メルカリ調査:2025年猛暑で「空調服」が人気トップに、冷感ポンチョは前年比65倍の急伸

株式会社メルカリが実施した最新の市場調査によると、「メルカリ」アプリ上の出品・購買データを分析した結果、2025年の記録的な猛暑による「暑さ対策・冷却グッズ」の需要が大幅に増加していることが明らかになりました。特に「空調服」の人気が急上昇し、昨年トップだった「ネッククーラー」を抜いて1位となっています。

※8月8日時点での歴代最高気温。群馬県伊勢崎市では8月5日に41.8℃を記録しています

2025年 5月・7月のカテゴリー別 取引数 伸長率ランキングTOP3

2025年の夏は国内の歴代最高気温を次々と更新する記録的な暑さとなっています。全国各地で40℃を超える地域が続出し、連日の猛暑が続いている状況です。

メルカリが立夏を迎えた5月と、本格的な暑さが始まった7月における商品カテゴリー別の取引数を詳細に分析したところ、取引数の伸長率がもっとも高かったカテゴリーTOP3は以下のようになりました。

1位「プール」
2位「水遊び」
3位「暑さ対策・冷感グッズ」

これは、過去最高気温を更新し続ける記録的な猛暑によって、熱中症対策や暑さ対策のためのアイテムに対する消費者ニーズが急増していることを示しています。

今回のトレンド分析では、日常生活において特に重要性が高まっている「暑さ対策・冷感グッズ」カテゴリーに焦点を絞り、その取引傾向について詳細な調査が行われました。

「暑さ対策・冷感グッズ」の7月取引数は昨年から約10%増、 「空調服」の取引数が1位となり、昨年1位の「ネッククーラー」と逆転

メルカリによる分析では、2024年7月と2025年7月の「暑さ対策・冷却グッズ」カテゴリーの取引数を比較した結果、2025年の取引総数は前年同期比で約10%増加していることが判明しました。

特筆すべき点として、「空調服」の取引数が2024年と比較して約1.7倍に急増し、昨年首位だった「ネッククーラー」を上回って、同カテゴリーにおいて2025年最も取引数の多い商品となっています。この結果は、より効果的かつ持続的な冷却効果を求める消費者のニーズが反映されたものと考えられます。

また、「暑さ対策・冷却グッズ」カテゴリー内での人気ブランドを調査したところ、最も支持を集めているのは日本の作業服メーカーで高性能な空調服を提供している「BURTLE」であることがわかりました。同ブランドの空調服は、機能性とデザイン性の両面で評価され、幅広い年齢層から支持を得ているようです。

※対象期間:2025年7月1日〜7月31日 「暑さ対策、冷感グッズ」カテゴリのうち、取引数上位カテゴリのランキング

今年の猛暑は、従来の暑さ対策グッズの需要パターンにも変化をもたらしています。特に空調服は、ファンによる送風機能と専用バッテリーを組み合わせることで、着用者に継続的な涼しさを提供できる点が大きな魅力となっています。また、近年のモデルは軽量化や長時間稼働など機能面での向上も見られ、屋外作業だけでなく、日常生活や通勤・通学でも使用される機会が増えていると考えられます。

ネッククーラーは昨年まで定番の暑さ対策アイテムとして多くの支持を集めていましたが、今年は空調服の急成長により2位となりました。しかし、そのコンパクトさと手軽さから依然として高い人気を維持しており、取引数自体は減少していないことがデータから読み取れます。

扇風機タイプやアイスパック装着タイプなど、様々なタイプのネッククーラーが市場に出回っていることも、継続的な人気の要因と考えられます。特に、軽量でスタイリッシュなデザインの製品は、若年層から高齢者まで幅広い層に受け入れられています。

「冷感ポンチョ」の取引数は昨年の約65倍に伸長

「暑さ対策・冷却グッズ」カテゴリーの商品の中で、取引の絶対数ではトップ5には入らなかったものの、前年比で最も驚異的な成長を見せたのが「冷感ポンチョ」です。2024年7月と2025年7月の取引数を比較すると、なんと約65倍という爆発的な増加を記録しました。

この急成長の背景には、テレビやSNSなどのメディアでの露出増加があると考えられます。特に夏フェスや野外音楽イベント、スポーツ観戦、部活動など屋外で長時間過ごす場面での活用シーンが増えていることが、人気急上昇の要因となっているようです。

冷感ポンチョは、特殊な冷感素材を使用しており、水で濡らして使用するタイプや、速乾性・UVカット機能を備えたタイプなど多様な製品が展開されています。着脱が容易で持ち運びにも便利なことから、急な暑さ対策や移動中の熱中症予防アイテムとして注目を集めています。

また、デザイン性の向上も人気の一因となっており、単なる機能性アイテムではなく、ファッションアイテムとしても受け入れられるようになってきました。カラーバリエーションの豊富さや、ブランド展開の増加なども消費者の選択肢を広げています。

メルカリでの取引傾向を詳しく分析すると、特に若年層を中心に、デザイン性の高い冷感ポンチョが人気を集めており、音楽フェスなどのイベントシーズンに合わせて取引が増加する傾向も確認されています。また、家族向けの複数セット商品なども人気を集めており、家族単位での暑さ対策の意識の高まりも見て取れます。

さらに、冷感ポンチョはその機能性から、熱中症リスクの高い高齢者や体温調節が難しい子どもにも適しており、幅広い年齢層に受け入れられている点も特徴的です。軽量で場所を取らないため、非常用の暑さ対策グッズとして常備する消費者も増えているようです。

メルカリの取引データによると、新品だけでなく美品の中古品も活発に取引されており、リユース市場としての側面も見られます。特に短期間のイベント用に購入したものを再販するケースや、子どもの成長に合わせてサイズ変更するケースなども多く、サステナブルな消費行動の一端も垣間見えます。

ユーザーの暑さ対策の変化

メルカリの取引データから見える2025年の暑さ対策トレンドは、より効果的で持続的な冷却効果を求める消費者心理を反映していると言えるでしょう。特に記録的な猛暑が続く中、単なる一時的な冷却ではなく、長時間の快適さを提供する製品への需要が高まっています。

空調服の人気上昇は、消費者が暑さ対策により多くの投資をする傾向があることも示唆しています。比較的高価格帯のアイテムであるにもかかわらず取引が増加していることから、効果的な暑さ対策には一定のコストをかける消費者が増えていると考えられます。

また、冷感ポンチョのような新たなタイプの暑さ対策グッズが急速に普及していることは、消費者が常に新しい解決策を求めていることの表れでもあります。従来の扇子や帽子といった伝統的な暑さ対策アイテムから、テクノロジーを活用した製品へとシフトする傾向も見られます。

メルカリの取引データが示すもう一つの興味深い点は、暑さ対策グッズの「シェアリング」とも言える現象です。シーズン限定で使用するアイテムを中古市場で取引する消費者が増えており、これは経済的な側面だけでなく、環境への配慮からも注目される消費行動です。

今後も猛暑が予想される中、暑さ対策・冷却グッズ市場はさらなる拡大が見込まれます。メルカリの取引データは、消費者のニーズの変化をリアルタイムで捉える貴重な指標となっており、製造メーカーやリテーラーにとっても重要な市場動向を示しています。

出典元:株式会社メルカリ プレスリリース

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