
生活雑貨及びインテリア雑貨卸を展開する株式会社スリーキューブ(本社:高知県高知市、代表取締役 後藤 幸祐)が運営する土居DCに、自動化ソリューションを提供する株式会社ROMS(本社:東京都品川区、代表取締役 前野洋介)の高層立体型ピース仕分機「ナノ・ソーター(Nano-Sorter)」が導入されることになりました。
この導入により、スリーキューブでは1日当たり約70%の人時削減と、庫内作業時間短縮による配送手待ち時間の削減を目指すとのことです。
この記事の目次
「ナノ・ソーター(Nano-Sorter)」とは
ナノ・ソーターは、標準5坪から設置可能で、1時間あたり700ピースを仕分けることができる高層立体型ピース仕分機です。天井高を有効活用する設計となっており、仕分け完了したケースの置き場所を気にすることなく作業を進めることができます。また、次工程の開始タイミングに関わらず、一度の作業バッチで大量に仕分け処理することが可能な点が特徴です。
【本導入におけるポイント】
- 設置環境に応じたカスタマイズ:標準4mの設置高に対し、天井高の制約に合わせて約3mの設置高に変更し、全長を伸ばすことで仕分け間口数が減らないよう工夫されています。これにより、設置場所の条件に応じた最適な運用が可能となっています。
- 補助金を活用:経済産業省「持続可能な物流効率化実証事業費補助金※」に採択され、仕分機導入のほか各システムとの連携により導入効果の最大化を図る取り組みが行われています。
※荷主を含む複数企業が連携した物流効率化に資する取組に対し、物流施設の自動化・機械化に資する機器・システムの導入、プラットフォームの構築等に係る実証費用を補助することを通じて、改正物流法の取組の実効性を高めることを目的とした事業
スリーキューブにおける導入の背景
スリーキューブでは、ナノ・ソーター(Nano-Sorter)導入によって、これまで作業工程で人手がかかっていた仕分け作業の約7割を効率化・省力化することを目指しています。加えて、庫内作業短縮に伴う配送員の手待ち時間の圧縮も実現する見込みです。
こうした物流現場の効率化は、昨今の物流業界における人手不足や効率化の課題に対応するものであり、持続可能な物流体制の構築に寄与するものと考えられます。
今回の導入決定にあたり、株式会社スリーキューブ 後藤代表取締役より以下のコメントが発表されています。
株式会社 スリーキューブ 代表取締役 後藤 幸祐氏コメント
現在の物流業界では迅速かつ正確な配送が求められております。一方で、現状の倉庫オペレーションの課題として、無駄な作業や配送員の手待ち時間があります。これら小さな無駄の積み上げによって作業全体の効率低下やコスト及び時間のロスが生じています。
上記課題への対応として、Nano-Sorterに着目いたしました。
現状は人手で行っている仕分け作業の一部をNano-Sorterに置き換えることで、一日当たり約70%の人時削減と、庫内作業時間短縮による配送手待ち時間の削減が期待できます。
この導入は物流現場における作業効率化だけでなく、人手不足への対応や、作業品質の安定化にも寄与することが期待されています。また、経済産業省の補助金を活用することで、導入コストの最適化も図られています。
物流業界全体で自動化・効率化の取り組みが進む中、本事例は中小規模の物流拠点における自動化の好例として注目されています。設置スペースの制約に合わせたカスタマイズや、既存システムとの連携など、実際の現場に即した導入アプローチも参考になるでしょう。
ナノ・ソーターのような自動化設備の導入は、単に人手を置き換えるだけでなく、作業全体の最適化や、スタッフがより付加価値の高い業務に集中できる環境づくりにもつながると考えられます。今後の運用状況や効果についても注目されるところです。
導入企業および提供企業の概要
株式会社スリーキューブ
家庭用品とインテリアの総合卸。みなさんのお宅に便利なグッズをお届けします。
本社: 高知県高知市南久保9番16号
代表: 後藤 幸祐
設立: 2013年2月
資本金: 30,000,000円
事業: 生活雑貨及びインテリア雑貨卸
株式会社ROMS
EC/小売/物流事業者様向けに高性能小型自動倉庫とロボットピックを中心とした各種自動化ソリューションを提供しております。
本社:東京都品川区西五反田八丁目8番15号
代表取締役:前野 洋介
設立:2019年6月3日
事業:ロボティクス・自動化システムの企画設計・開発・販売、物流施設・小売店舗向け各種ソリューションの企画設計・開発・販売、上記に関連するコンサルティング業務
まとめ
物流業界では人手不足や効率化の課題が年々深刻化しており、こうした自動化設備の導入は今後さらに加速することが予想されます。特に中小規模の物流拠点においても導入しやすい設計のナノ・ソーターのような製品は、業界全体の効率化に大きく貢献する可能性を秘めています。
また、今回の事例では経済産業省の補助金を活用している点も特筆すべきでしょう。国としても物流効率化を重要課題と位置づけ、支援を行っていることがわかります。こうした公的支援を活用しながら、各企業が自社の物流体制を最適化していくことが今後ますます重要になると考えられます。
スリーキューブでは今回の導入を皮切りに、さらなる物流効率化に取り組む方針とのことです。今後の展開についても注目されるところです。
出典元: 株式会社ROMS プレスリリース