
SHOPLIST株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:金 良洙)は、EC事業者が直面する複雑な物流課題を解決するための新サービス「Shoplist Direct」を2026年1月より本格的に展開することを発表しました。同サービスは、複数販売チャネルへの対応、物流コスト最適化、365日体制での柔軟な出荷対応を特徴とする出荷代行サービスとなります。

この記事の目次
EC需要拡大に伴う物流課題への対応
SHOPLIST株式会社は、ファッション通販サイト「Shoplist」の運営を通じて、様々な販売チャネルにおける物流課題に直面してきたとのことです。近年のEC市場の急速な成長に伴い、多くのEC事業者は「深刻な人手不足」「配送料の継続的な高騰」「複数販売チャネル対応による出荷業務の複雑化」など、重大な物流上の課題に直面しています。
特に大きな問題となっているのが、急激な注文増加(物流波動)への対応力不足と、Amazon、楽天市場、自社ECサイトなど複数チャネルの在庫・出荷を効率的に一元管理できないことによる機会損失や業務非効率の発生です。このような業界全体の課題を解決し、EC事業者がコア業務である「販売促進」に集中できる環境を整備するため、同社は「Shoplist Direct」サービスの開発・提供を決定したと発表しています。
EC市場の成長と物流課題の現状
EC市場は近年、新型コロナウイルス感染症の影響もあり急速な成長を遂げています。経済産業省の調査によれば、日本国内のBtoC-EC市場規模は2022年に約13.3兆円に達し、EC化率も着実に上昇を続けています。こうした市場拡大に伴い、物流業界では「ラストワンマイル」と呼ばれる最終配送区間のコスト増や人手不足が深刻化しています。
また、消費者の購買行動の多様化により、EC事業者は自社サイトだけでなくAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど複数のモールに出店するマルチチャネル戦略を取ることが一般的になっています。これにより販路は拡大するものの、各チャネルごとに在庫管理や出荷業務を行う必要があり、オペレーション負荷が増大しています。
さらに、季節商戦やセール期間中には注文が急増する「物流波動」が発生し、通常の体制では対応しきれないケースも多発しています。こうした状況は特に人的・資金的リソースに制約のある中小EC事業者にとって大きな課題となっています。
「Shoplist Direct」は、こうした業界全体の課題に対応するサービスとして開発されました。特に複数チャネルの一元管理と波動対応という2つの課題に焦点を当て、EC事業者の物流負担軽減を目指しています。
「Shoplist Direct」が提供する3つの主要価値
同サービスは、EC事業者が直面する主要な物流課題を解決する3つの強みを中心に構成されています。
1. 複数販売チャネルへの統合出荷対応
複数のECモールや自社サイトなど、多様な販売チャネルからの注文情報に合わせた一元的な出荷対応を実現します。これにより、在庫が複数拠点に分散することによって生じる販売機会の損失を防止することができます。各チャネルごとに在庫を管理する必要がなくなるため、在庫効率が向上します。
2. 効率化による物流コスト削減
ECモール「Shoplist」の運営で蓄積してきた豊富なノウハウとリソースを活用し、倉庫内オペレーションや梱包資材、配送会社の選定などを最適化することで、EC事業者の物流コスト削減を実現します。これまでの経験を生かした効率的な物流システムにより、コスト圧縮と品質維持の両立を図ります。
3. 365日稼働による柔軟な物流波動対応
セールシーズンや季節イベントなどで発生する注文の急増(物流波動)に対して、年中無休の365日体制で柔軟に対応します。これにより、出荷の遅延による顧客満足度低下を防ぎ、安定した配送品質を維持することが可能になります。繁忙期でも均一な配送スピードを維持することで、エンドユーザーの満足度向上にも貢献します。
EC事業者に提供する具体的な価値
「Shoplist Direct」は、EC事業者が直面する2つの主要課題である「販売機会ロスの削減」と「物流コストの圧縮」の解決を目指しています。複雑な出荷業務をアウトソーシングすることで、人件費や固定費の削減に貢献するだけでなく、EC事業者が本来注力すべき商品企画、マーケティング、販売促進活動といったコア業務により多くのリソースを振り向けることが可能になります。
物流業務は多くのEC事業者にとって負担となっており、その効率化や外部委託のニーズは高まっています。同サービスは、そうした業界のニーズに応えるものとして開発されました。複数チャネルの統合管理や柔軟な波動対応といった特徴は、特に中小規模のEC事業者にとって大きな価値を提供するものと期待されています。
SHOPLIST株式会社の企業概要
「Shoplist」は、2012年7月に日本でサービスを開始したファッション通販サイトです。現在では取扱高規模において「ZOZOTOWN」に次ぐ日本国内2〜3位規模のファッションECプラットフォームに成長しています。レディース・メンズ・キッズファッションを中心に、ビューティー製品やライフスタイル雑貨など、多様なカテゴリーの商品をワンストップで提供しており、年間の流通総額は約200億円に達しているとのことです。
同社は1万坪規模の自動化物流センター(SHOPLISTロジスティクスセンター)を自社で保有しており、物流インフラストラクチャーと運用効率の面でも高い競争力を持っています。この物流基盤が、今回発表された「Shoplist Direct」サービスの技術的基盤にもなっています。
今後の展開として同社は、従来の日本国内向けローカル志向から脱却し、K-ビューティーやK-ファッションを中心とした韓国コンテンツカテゴリを積極的に拡充していく方針を示しています。また、株式会社Mediquitousが運営するファッションプラットフォーム「NUGU」との戦略的シナジーを通じて、年間取扱高300億円以上の達成を目指しています。
今回発表された「Shoplist Direct」は、同社が持つ物流ノウハウを外部に提供するサービスとして、EC業界全体の効率化に貢献することが期待されています。複数の販売チャネル対応や年中無休の柔軟な体制など、自社EC運営で培った強みを活かしたサービス設計となっています。

社名 :SHOPLIST株式会社
所在地 :東京都渋谷区恵比寿4丁目3-14 恵比寿SSビル
設立 :2018年3月14日
資本金 :1億2,000万円(2025年3月末)
事業内容:ファッション通販サイト『Shoplist』の企画、開発、運営
サービス提供開始に向けた展望
SHOPLIST株式会社は、2026年1月の本格サービス開始に向けて、現在準備を進めているとのことです。今後は試験運用期間を設け、一部のパートナー企業とともにサービスの検証と改善を行いながら、本格展開に備える予定です。
同社では将来的に、単なる出荷代行にとどまらず、在庫管理や需要予測、返品処理など、EC事業者の物流業務全般をサポートするトータルソリューションへと発展させていく構想も持っています。「Shoplist」運営で培った経験とノウハウを活かし、EC業界全体の物流効率化に貢献することを目指しています。
EC市場の成長が続く中、物流分野におけるイノベーションの重要性はますます高まっています。「Shoplist Direct」のサービス開始は、EC業界の物流課題解決に向けた重要な一歩となりそうです。
出典元:SHOPLIST株式会社 プレスリリース













