【調査結果】生成AI経由の流入はCVRが高い傾向に - PLAN-Bの「LLM流入と自然検索流入の相関調査」が明らかにしたAI時代のコンテンツ戦略

SEOを中心にデジタルマーケティング領域の支援を行う株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ(本社:東京都品川区、代表取締役:鳥居本 真徳)は、生成AIの普及が進む現在において、どのようなコンテンツがユーザーの新たな接点となり、成果(コンバージョン)につながっているかを明らかにするため、「LLM流入と自然検索流入の相関調査」を実施したことを発表しました。

調査背景

ChatGPTをはじめとする生成AIの普及により、ユーザーの検索行動には大きな変化が生じており、企業のWebマーケティング戦略にも影響を与えています。

従来の検索エンジン経由の流入に加え、生成AI経由の流入がユーザーとの新たな接点となっていますが、検索エンジンを経由した「自然検索流入」と、ChatGPTなどの生成AI(大規模言語モデル=LLM)を経由する「LLM流入」の間にどのような相関関係があるのか、また、どのようなコンテンツが生成AIからの流入やコンバージョンにつながるのかについては、まだ十分に解明されていません。特に、ページ単位での具体的な傾向分析は現状では限られています。

この調査では、1,200本を超えるコンテンツを持つマーケティングメディア「PINTO!」を含むPLAN-Bドメイン全体のページを対象に、「LLM流入」と「自然検索流入」の関係性を詳細に分析しています。また、ディレクトリやページ種別ごとの分類を行い、SEO/LLMOで重視される「専門性」や「独自性」の高いコンテンツが生成AIにどう評価され、流入につながっているかという傾向も明らかにされています。

調査概要

LLM流入と自然検索流入の相関関係調査 2025

調査期間:非公開

調査対象:PLAN-Bドメイン

調査方法:GA4を用いて、特定期間におけるページごとのLLM経由セッションと自然検索経由セッションを抽出し、相関関係を調査。

調査結果

自然検索とLLM流入は正の相関、CVRはLLM流入が優位

ChatGPTなどの生成AIを経由した「LLM流入」と、従来の検索エンジンを通じた「自然検索流入」について、PLAN-Bのウェブサイトにおけるページ単位のアクセスデータを分析した結果、両者には正の相関関係があることが判明しました。これは、検索エンジンからのアクセス数が多いページほど、生成AI経由のアクセス数も多くなる傾向があるということを示しています。

また、サイト全体のセッション数では、LLM流入の割合は1.00%と少数ではあるものの、コンバージョン率(CVR)については自然検索流入が0.45%であるのに対し、LLM流入は1.24%と、LLM経由の方が明らかに高い結果となったことが報告されています。

この結果から、生成AIがユーザーの意図や文脈に適合した情報を的確に提供できていることによって、コンバージョンにつながりやすい質の高い流入が生まれている可能性が考えられます。

「ニュース・お知らせ」や「コンテンツ・メディア」でLLM経由の成果が高水準に

「ニュース・お知らせ」カテゴリに属するページにおいて、自然検索と比較して、LLM経由のセッション数およびキーイベント(※)数が相対的に多いという顕著な傾向が確認されました。

※キーイベント:お問い合わせ、サービス資料ダウンロード、ホワイトペーパーダウンロード

この背景として考えられるのは、企業独自の最新情報やプレスリリースといった一次情報としての「独自性」が生成AIに参照されやすいこと、また他者から引用・参照されやすい「再利用性」を持っていることが要因と推測されています。

さらに、PLAN-Bのオウンドメディア「PINTO!」を指す「コンテンツ・メディア」カテゴリにおいても、LLM流入のセッション比率は自然検索と比例して高まり、LLM経由のキーイベントも多く発生していることが確認されました。

この傾向は、メディア内のコンテンツがユーザーのニーズや文脈に適合した「双方向性」を有しているためであると考えられています。

LLM流入比率が高いページ種別は「業界特化」「事例」「調査」「おすすめ」

ページ種別ごとの分析では、自然検索に対するLLM流入の割合(=LLMセッション比率)が高かったページタイプとして、以下の4種類が上位を占めました。

1. 業界特化(2.74%)

「〇〇業界×SEO」などのテーマで構成された、特定業界に焦点を当てた専門記事

2. 事例(2.69%)

お客様の導入事例や、事例を交えて特定のテーマを解説する記事

3. 調査(2.32%)

独自の調査結果やデータに基づいて解説された記事や、調査プレスリリース

4. おすすめ(1.14%)

「おすすめの代理店」「おすすめのツール」など、文字通りおすすめを紹介する記事

これらのページに共通するのは、専門知見や一次情報に基づく「独自性」、読者の特定のニーズに応える「双方向性」、他メディアからも引用されやすい「再利用性」のいずれか、または複数の要素を備えている点です。

そのため、生成AIによって「信頼性の高い情報源」として評価され、LLM流入を多く生み出す結果につながっていると同社は分析しています。

一方で、「◯◯とは」や「使い方」といった一般的な解説コンテンツは、LLM経由のセッション比率・CVRともに低い傾向が見られました。

これらのコンテンツは、自然検索では流入数が多いものの、今後生成AIがさらに普及していくにつれて、"無意味ではないが、投入したコストに対して得られるリターンが徐々に小さくなる可能性が高いコンテンツ"になっていくと予想されています。

総括

今回の調査結果から、生成AI(LLM)経由のサイト流入と自然検索流入には明確な正の相関があり、特にLLM経由の流入はコンバージョン率(CVR)が自然検索より高い傾向にあることが明らかになりました。

ただし、その成果にはコンテンツの種類によって差があることも判明しています。専門的な知見や一次情報を含む「独自性」、読者ニーズに寄り添う「双方向性」、引用・参照されやすい「再利用性」を備えたコンテンツ(例:業界特化記事、事例、調査など)は、特にLLMからの流入とCVRが高まりやすい特徴を示しています。一方で、「使い方」や「解説(〜とは)」などの、一般的かつ上記の要素を取り入れにくい記事は、流入は多くても成果に結びつきにくい傾向が見られました。

今後、生成AIがさらに普及していくことを見据えると、従来のSEO対策に加えて、生成AIに取り上げられることを目的としたコンテンツ設計が重要になってくると同社は指摘しています。自社ならではの一次情報や専門性を活かし、ユーザーとの対話を意識した発信を行うことが、検索エンジンと生成AIの双方から評価され、最終的なビジネス成果へと繋がる鍵となるでしょう。

監修者

株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ

デジタルソリューション事業部 部長

出田 晴之

PLAN-Bに2018年新卒で入社。2023年にSEOコンサルティング事業部部長に就任し、2024年からはデジタルソリューション事業部部長に就任。大手下着メーカー、大手買取会社など、50社以上のSEOコンサルティングやメディア立ち上げを経験。事業戦略などの上位レイヤーからのSEO戦略設計を得意としています。

デジタルマーケティング情報メディア「PINTO!」でSEO分野の専門家コラムを執筆。

出典元: 株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズ プレスリリース

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