上昇が予想されます。エルテックスは、こうした市場の動向を踏まえながら、顧客ニーズに合わせたEC/通販システムの開発・提供を継続していくとのことです。
出典元:株式会社エルテックス プレスリリース