
グローバルコマースプラットフォームを提供するShopify(ショッピファイ)の日本法人が2025年夏の最新消費トレンドを発表したことがわかりました。この分析によると、気温上昇や季節イベントに伴い、涼しさを求める衣類の需要が前期比1000%以上急増したほか、日差し対策グッズやパーティー用品などが大幅に売上を伸ばしています。特に「ノイズメーカー」は驚異の3100%以上の伸びを記録し、夏のイベント需要の高まりを示しています。
暑さ対策商品やアウトドア関連商品の大幅な成長は、消費者の夏の快適さへの追求と屋外活動の活発化を反映しています。日本の季節性消費の特徴が鮮明に表れた今回のデータは、事業者にとって消費者ニーズの変化に合わせた商品展開の重要性を示唆しています。
この記事の目次
2025年夏のShopifyコマーストレンド詳細
グローバルEコマースプラットフォームを提供するShopify Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、カントリーマネージャー:馬場道生)が、2025年6月から7月末までの国内事業者の販売データを分析し、最新の消費トレンドを発表しました。
今回の分析では、6月1日から7月31日の販売実績を、直前の4月1日から5月31日の期間と比較しています。調査結果から、気温の上昇や夏休み、お盆、夏祭りなどの季節イベントが消費者の購買行動に大きな変化をもたらしていることが明らかになったとのことです。特に注目すべきは、涼しさを求める衣類や日除けグッズ、旬の果物といった夏の快適さや屋外アクティビティをサポートする商品カテゴリーが軒並み好調に推移している点だそうです。
暑さ対策、涼しさを求める衣類の需要が急拡大
夏の気温上昇に伴い、通気性や着心地に優れた衣類カテゴリーが特に大幅な売上増加を記録したことがわかりました。具体的には以下のような商品の需要が急増しているようです。
- ジョガーショーツ:前期比+1398.4%の急増
- ボーイショーツ(通気性の良い下着):前期比+615.9%の増加
- チノショーツ:前期比+524.2%の伸び
これらの数値からは、消費者が夏の暑さに対応するため、快適な着用感を重視した衣類選びを行っていることがうかがえます。特にジョガーショーツは前期と比較して実に14倍近い売上を記録しており、消費者の「涼しさ」への強いニーズが表れています。
屋外対策や日差し対策グッズの人気上昇
夏のアウトドア活動や旅行シーズンを迎え、屋外での活動をより快適に過ごすためのアイテムも好調な売上を記録しているようです。日差しが強くなる夏場特有の需要が顕著に表れている結果となりました。
- アウトドア用構造物(ガゼボ、パティオセット等):前期比+490.3%
- サンハット:前期比+442.1%
- サンシェード:前期比+1053.6%
特にサンシェードは前期比で10倍以上の売上増加を記録しており、日差しを避けつつ屋外での時間を楽しみたいという消費者心理が反映されています。家庭でのアウトドア環境整備や、旅行先での日除け対策など、様々なシーンでの活用が考えられます。
旬のフルーツの需要も堅調
夏の暑さの中でのリフレッシュ需要が高まり、季節のフルーツも売上を大きく伸ばしていることが報告されています。データによると、桃・ネクタリンは前期比で563.6%増と、5倍以上の売上増加を記録したとのことです。
この結果は、夏の旬の果物に対する消費者の関心の高さを示すとともに、オンラインでの生鮮食品購入が一般化しつつある傾向も示唆しています。特に高品質な季節のフルーツは、贈答品としても人気が高まっていると考えられます。
意外な売れ筋カテゴリも登場
今回の分析では、一見すると夏季との関連性が薄いと思われる商品カテゴリーでも、売上が大幅に伸長したケースが確認されたようです。特に注目すべきは以下の商品群です。
- ノイズメーカー:前期比+3168.8%
- パーティーグッズ:前期比+2523.9%
- パーティーブロワー:前期比+2346.3%
- アップライト型掃除機:前期比+1539.1%
パーティー用品カテゴリーの急増は特筆すべき点です。ノイズメーカーに至っては前期比で30倍以上という驚異的な伸びを示しています。この背景には、地域の夏祭りや各地のイベント開催数の増加があると分析されています。これらの商品は地域の催事や学校行事、家族でのレジャーなど、様々な夏のイベントで活用されていると考えられます。
一方で、アップライト型掃除機の売上増加は夏場の特性とは一見関連性が低いように思われますが、夏の大掃除需要やSNSなどを通じた話題化が影響している可能性があるとのことです。消費行動の背景には、季節要因だけでなく、メディアやSNSでの流行なども複合的に影響していることがうかがえます。
Shopify Japanカントリーマネージャーのコメント
今回の調査結果について、Shopify Japan株式会社のカントリーマネージャーである馬場道生氏は次のようにコメントしています。
「日本の消費行動は、季節の移り変わりと密接にリンクしています。気候や行事の変化にあわせて、消費者のニーズや関心がダイナミックに移り変わるのが日本市場の大きな特徴です。今回のデータからも、気温上昇や夏のイベントをきっかけに、衣類や日よけグッズ、パーティー用品などの需要が大きく伸びていることが明らかになりました。Shopifyは、こうした季節ごとの消費傾向を正確に捉え、変化に柔軟かつ迅速に対応する事業者の皆さまを、テクノロジーとデータの力でサポートしています。Shopifyはこうした変化に対応しながら、最適なタイミングで価値を届けられるようサポートを続けてまいります」
夏季の消費動向から見える市場変化
今回Shopifyが発表したデータからは、日本の夏季消費の特徴とその変化が鮮明に表れています。特に以下のような市場変化が読み取れます。
- 機能性重視の消費傾向 - 暑さ対策や快適さを追求した商品への需要拡大
- 屋外活動の活発化 - アウトドア用品や日差し対策グッズの売上増加
- イベント消費の拡大 - 夏祭りやパーティー関連グッズの急増
- 季節性食品のオンライン購入定着 - 旬のフルーツなど季節商品のEC需要
これらの傾向は、事業者が夏季の商品展開を計画する上で重要な指標となるでしょう。特に、気候変動による猛暑傾向が続く中、涼しさや快適さを訴求したマーケティングの重要性が高まっていると言えます。
また、パーティーグッズなどの急増は、コロナ禍を経て社会活動が活発化していることを示唆しており、対面イベントの復活と関連消費の拡大という市場変化も読み取れます。
出典元:Shopify Japan株式会社