20代の会計スタイル調査:セルフ会計支持38%、効率性と簡便さ重視の傾向明らかに

近年、消費者の買い物体験において、会計方法は大きく多様化しています。従来の有人レジだけでなく、セルフ会計やスマホ決済など新たな選択肢が急速に普及し、消費者の会計体験は劇的に変化しています。特に新しいテクノロジーに親和性の高い20代は、こうした変化にどのように向き合い、どのような会計方法を好んでいるのでしょうか。

このような現状を背景に、ビジネスマッチングサイト『エミーオ』(株式会社eclore)が20代の男女100名を対象に実施した調査から、若年層の会計スタイルと意識に関する興味深い結果が明らかになりました。調査では「最も好む会計方法」「その選択理由」「新しい会計方式導入時の対応」という3つの観点から、20代の会計に対する意識と行動傾向を詳細に分析されています。

企業が新たな会計システムの導入やサービス改善を検討する際、こうした20代消費者の価値観や行動特性を理解することは、競争力強化につながる重要な戦略ポイントとなるでしょう。

調査結果1:コンビニ・スーパーでの会計方法として、最も好むものはどれですか?

  • 最も多かったのは「特にこだわらない」と答えた人で、48.0%(48人)を占めました。この結果からは、多くの20代が会計方法そのものにこだわるよりも、状況や店舗環境に応じて柔軟に使い分ける実用的な姿勢を持っていることがわかります。
  • 次いで多かったのは「セルフ会計(自分で端末や機械を操作して精算する方式)」で38.0%(38人)となりました。この結果から、スピード感や自分のペースで進められる点が若年層に支持されていると考えられます。
  • 一方で「有人レジ会計(レジスタッフが対応する方式)」を選んだ人は14.0%(14人)にとどまりました。この数字は、買い物体験において人とのコミュニケーションを重視する層が一定数存在するものの、全体としては少数派であることを示しています。

調査結果2:好みの会計方法を選ぶ理由は何ですか?(対象:Q1でセルフ会計/有人レジ会計の選択者のみ、複数回答可・注1)

(注1) 本設問は複数選択式ですが、選択肢は2つまでに制限されています。これにより、会計方法を選ぶ理由をより明確に把握できるようにしています。
  • 最も多かったのは「待ち時間が短い」で46.2%(24人)を占めました。この結果は、日常の買い物において効率性が強く重視されており、会計方法を選ぶ際の最優先基準となっていることを示しています。
  • 次いで「支払いが簡単・スムーズ」が42.3%(22人)という結果になりました。頻繁に利用する日常的な場面だからこそ、操作性や手軽さが高く評価されていると考えられます。
  • また「スタッフとのやり取りが少なくて気楽」21.2%(11人)や「ポイント・クーポンが使いやすい」17.3%(9人)といった回答も一定数見られました。これらの結果からは、利便性に加えて"心理的な負担を減らす"要素も選択理由として重要視されていることがわかります。
  • 一方で「スタッフとのやり取りがあって安心」7.7%(4人)や「会計の正確さ」9.6%(5人)は比較的少数にとどまりました。この傾向から、会計時の安心感よりもスピードや簡便さを優先する利用者が多いことが明らかになっています。

調査結果3:新しい会計方式(例:スマホでの事前精算や完全レジレス)が導入された場合、あなたはどうしますか?

  • 最も多かったのは「慣れた方法を変えない」と答えた人で、37.0%(37人)を占めました。この結果からは、新しい仕組みが導入されても、安心感や使い慣れた方法を優先する姿勢が根強いことが見て取れます。
  • 次いで「周囲が使い始めたら試す」が29.0%(29人)となりました。この回答層は、他者の行動を参考にして判断する"様子見派"と言え、社会的な普及度に影響を受ける傾向が明らかになっています。
  • 「導入直後から試す」と答えた人は21.0%(21人)でした。この結果は、新しいサービスや技術に積極的に触れようとする、いわゆるアーリーアダプター層が一定数存在していることを示しています。
  • 一方で「店員に案内されたら使う」とした人は13.0%(13人)にとどまりました。この層は自発的な利用意欲は低いものの、店舗側からの適切なサポートがあれば新しい方式を受け入れる可能性があることを示唆しています。

まとめ:「早さ」と「使いやすさ」を求める20代の会計スタイル

  • 今回の調査から、20代の会計行動には効率性を重視しながらも、状況に応じて柔軟に対応する実用的な姿勢が表れています。彼らは便利さやスピードを強く求める一方で、新しい仕組みに対しては慎重に様子を見ながら取り入れる傾向も見られ、技術革新と安定性のバランスを重視する世代特有の判断基準が感じられます。
  • また、日常的な買い物という身近な場面だからこそ、ストレスを最小限に抑えつつ自分に合った方法を選択したいという意識が強く働いていることも明らかになりました。これは利便性と快適性を両立させたい若年層の価値観を反映していると言えるでしょう。
  • こうした特徴は、企業が会計サービスを設計する際に重要な示唆を与えています。単にスピードや利便性を高めるだけでなく、安心して利用できる工夫や自然に利用を促す仕掛けを用意することが効果的です。20代の消費者心理に寄り添った仕組みづくりが、今後の顧客体験向上や利用定着につながる鍵となるでしょう。

監修者:杉本 貴之(Takayuki Sugimoto)

株式会社ecloreにて年間120社超のSEOコンサルを担当。SEO分野で培った分析力と多数の企業との豊富なコミュニケーション経験を活かし、消費者の購買行動や市場動向を深く理解しています。

一次情報に基づくコンテンツの監修を通じ、信頼性が高く質の優れた情報発信を積極的に行っています。

【保有資格】SEO検定1級、Googleアナリティクス認定資格

調査概要

調査日:2025年8月13日

調査対象地域:全国

調査機関:Freeasy

調査方法:オンラインアンケート調査

調査対象・人数:20~29歳の男女100人

出典元:ビジネスマッチングサイト『エミーオ』(株式会社eclore)プレスリリース

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