
株式会社アンドエスティ(本社:東京都、代表取締役社長 CEO:木村治氏)は、EC事業における不正防止とリスクマネジメントを強化するため、イスラエルに本社を置くRiskified Ltd社のAIを活用した不正検知・防止ソリューションを導入したことを発表しました。この導入により、セキュリティを維持しながら顧客の購入体験を向上させることに成功しているとのことです。
Riskifiedは世界的な大手ファッションブランドや小売企業に採用されているSaaS型リスクインテリジェンス・プラットフォームです。今回の導入は日本国内におけるアダストリアのEC事業強化を支える取り組みであり、進化する日本の決済認証環境への対応も視野に入れたものとなっています。

導入の背景と課題解決
GLOBAL WORK、niko and … LAKOLEなどの人気ブランドを展開するアダストリアグループでは、これまで全てのEC注文に3Dセキュア(本人認証)を適用していたといいます。この方法は不正防止には一定の効果がありましたが、全体的なコンバージョン率の低下や顧客体験の質が落ちるといった課題が生じていました。
今回のRiskified導入により、日本国内で義務化された3Dセキュアの運用「パターン①」の要件に準拠しながらも、アダストリアグループは柔軟に3Dセキュアを運用できる網羅的な不正対策の構築が可能になりました。Riskifiedはアクワイアラ(加盟店契約会社)からの了解取得もサポートし、3Dセキュアを必要な取引に限定することで、セキュリティを担保しながら購入体験の改善を実現しているとのことです。
さらにRiskifiedは、AIによる不正注文のリアルタイム分析だけでなく、ビジネス目標とコンプライアンス要件を両立させるためのコンバージョンのシミュレーションや、不正検知戦略に関するコンサルティングも提供しました。これにより、テクノロジーと戦略の両面からアダストリアグループのEC事業を支援しているということです。
導入効果と関係者のコメント
アダストリアグループのプラットフォーム開発部 シニアマネージャーである本多由美子氏は、導入効果について次のように述べています。
「RiskifiedのAIが裏側で稼働することで、不正の疑いがある注文を自動的にブロックできるようになり、目視による不正チェックやカスタマーサポートの負担が大幅に軽減されました。私自身も3Dセキュアなしの商品購入を試しましたが、体感的に決済完了が非常にスムーズで速くなったと感じています。初期段階で、コンバージョン率の改善も確認できています。」
一方、Riskifiedのアジア太平洋地域ゼネラルマネージャーであるアヴィラム・ガノール氏は次のようにコメントしています。
「アダストリア様によるRiskifiedの導入を心より歓迎いたします。今回の取り組みは、3Dセキュア義務化に対応しながらも、事業成長と顧客体験の質を両立させる好例であり、適切な戦略とツール、そして信頼できる連携によって成果が生まれることを示しています。」
この導入は単なるシステム導入にとどまらず、不正関連の情報共有や規制対応のサポートなど、Riskifiedが提供する包括的な支援の一環となっているそうです。アダストリアグループは、ユナイテッドアローズ、AKOMEYA TOKYO、DMM.comといった企業と並び、Riskifiedのソリューションを活用する日本国内の主要導入企業のひとつとなりました。
今後の展開
Riskifiedは今後も、セキュリティやコンプライアンス、コンバージョン、そして顧客体験の最適なバランスを実現する不正対策ソリューション・プロバイダーとして、日本のEC事業者を力強く支援していく方針だということです。日本市場における決済環境の変化や不正手法の進化に対応しながら、EC事業者の成長を技術面からサポートしていくことが期待されています。
アダストリアグループにとっても、このソリューション導入は自社のEC事業における顧客体験向上とセキュリティ強化の両立という重要な課題を解決する取り組みとなっており、今後のデジタル戦略においても重要な位置づけとなるでしょう。
Riskifiedについて
Riskified(NYSE: RSKD)は、AIを活用した不正検知・リスクインテリジェンスプラットフォームを提供し、加盟店のEC成長を支援しています。世界有数のブランドや上場企業が、決済時の不正検知である主力プロダクトのチャージバック保証、ログイン不正対策とリスク管理、ポリシー濫用の抑止、購入体験の向上を目的に同社のソリューションを活用しています。
Riskifiedは、業界最大規模のリスクアナリスト、データサイエンティスト、研究チームによって運営されており、個々の取引背後にあるアイデンティティに基づくインサイトを提供。リアルタイムでの不正検知判定を可能にしています。同社は、2024年の「CNBC 世界のトップ・フィンテック企業」にも選出されました。
出典元:株式会社アンドエスティ