
LINEヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ショッピング」は、2025年上半期(1月~6月)における安全・安心への取り組みと実績をまとめた「安全・安心への取り組みレポート」を公開しました。同レポートでは、出店審査状況ややらせレビュー対策、不正決済対策などの実績と今後の取り組みについて詳細に報告されています。
「Yahoo!ショッピング」では、出店ストアや広告主、パートナー企業、そしてユーザーにとって「どこよりも安全・安心な売り場」を実現するため、様々な取り組みが実施されています。今回公開されたレポートでは、出店前後の審査体制や、市場全体の課題となっているやらせレビューや不正決済などへの対策と実績、さらに2025年上半期から新たに導入された対策などが紹介されています。
2025年上半期の取り組みと実績
信頼できるストアの厳選
「Yahoo!ショッピング」では、ユーザーが安心して利用できる売り場を提供するため、一部のブランドにおいて直営店や正規代理店の商品に「ブランド公式商品アイコン」を表示する取り組みや、発送や顧客対応などにおいて一定の条件を満たすストアを「優良ストア」として認定する制度が導入されるなど、売り場の品質向上に努められています。
2024年には、在庫証明審査の実施や携帯電話・フリーメールアドレスを利用した申し込みの禁止など、ストアの出店審査がより厳格化されました。この結果、2025年上半期における出店審査の合格率は、2024年上半期の11.2%から7ポイント減少し、わずか4.2%となりました。この厳格な審査によって、不正が疑われるストアの出店が効果的に抑制されているとのことです。

不適切なストアや商品の排除
「Yahoo!ショッピング」では、出店審査の厳格化だけでなく、出店後の途上審査も強化されており、その結果として悪質なストアは減少傾向にあるといいます。特筆すべきは、2025年4月からAIを活用した違反商品のパトロールが開始されたことです。AI導入により、従来の手法と比較して違反検知率が3倍以上に向上し、違反商品の減少に大きく貢献しているとのことです。
また、2025年上半期には、政府備蓄米やNintendo Switch 2など、注目度や需要の高さから取引環境の混乱が懸念される商品に対して個別の対応が実施されました。これにより、ユーザーが安心して商品を購入できる環境の維持に努められています。

商材の取り扱い審査においては、2025年上半期から偽造品が増加傾向にある「浄水カートリッジ」が新たに審査対象商材に追加され、不正な販売行為の抑制に取り組まれています。
ブランド品への対応も引き続き強化されており、ブランド未審査ストアの商品削除数は、前年同期比で50.0%増の3,438件となりました。また、2025年上半期における1権利者あたりの平均申告件数(※1)は10.9件と、前年から下げ止まりの状態が続いています。これは、2024年に実施された出店審査の厳格化や途上審査の強化、個人事業主への出品数制限などの対策が効果を発揮していることの表れといえます。
※1:削除依頼の対象権利を限定し、権利侵害が明らかな類型である場合のみ利用可能

不正行為の防止
「Yahoo!ショッピング」では、やらせレビューを中心とする不正なレビューへの対応が強化されています。2025年上半期には、1,123ストアを対象に452,701件の不正とみられるストアレビューを削除する措置が講じられました。さらに、2025年2月からは、ストアのやらせレビュー削除をシステムによって自動化し、リアルタイムでの対応を可能にしたとのことです。これにより、不正レビューに対するより迅速かつ効果的な対策が実現されています。

年々増加しているクレジットカードの不正利用被害(※2)に対しても、「Yahoo!ショッピング」は積極的に対策を講じています。2024年4月以降、自社開発の不正検知システムの判定精度が改善された結果、被害の抑制に成功しているそうです。2025年上半期における不正決済の被害金額は、2024年上半期と比較して41.2%減少しました。これは、継続的なシステム改善の成果を示すものといえます。
※2:出典:「クレジットカード不正利用被害の発生状況」:2024年6月、(一社)日本クレジット協会
今後の取り組み
「Yahoo!ショッピング」は、2027年までに取引トラブル0を目指す意欲的な目標を掲げています。すでにその成果は表れており、2025年上半期の取引トラブル率は2024年上半期と比較して74.6%も減少しているとのことです。売り場の安全性は着実に改善傾向にあり、全体件数に占める取引トラブルの割合は極めて少ないものの、同社は「取引トラブル0」に向けた取り組みを今後も継続的に実施していく方針だと発表しています。
今後は、既に実施されている「不正決済対策」「優良配送不正対策」についても、さらなる強化が予定されています。また、信頼できる売り場づくりのため、「優良ストア」アイコンの不正獲得やランキングの不正操作を防止するための対応も強化していく計画とのことです。

LINEヤフーは、『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』をミッションに掲げています。同社が提供する「Yahoo!ショッピング」は、今後もユーザーやストアの皆様にとって安全で、安心して利用いただけるモールを目指し、継続的な改善と取り組みを進めていくとしています。
これらの取り組みにより、「Yahoo!ショッピング」は単なるECプラットフォームを超え、利用者全員が安心して取引できる信頼性の高い市場を構築することを目指しています。出店審査の厳格化、AI技術の活用、不正対策の強化など、多角的なアプローチによって、安全・安心なオンラインショッピング環境の実現に取り組まれています。
「Yahoo!ショッピング」の安全・安心への取り組みは、ECサイトの健全な発展と、消費者保護の観点からも重要な意義を持っています。今回公開されたレポートは、その取り組みの透明性を高め、ユーザーや出店者との信頼関係を強化する重要なステップといえるでしょう。
今後も、テクノロジーの進化や市場環境の変化に応じて、より効果的な対策が講じられることが期待されます。「Yahoo!ショッピング」が掲げる「取引トラブル0」という目標の達成に向けて、継続的な改善と新たな取り組みが行われることで、ECサイトの安全性と信頼性がさらに向上していくことでしょう。
出典元:LINEヤフー株式会社 プレスリリース