
「ITによりビジネスをより簡単に」をミッションに掲げる株式会社コマースロボティクスが、統合物流管理システム「ロジグラム(Logi Gram)」をプレオープンしたことを発表しました。正式リリースは10月を予定しているとのことです。このシステムは、年間6,000万件以上の出荷を行うエアロジWMSの上位版サービスとして位置づけられています。
統合物流管理システム「ロジグラム(Logi Gram)」は、WES(倉庫実行システム)を標準搭載しており、深刻化する物流現場の人手不足に対応するため、物流ロボットの導入・活用を低コストかつスムーズに実現することが可能です。さらに、ERPや基幹システムとのシームレスな連携機能を備え、加速するERPのクラウド化ニーズにも対応しているとのことです。
この記事の目次
DC(配送センター)/EC(ネット通販)対応
このシステムは、DC(配送センター)/EC(ネット通販)それぞれに最適化した画面・機能に切り替えることができ、B2B/B2C両ビジネスに柔軟に対応するとのことです。加えて、売上規模が数千億円規模に達する大企業の業務にも耐えうる、本格的なエンタープライズ向けクラウドWMSとして設計されています。
また、顧客の業務要件に応じたカスタマイズにも柔軟に対応可能とのことです。すでに大手物流会社および大手流通会社の基幹システムとして採用が決定しており、現在は納品に向けた準備が進められているそうです。
ERP2025の崖年問題への対応
国内では「2025年の崖」と呼ばれる課題に直面しており、既存の基幹システムからクラウドERPへの移行が急速に進展しています。しかし、クラウドERPと容易に連携でき、かつDC(配送センター)/EC(ネット通販)双方に対応し、さらに柔軟なカスタマイズが可能なエンタープライズ向けクラウドWMSは、依然として多くないのが現状です。
「ロジグラム(Logi Gram)」は、この課題を解決するとしています。クラウドERPとのシームレスなデータ連携機能を備え、物流現場に即した柔軟な運用と拡張性を両立しています。2025年問題を見据えた次世代の基盤として、企業のデジタルシフトを力強くサポートするとのことです。
分かりやすいステータス管理のUIを提供
「ロジグラム(Logi Gram)」はマニュアルレスでの利用を目標にUI設計を実施しており、初めて利用するユーザーでも直感的に操作できるユーザー体験を提供するとしています。
倉庫業務がバッチ処理や伝票発行作業などをスケジュールに基づき全自動で実行するため、事務作業のほとんどが不要になるとのことです。

WESがロボットとの連携を最適化
「ロジグラム」は、WMSから最適化されたデータをWESへ、さらにWESからWCSへ最適化されたデータを提供する仕組みにより、システム全体で効率的な倉庫運営を実現しているそうです。WESは、Geek+、HAI ROBOTICS、オムニソーターと標準連携しており、カスタマイズなしですぐに利用開始できる点も大きな特徴だとしています。ロボットバッチ機能は、ロボピック、人的ピックに作業指示を最適化して割り振るとのことです。
WES標準機能
WESでは、ロボットと人間の協働を容易にする機能を標準で提供しているとのことです。
・ロボットバッチ(WCS、人的ピックを最適化するバッチ処理)
・オリコン管理(利用/空オリコン管理とオーダー情報の紐づけ管理)
・ヒューマントータルピック(ロボでピックできない商品の人的TPシステム)
・トータルピック似合わせシステム(ロボ/人的トータルピックに似合わせ検品アプリ)
・検品、後出し印刷システム(オリコンバーコード検品で、各種帳票をオンデマンド印刷)

無駄な機能を省いたWESのUI画面
WESは、クラウド型システムで複数のロボット、マテハン機器とのデータ連携機能に加え、ロボットバッチ機能、出荷管理、入荷管理、オリコン管理機能を有しているとのことです。
新たなロボット連携を容易にするため、API、SFTP連携をノーコードで作成できる機能を提供しているそうです。

