FastlyとSTCLab、メガトラフィック時代に対応する戦略的パートナーシップを締結 - エッジクラウドと仮想待合室の統合ソリューション展開へ

グローバルでエッジクラウドプラットフォームをリードするFastly, Inc.の日本法人ファストリー株式会社が、トラフィックおよびリソース管理ソリューションを提供するSTCLab Inc.との戦略的パートナーシップを発表しました。両社は共同で「トラフィックスパイク保護ソリューション」を展開し、メガトラフィック時代における企業の新たな課題解決に取り組むとのことです。

パートナーシップの背景

近年、eコマース、メディア&エンターテインメント、広告、金融などの業界では、限定商品の販売やコンサートチケットの先行発売、新製品ローンチイベントなどを通じて、リーチと売上の最大化を図る企業が増加しています。しかし、こうしたイベントにアクセスが集中することで、Webシステムが応答不能となり、顧客体験が損なわれるケースが増えているようです。

さらに、AIツール、ボット、不正ユーザーによる大量アクセスがサーバーダウンを引き起こし、顧客体験の低下だけでなく、ブランドイメージの毀損など深刻なリスクに直面する企業も少なくないとのことです。

現代の企業Webサイトに求められているのは、単なるアプリケーション処理やイベント実施だけではなく、予測可能な接続フローの確立、公平な参加環境の確保、スムーズな顧客体験の提供、セキュリティリスクの最小化といった総合的な体験設計だと言われています。これらの要素を備えることで、ブランドへの信頼とロイヤルティを強化し、リピート購入や長期的な売上拡大につなげることが可能になるとのことです。

パートナーシップの概要

FastlyとSTCLabは、これらの市場ニーズに応えるため、Fastlyのグローバルエッジ配信ネットワークとSTCLabの仮想待合室(Virtual Waiting Room)ソリューション「NetFUNNEL(ネットファネル)」を統合した「トラフィックスパイク保護ソリューション」を共同で展開するとのことです。

このソリューションは、リアルタイムでのトラフィック分散と制御により、低コストで高パフォーマンスと安定性を提供します。両社は日本市場における顧客接点の拡大と技術競争力の強化に向けて連携を深め、ブランドの信頼確保や公正な顧客体験の提供といった、メガトラフィック時代における企業の新たな課題に戦略的に対応していくとのことです。

具体的な活動内容

今後のパートナーシップでは、以下の重点分野を中心に連携を強化・拡大していく予定だということです。

  • 大規模アクセスが予想される状況下での、リアルタイムなトラフィック分散およびサーバー保護モデルに関する共同マーケティングおよび顧客開拓
  • 不正ユーザーの検出およびブロックによるサービスの公平性確保の提案
  • クラウドインフラ運用効率化に向けたコスト最適化モデルの共同開発
  • Webセキュリティーソリューションの共同提案

両社の特徴

Fastlyは、Webパフォーマンスの向上、Next-Gen WAF、DDoS対策、AIボット管理などのセキュリティソリューション、さらにグローバル規模でのイノベーションを促進するエッジコンピューティングの提供を通じて、世界をリードする企業が高速で安全かつ魅力的なオンライン顧客体験を実現できるよう支援しています。

一方、NetFUNNELは、数万人規模の同時アクセスが発生する状況下でも、ユーザーの進入を秒単位で精密に制御し、リアルタイムで待機列を管理できる仮想待合室ソリューションです。このソリューションにより、トラフィックの安定化と顧客体験の向上の両立が可能になるとのことです。

STCLabは、サムスン、LG、スターバックスコリアをはじめ、政府機関や金融機関を含む700社以上のクライアントへのサービス提供実績と、3,000以上の顧客サービスのサポート経験を持っています。同社の仮想待合室ソリューションは、大量トラフィックの急増やサーバーダウンに直面する顧客が効果的にトラフィックを制御できるよう支援しているとのことです。

代表者のコメント

ファストリー株式会社 カントリー・マネージャー 今野 芳弘氏

「NetFUNNELとの統合は、単なるトラフィック制御にとどまらず、顧客ロイヤルティやブランドイメージの保護、コストダウンにまで踏み込んだ新たなWeb関連技術の飛躍的な進化を実現します。両社の強みを組み合わせることで、CDNと仮想待合室の枠を超えた"デジタル体験保護インフラ"として、新しい価値を市場に提供してまいります。」

STCLab代表の朴 馨駿(パク・ヒョンジュン)氏

「"顧客にとって最も公正な体験を提供する"という理念は、FastlyとSTCLabが共有する価値観です。今回のパートナーシップを通じて、より多くの企業が顧客からの信頼を基盤に成功するイベント運用を実現できると確信しています。」

Fastlyについて

Fastlyのパワフルでプログラマブルなエッジクラウドプラットフォームは、Webパフォーマンスの向上、セキュリティ強化、そしてグローバル規模でのイノベーションを促進するエッジコンピュート、デリバリー、セキュリティ、オブザーバビリティの提供を通じて、世界のトップ企業による高速で安全かつ魅力的なオンラインエクスペリエンスの実現を支援しています。

同社の強力かつ最先端のプラットフォームアーキテクチャにより、開発者は安全なWebサイトやアプリケーションの市場投入までの期間を短縮し、業界トップレベルのコスト削減を実現できるとのことです。国内では日本経済新聞社、ぐるなび、サイバーエージェント、海外ではReddit、Universal Music Groupなど、世界的に著名な企業がFastlyのサービスを通じてインターネット体験を向上させています。

STCLabについて

STCLabは、Webサービスの根幹であるトラフィック管理を専門とする企業として、13年にわたり蓄積した技術力をもとに、大規模なトラフィック環境においても高い安定性と効率性を同時に提供しています。

現在では、公共機関、金融、エンターテインメント、教育など多岐にわたる業界で700社以上の顧客を持ち、SaaS型トラフィック管理ソリューションの新たなスタンダードを提案しているとのことです。

両社のパートナーシップにより、急増するメガトラフィックに対応し、企業のブランド価値を守りながら公正な顧客体験を提供する新たなソリューションが日本市場にもたらされることが期待されます。

このパートナーシップは、単なるサービス連携にとどまらず、デジタル体験を総合的に保護するインフラとして、新しい価値を市場に提供することを目指しているようです。Webサイトやオンラインサービスの安定性と顧客体験の質を同時に向上させたい企業にとって、有力なソリューションとなるでしょう。

大規模なトラフィックスパイクに対処しながら、ユーザー体験を最適化したいと考える企業は、今後このパートナーシップから生まれるソリューションに注目する価値があります。特に、限定商品の販売、チケット販売、新製品ローンチなど、一時的に大量のアクセスが集中するイベントを実施する企業にとって、重要な選択肢となるでしょう。

出典元:ファストリー株式会社 プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