
株式会社ICA(本社所在地:静岡県富士市)が、Z世代(18歳~27歳)を対象に、「Z世代が抱く広告のイメージ」に関する調査を実施し、その結果を発表しました。この調査では、デジタルメディアの進展によって変化する広告環境の中で、Z世代が広告に対してどのような印象を持ち、どう接しているのかが明らかになっています。
近年、デジタルメディアの進展とともに、広告を取り巻く環境は大きく変化しています。特にスマートフォンやSNSの利用が日常的となっているZ世代(18歳〜27歳)においては、情報への接触方法がこれまでの世代とは大きく異なり、広告との関わり方にも独自の傾向が見られるようになっています。
そこで今回、屋外ビジョン『ICAビジョン』を開発・販売する株式会社ICAは、Z世代(18歳~27歳)を対象に、「Z世代が抱く広告のイメージ」に関する調査を実施しました。
調査概要:「Z世代が抱く広告のイメージ」に関する調査
【調査期間】2025年4月18日(金)~2025年4月21日(月)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,002人
【調査対象】調査回答時にZ世代(18歳~27歳)であると回答したモニター
【調査元】株式会社ICA
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
この記事の目次
Z世代が抱く広告のイメージ1位は「コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい」
調査ではまず、「普段よく目にする広告の種類」について質問したところ、『SNS広告(Instagram・X・TikTokなどのフィード内広告)(71.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『動画広告(YouTubeや動画配信サービスなどで再生前・途中に流れる広告)(50.9%)』『テレビCM(37.0%)』という結果になりました。
上位に挙がった回答は、いずれも映像ベースの広告形態で、視覚・聴覚の双方に訴えるメディアへの接触が多いことが明らかになっています。特に『SNS広告』は、Z世代の日常生活と直結しており、スクロール中に頻繁に表示されるため、自然な形で目にする機会が圧倒的に多いと考えられます。
続いて「普段よく目にする広告に対する印象」を尋ねたところ、『コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい(45.5%)』と回答した方が最も多く、『一方的で、信頼性が少ない(怪しいサイトへの誘導など)(25.2%)』『誇張しているなと感じる(21.4%)』という結果になりました。
これらの結果から、Z世代にとって広告は興味を持っているコンテンツを「邪魔する存在」として認識されていることがわかります。特に『煩わしい』『信頼性が少ない』『誇張している』といった否定的な印象が上位を占めており、広告そのものへの根本的な拒否感が見られる結果となりました。
では、実際にどのような広告が不快に感じられているのでしょうか。

「どのような広告が不快に感じるか」と尋ねたところ、項目別で以下のような回答結果になりました。
※数値は『とても感じる』『やや感じる』の合計値
【不快と感じる方が7割以上】
89.9%:動画広告(YouTubeや動画配信サービスなどで再生前・途中に流れる広告)
79.8%:バナー広告
78.9%:SNS広告(Instagram・X・TikTokなどのフィード内広告)
【不快と感じる方が3割以上】
45.3%:テレビCM
34.8%:雑誌広告
32.6%:看板広告・ポスター
31.8%:新聞広告
【不快と感じる方が3割以下】
29.9%:屋外ビジョン広告(駅前・繁華街の大型モニター広告)
調査結果から、最も不快に感じられている広告は「動画広告」で、約9割のZ世代が不快感を感じると回答しています。同様に「バナー広告」や「SNS広告」も上位となり、不快感が高い広告には共通して「視聴や操作中に割り込んでくる」という特徴が見られました。これらの広告は、ユーザーがコンテンツを操作・閲覧している最中に表示されるため、視覚的な邪魔や誤操作によるストレスが不快感を生み出す原因となっていると考えられます。
一方で、約7割が不快と感じないと回答した「屋外ビジョン広告」や「新聞」、「看板」といった広告は、ユーザーの体験を妨げず、自分のペースで視認できるため、不快感が少なく受け入れられやすい傾向が見られました。特に最も不快度が低かった屋外ビジョン広告は、生活動線上で自然に目に入り、「視認されやすく、受け入れられやすい広告」として好意的に受け止められている様子がうかがえます。
SNSなどweb広告に煩わしさを感じ行う回避行動の実態
広告への不快感を回避するために行っている行動についても調査が行われました。

「広告を回避するために行っている行動」について尋ねたところ、『すぐ広告スキップや閉じるボタン・✕を押す(43.7%)』が最も多く、次いで『広告がでてきたら画面を変える(19.6%)』『動画サイトの有料プランに加入している(10.3%)』という結果になりました。
この結果から、Z世代にとって「広告は回避するもの」という姿勢がごく自然な行動として定着していることがわかります。特に『すぐ広告スキップや閉じるボタン・✕を押す』といった即時対応は、広告との接触時間を最小限にしたいという心理の表れとも言えるでしょう。また、広告を表示させないために費用を払う「有料プラン」への加入も一定数見られ、広告回避への積極的な姿勢がうかがえます。
多くのZ世代がSNSやWEB広告を「避けるもの」として即座にスキップや非表示の選択をしている一方で、屋外ビジョン広告は最も不快に感じにくい広告として評価されています。そこで、Z世代が屋外ビジョンについてどのような印象を持っているのかも調査されました。
屋外ビジョンは「誰もが目にする」という点が信頼性や公共性を感じさせる結果に