3PLの物流ロボット利用
物流業界では、3PL事業者がロボットを導入する際に、「1荷主ごと」ではなく「複数荷主で共有して利用したい」という強いニーズがあります。しかし、従来のWMSは荷主単位での管理が前提となっているため、多額のシステム開発費が発生するのが大きな課題でした。
「ロジグラム(Logi Gram)」は、この問題を根本から解決するとしています。WMSで統合したデータをWESとシームレスに送受信できる仕組みにより、3PL事業者でも複数荷主でのロボット利用を容易に実現することが可能とのことです。
さらに、ロボット導入時の最大の障壁となるのが、帳票システムとの連携です。ロジグラムは、オリコン管理機能およびPMS(印刷管理サブシステム)を標準提供し、帳票出力や運用を効率化しています。これにより、ロボット導入の真のボトルネックを解消することに成功したとのことです。
代表者コメント
同社によると、物流業界は今後、労働人口不足が一層深刻化することが予想され、その有効な対策として物流ロボットの活用が不可欠であることは明らかだとしています。すでに世界中で多くのロボット企業が誕生し、国内においても数々の成功事例が発表されているとのことです。
しかし、ロボットというハードウェアを真に活用するためには、それを支える高度なソフトウェアが欠かせないと指摘しています。ところが、クラウド上で一貫したソリューションを提供している事例は、依然として限られているそうです。
コマースロボティクスは、こうした課題に対応するため、ERPからWMS、WES、WCSまでを一気通貫で連携し、最適化されたデータをスムーズに受け渡すことができるクラウドサービスを開発したとのことです。これにより、ロボット導入の経験がない企業でも、同社のシステムを導入するだけで物流ロボットの活用が可能になるとしています。
プロフィール
代表取締役 伊藤彰弘
ロジスティクス経営士
横浜国立大学工学部を卒業後、トヨタ自動車にて生産技術を担当。その後、大手商社などでの経験を経て、株式会社コマースロボティクスを創業したとのことです。
これまでの製造業・商社での知見を活かし、特に日本の中小企業における業務効率化・競争力強化を使命として掲げ、AIエージェントを活用した中小企業向けERPの開発に情熱を注いでいるそうです。
株式会社コマースロボティクス会社概要
同社は、EC(電子商取引)から物流(Logistics)、そしてSCM(サプライチェーン・マネジメント)へとSaaSサービスの領域を拡大し、これまで数多くの顧客の生産性向上に貢献してきたとのことです。今後は、さらなる進化を目指し、複数のAIサービスを順次リリース予定とのことです。クラウドとAIを掛け合わせることで、従来の枠を超えたSCM領域の改革に挑戦し、企業の競争力強化を支援していくとしています。
商号 : 株式会社コマースロボティクス
代表者 : 代表取締役 伊藤 彰弘
所在地 :
【本社】東京都港区新橋5-10-5 PMO新橋Ⅱ 4階
【柏の葉オフィス】千葉県柏市若柴226番地44 KOIL TERRACE 301号室
【名古屋オフィス】愛知県名古屋市昭和区鶴舞1丁目2−32 STATION Ai 5階-W07
設立 : 2013年7月
事業内容 : SaaS事業、Global事業、AI事業、ERP事業
用語の説明
WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)
倉庫内の在庫・入出庫・ロケーション・作業進捗などを管理するシステムです。商品の入庫から保管、ピッキング、出庫までの在庫精度向上と作業効率化を実現します。
OMS(Order Management System:受注管理システム)
ECや小売で発生する注文情報を一元的に管理するシステムです。複数モールやECサイトからの注文を統合し、在庫引当・出荷指示・返品対応などを効率化します。WMSや基幹システムとの連携により、スムーズな受注処理を可能にします。
WES(Warehouse Execution System:倉庫実行システム)
倉庫内での作業指示を最適化するシステムです。WMSから受け取ったデータをもとに、ロボットやマテハン機器への指示をリアルタイムで制御します。作業の順序・バッチ処理・搬送効率を調整し、人とロボットの協働を最適化する役割を担います。
出典元: 株式会社コマースロボティクス プレスリリース