小売店の7割が災害対応に不安 - スーパーデリバリーの防災対策実態調査が明らかにした店舗の課題

株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井 岳)が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、防災の日に合わせて全国の小売店舗を対象とした防災対策に関するアンケート調査を実施したことが発表されました。調査結果によると、防災用品の備蓄は進んでいるものの、避難訓練の実施やマニュアル整備は2~3割に留まっており、7割の店舗が災害時の対応に「不安を感じている」と回答していることが明らかになりました。

調査の概要

「スーパーデリバリー」は、国内メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。アパレルや雑貨を中心に、家具、生活家電、食品など幅広いジャンルの商品が約199万点掲載されています。

近年、地震や豪雨など自然災害が頻発しており、家庭や職場での備えが重要視されています。しかし実際には、買い物中や飲食中、美容施術中など、消費者が店舗を訪れているタイミングで災害に遭遇する可能性もあります。このような背景から、同社では地域に根差した小規模店舗に焦点を当てた実態調査を行ったとのことです。

調査結果のポイント

1. 防災対策の見直し:「過去1年以内に見直した」店舗は42%に留まっています。
2. 防災用品の備蓄:「懐中電灯(77%)」「感染症予防用品(73%)」「飲料水(63%)」が上位を占めています。
3. 避難訓練とマニュアル整備:避難訓練を実施していない店舗は77%、災害時対応マニュアルが未整備の店舗は71%と大半を占めています。
4. 情報収集手段:スマホの緊急速報が92%と最も高く、地域の防災無線、テレビ、ラジオが4割台となっています。
5. 不安感:「非常に不安」23%、「やや不安」48%と7割以上が不安を抱える結果となっています。具体的な不安は多い順に「避難誘導」「建物・施設リスク」「商品・備蓄リスク」と続いています。

結果詳細

防災対策の見直しや追加に関する設問では、4割の店舗が1年以内に実施していると回答しています。一方で6割の店舗は実施していないのが現状です。

最も多く常備されているのは「懐中電灯/ランタン」で、8割近くの店舗が置いていると回答しています。次いで、マスクやアルコール消毒類の「感染症予防・衛生用品」も7割が常備、「飲料水(ペットボトル、保存水など)」「応急処置用品(包帯、絆創膏、常備薬など)」「食料品(乾パン、レトルト食品など)」も半数以上が備蓄しています。その他の回答としては、「電池」や「ヘルメット(防災ずきん)」も挙げられ、中には「店舗の商品で間に合う」といった小売店舗ならではの回答も見受けられました。

備蓄されている防災用品は、停電や断水といった短期的な災害を想定したものが中心となっています。一方で、発電機や簡易トイレといった長期的なインフラ寸断に備える用品は十分に整備されておらず、店舗の防災対策が「数日の継続対応」を想定できていない実態が浮かび上がっています。

店舗の8割近くが避難訓練は実施していないと回答しています。定期的・不定期で実施している店舗は合計23%と少数派の結果となりました。

災害対策マニュアルの有無に関する設問では、「ない」との回答が7割程度、その内訳としては、「作成予定はない・わからない」が58%、「作成予定がある」が13%という結果でした。一方で「ある」と回答した店舗では、17%が「スタッフ全員が内容を把握している」、12%が「店長など一部のスタッフのみ把握している」と回答が分かれています。

スマートフォンの緊急速報はその特性上、9割を超える店舗で確認していることが明らかになりました。地域の防災無線や、テレビやラジオといった従来のメディアに関しては4割~5割の店舗が情報収集に利用していると回答しています。その他には、「商店街の他店舗から」という回答も見られました。

今回の調査結果からは、店舗が単一の情報源に依存せず、複数の手段を組み合わせて情報を得ている傾向が浮き彫りになっています。テレビやラジオといった全国的かつ受動的なメディアで全体の状況を把握しつつ、地域防災無線、SNS、家族や知人からの連絡といった地域的で能動的な手段を補完的に活用している実態が見えてきます。

営業中に被災した場合について「非常に不安(23%)」「やや不安(48%)」と、店舗の7割が不安を示す結果となりました。

不安に思うことについて自由記述で聞いた設問では、最も多かったのが「避難・誘導」に関する懸念で、災害発生時にお客様や従業員を安全に誘導できるか不安を抱える声が目立ちました。次いで多かったのは「施設・建物リスク」で、建物の倒壊や浸水、出口の混雑といった物理的リスクへの懸念が示されました。また「商品・備蓄リスク」も挙げられ、棚からの落下や備蓄品の取り出しにくさが指摘されています。その他、「従業員体制」や「ペット対応」といった個別課題も見られました。

総括

本調査から、小売店舗の防災対策は備蓄の準備が進んでいる一方で、避難訓練や災害マニュアルといった実践的な対応は不十分な実態が明らかになりました。特に小規模店舗の多くは、停電や断水など短期的な災害を想定した備えが中心となり、比較的規模の大きな災害や長期的な対策は未整備であることがわかりました。店舗の防災対策は、地域の防災力を高めるためにも、より一層の改善が必要であると考えられます。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年8月19日~2025年8月25日
調査対象:スーパーデリバリー会員事業者(全国の小売店 48店舗, 従業員数10人以下)

スーパーデリバリーについて

メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。商品掲載数は約199万点。メーカーにとっては、地域を超えた46万店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては3,200社を超える出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能です。またコストや手間、リスク等を解消し効率的な取引を実現します。第1回日本サービス大賞にて地方創生大臣賞を受賞しています。(数字は全て2025年4月末時点)

株式会社ラクーンコマース 会社概要

代表者:代表取締役社長 和久井 岳様
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:2018年11月
資本金:300,000千円
株主:株式会社ラクーンホールディングス100%

出典元: 株式会社ラクーンコマース プレスリリース

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