「屋外ビジョン(例:駅や街中の大型モニター広告)に対する印象」について尋ねたところ、『迫力があって目立つ(32.1%)』が最も多く、次いで『芸能人やアーティスト、アニメキャラクターなどがよく出てくる(25.7%)』『流行の商品や勢いのある企業のCMが流れている(22.0%)』『信頼性、公共性が高い(21.3%)』といった回答が挙がりました。
さらに、『信頼性、公共性が高い』と回答した方に、その理由を尋ねたところ、『誰もが目にするため、不正確な内容が少なそう(65.3%)』『CM費用も高額な印象があり、大きな企業しか流せないイメージ(40.9%)』が上位を占めました。
オンライン広告に対して否定的な姿勢を示すZ世代でも、屋外ビジョン広告に対してはマイナスの印象を抱く割合が低いことがわかります。その理由として、「不特定多数が見る」「費用が高額」といった「信頼性、公共性の高さ」が挙げられており、SNS広告とは異なる評価基準が適用されていると考えられます。また、視覚的な迫力や非日常性も魅力とされており、広告が街の風景と一体化することで、単なる情報提供ではなく「体験」として受け入れられている側面もあるようです。
このような広告から受けた印象は、企業イメージにも影響を与えるのでしょうか。

「広告から受けた印象が、その広告を出している企業の印象に影響すると感じるか」という質問に対して、約半数の方が『影響する(16.9%)』『やや影響する(36.5%)』と回答しました。
さらに、これらの回答者に影響する理由を尋ねたところ、『信頼できそうな広告は、企業自体も信頼できそうに見えるから(45.8%)』『広告のクオリティがそのまま企業の印象につながるから(42.1%)』『表現方法やトーンが企業の姿勢を反映していると感じるから(25.4%)』などの意見が寄せられました。
この結果から、広告が企業のイメージ形成に大きな影響を与えることが示されています。特に広告の「信頼性」や「クオリティ」は、企業の姿勢や真摯さを映し出す要素として認識されており、Z世代の多くが広告を企業評価の指標として見ていることがわかります。
屋外ビジョンは「都市の活気」や「トレンドの象徴」のような印象に

「屋外ビジョンや大型ビジョンにどのような魅力を感じるか」という質問に対しては、『街が栄えているイメージ(31.0%)』が最も多く、次いで『流行のモノが流れているイメージ(27.7%)』『街中で大胆に流れることが魅力的(23.1%)』という結果になりました。
これらの回答からは、屋外ビジョンが「都市の活気」や「トレンドの象徴」として認識されていることがわかります。また、「街中で大胆に流れることが魅力的」という回答からは、スケールの大きさや非日常的な演出に価値を見出していることが読み取れます。屋外ビジョンは単なる情報発信の手段としてだけでなく、人々の注目を集め、都市空間の中で一瞬立ち止まらせる「場の力」としても機能していると言えるでしょう。
【まとめ】広告に対するZ世代の印象は「煩わしい」が最多!スキップや課金で接触回避する実態が判明
今回の調査結果から、Z世代にとって広告は「常に目にするもの」でありながら、必ずしも「積極的に受け入れたい存在」ではないという現実が明らかになりました。特に日常的に目にするSNS広告や動画広告に対しては、「コンテンツを遮る」「不快」「信頼できない」といった否定的な印象を持つ傾向が強く、多くのZ世代が広告を回避する行動を取っていることがわかりました。広告の内容そのものよりも、「表示のタイミングや方法」がストレスの有無に大きく影響していると考えられます。
一方、屋外ビジョン広告については比較的肯定的な評価が多く、駅や繁華街に設置された大型ビジョンは「街の活気」や「流行の象徴」として認識され、広告でありながら街の風景の一部として自然に受け入れられている様子がうかがえます。「不特定多数が見る」「費用が高そう」といった特性が信頼性や公共性に結びつき、オンライン広告とは異なる評価を受けています。
また、広告そのものが企業イメージに影響を与えると考えるZ世代は半数以上にのぼり、「広告のクオリティ=企業の姿勢」という捉え方が示されました。Z世代にとって広告は単なる販促ツールではなく、企業の価値観や誠実さを判断する材料になっていると言えるでしょう。ユーザーに好印象を与える広告を展開することは、企業への信頼感や好意を育む有効なアプローチとなり得ることが示唆されています。
このように、広告への評価は媒体ごとに大きな差があり、「押しつけ感」のない自然な接触や、信頼につながる設計が重要であることが明らかになりました。Z世代の感覚や行動特性を踏まえた広告設計は、今後の企業イメージ形成戦略において一層重要性を増すことが予想されます。
出典元:株式会社ICA プレスリリース